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新しいシャンソンを新しい言葉に乗せて

   シャンソンの訳詞のつれづれに                      ~ 松峰綾音のオフィシャルブログへようこそ ~

桜満開(一) 「綾音 達人夜話」第4夜

   高瀬川の桜
 4月6日(土)、「綾音 達人夜話」第4夜、無事終了致しました。
 思えば、昨年4月7日に第一夜がスタートし、四季を追って様々なゲストの方と楽しくお話を交わしてきました。
 第一夜も桜満開の中でしたし、そして今回の締めくくりも高瀬川を飾る美しい桜に包まれていました。

俯瞰
 余りにも麗らかな陽射しで、格好のお花見日和でしたので、少し早めに家を出て会場に向かいました。 

 眩しい光の中で咲き誇る桜。



 お花見の人達で賑わう四条通りを縫うように歩き、木屋町通りに出ます。
 高瀬川に沿って桜。
高瀬川2 高瀬川3

高瀬川1
 高瀬川は角倉了以・素庵親子によって開削された人工の川、全長約11㎞の運河です。二条大橋の南で鴨川から取水し、木屋町通り沿いの西側を南下し、やがて再び鴨川に合流。

 水深が約30㎝の浅瀬ですが、流れが澄んで美しく、白鷺や鴨がゆったりと遊び、美しく木々の影を川底に映しています。
ギャラリー前

 会場のギャラリー「四季AIR」の前に到着しました。




   ケーキのお人形を飾ってみました
ケーキ人形 (1)
  既にご紹介したケーキのお人形たちですが、演台に並べてみました。
 パティシエの西原さんとの対談にエールを送ってくれているようで、とても可愛らしく、お客様からも「美味しそう!」の声が。
 西原さんのお店の絶品「伝説のアップルパイ」のお話も熱く語りましたので、一番人気はアップルパイのお人形だったかもしれません。
松峰綾音

 会場の設えをしながら一枚。

 実は、気がついたら、ゲストとの対談風景も撮り損ね、この日はご紹介できる写真が殆どありませんでした。


   「食育」について
 満席の参加者、和気藹々とした、そして期待に満ちた雰囲気の中で、パティシエ 西原金蔵さんとの対談が始まりました。
 おおらかで温かいお人柄、ソフトな語り口でいらっしゃるのですが、そこから溢れ出る誠実さと、毅然と揺るぎない信念・自信、それらに裏打ちされたお話の一つ一つが胸に沁みてきました。
 あっという間に定刻の80分が過ぎて・・・・沢山ご紹介したいお話はあるのですが、「食育」についての次のような言葉が特に心に残りました。

 今、お菓子に関わる仕事についていることの根底には、一つには幼少の頃に受けた「食育」があるのではないかと思います。
 兼業農家だったので、その季節の収穫をいつも食べさせてもらっていました。
 初物を食べるときには、必ず作物の出来不出来などの話題が食卓に上りました。何が美味しいのか、どのように美味しいのか、家長であるおじいちゃんの話してくれる、食べ物への様々な受け止め方が、自然に心に入っていたのかもしれません。
 食べるということへの基本的なマナーや、味覚の感じ取り方や、それをいかに表現するかといった、自分にとっての「味覚の土台」の形成だった気がします。
 子供の頃の思い出としては、おばあちゃんが年に数回作ってくれた「岩おこし」の美味しさ、「おこし」といっても少し柔らかく何とも言えない甘さで、お菓子に惹かれた幸せな原体験になっています。

 もう一つ。
 フランス留学で出会ったアラン・シャペル氏から学んだ「食育」が、現在の自分のベースになっていると言って過言ではありません。
 「ルセットを超えるもの」ということ・・・・ルセットとは、調合(レシピ)のことですが、お菓子は科学と言われるぐらい、「決められたことを決められたように再現するというのがお菓子作りである」という考え方がベースにあります。アラン・シャペル氏は「ルセットを超えるもの」という料理哲学を持っておられたのです。
 シャペル氏からは「その基本から抜け出せなければルセットを超えることはできない」と、いつも言われました。
 いつもその時その時の最高の素材を見つけ、その素材を生かし得る最高の方法を探ってゆくこと。
 自然体で自分が真に美味しいと思えるお菓子を作ること。
 食べ物の中にある思い出を大切にすること。
 そんな多くの事を彼から学んだのです。

 誰のために作るのか。その人のためにどういった食材がいいか、どのように
して、良い素材を手にするのか。食べてもらう人と時をいつも意識して、食材に向き合う、厨房にある西原さんの真摯な眼差しが浮かんでくるようでした。

 お祖母様の作って下さった「岩おこし」の飛び切り美味しい幸せな味をきっとずっと楽しく想い描きながら、お菓子に挑戦していらっしゃったのでしょうか。
 「食べ物の中にある思い出を大切にする」ということは、そういう「幸せ」を再現することなのでしょうか。
 「こうするともっと美味しくなるかもしれない」・・・・ワクワクするような好奇心、探究心と、素材への愛情、供する相手への愛情が、お菓子作りのエネルギーの源になっているのだと感じました。

 対談は多岐に渡り、途中シャンソンの話に言及して、歌も披露しながら進めていきました。
 すべてをご紹介できないのは残念ですが、素敵な4月の夕べとなりました。

 
 「言葉を超えるもの」をメインテーマとした、この「綾音 達人夜話」のシリーズを終えるにあたり、今、思うのは、究極的には、あらゆるジャンルに「共通するもの」があるのではという事です。

 ・・・食べ物であろうと、言葉であろうと、音楽であろうと、哲学、演劇、・・・・あらゆる素材において、その奥にある「目には見えないもの」、でも「生き生きと輝き続け躍動するもの」を掬い出す、対象への慈しみをベースとした柔軟で創造的なエネルギーこそが、真に良きものを見出だし、生み出すのではないかと。
 そして更にそのベースに、揺るぎなく立つ自分(風土、育ち方、習慣、歴史、感受性、人としての真の教養、などに裏打ちされていくのでしょうけれど)があることが大切なのではないでしょうか。
 「グローバル」であることの本当の意味を、考えることのできた貴重な経験に改めて感謝しています。
西原金蔵
 
 写真は夜話が終わった後のワインパーティーで。

すっかりリラックスしたツーショットです。

帰路に向かう道。
夜桜、水面に映る桜花、白く浮かび上がる花びら。
    夜桜花筏

   桜の季節が、今、美しく流れて行きます。



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「綾音 達人夜話 第四夜」のご案内

   寒桜 繚乱
 寒桜満開
京都に先駆けて、「寒桜、満開です」のお便りが東京の友人から届きました。
美しく初春を彩っています。
寒桜一輪
 一昨年のコンサート「をみなごに花びらながれ」のプログラムの裏表紙を飾った一輪の桜も同じ友人が撮って下さった写真。

 <桜が怖くなった>・・・と反響を生んだ『桜の森の満開の下』(坂口安吾作)の朗読から、また一年が巡ろうとしているのですね。

 今年は桜の季節の訪れが早そうです。

   「綾音 達人夜話 第四夜」詳細が決まりました
 昨年4月にスタートした「綾音 達人夜話」も最終回の第4回目を迎えることになりました。
 毎回お迎えするゲスト、どなたにお願いしようかと熟考していたのですが、今回も素敵な方とのご縁が結ばれ・・・・パティシエの西原金蔵さんにご出演いただくことが決まりました。

 さて詳細です。
達人夜話チラシ

 綾音 達人夜話 
 第4夜「2019年4月6日 (土)18:00~ 
 ゲスト 西原金蔵さん(パティシエ)

 「シャンソンとケーキからフランスと日本が見える 」

 シリーズ最終回、ゲストは日本を代表するパティシエ、西原金蔵さん。
 修業の日々、日仏のお菓子事情、食文化、シャンソンとの出会い・・・豊かなご経験を伺いながら、フランスと日本の文化・国民性、言葉と音楽等について紐解いていきます。「綾音 達人夜話」の総決算をお楽しみに!

 西原さんのこと、お話ししたいことは山のようにあるのですが・・・。

 京都にお住まいの方なら、或いは、ケーキ好きの方なら、おそらく知らない方はないと言っても過言ではない洋菓子の名店「オ・グルニエ・ドール」のオーナー。
 フランスの「Alain Chapel 」で日本人初となる3つ星レストランのシェフ・パティシエに就任なさり、これまでに世界的に栄誉ある賞をいくつも得ていらっしゃいます。
オグルニエドールケーキ
 実は、我が家のはす向かいに、このパティスリー「オ・グルニエ・ドール」はあり、毎日ケーキを買い求めるお客様で外まで溢れる長蛇の列を目にしてきました。
私もこちらのケーキが大好きなので、来客のある時など必ず、長い列に並んで購入していたものでした。

 更に西原さんのお住まいとも卑近距離にあって、ずっと前からご挨拶を交わし合う間柄だったのです。

 ところが、昨年の5月末日を持って閉店。
 お店を始められる時から、65歳でお店を閉じようと決めていらしたとか、「閉店」ではなく「卒業」なのだと静かにおっしゃる言葉が印象的でした。
西原さん写真
 にこやかな笑顔がとても魅力的なこの写真は、「Foodion」(フージョン)という食の情報NETが特集していた記事から使わせて頂きましたが、本当にこの通りの温かく快活な方で、お話ししていると自然に幸せな気持ちになってきます。

 2月4日の記事「ドール・ドール」で<ケーキのお人形を見た途端、閃いたことがあり・・・>と記しましたが、実はこの時に、次のゲストには是非西原さんにと思ったのでした。

 熱くお願いして、幸いご快諾頂くことができました。
 音楽にも造詣が深く、ジャズの愛好家でコレクションも徹底されており、フランスでお過ごしだった時、シャンソンとの出会いも様々おありだったとのことです。

 「自分は、表舞台に立つ立場ではなく、厨房の中でお菓子作りに専念する<クロコ>として過ごしてきましたので、お話しするのは苦手なのです」とおっしゃっておられましたが、<お菓子>という、これまでとは全く違ったジャンルから、日仏の文化論、シャンソンとの共通項など、様々に深めて行くことが出来るのではと、対談への期待に胸が膨らみます。

 「シャンソンとケーキからフランスと日本が見える」
 このテーマでの「綾音 達人夜話」の締めくくり、どうぞお楽しみに、是非お越しくださいね。

 お問い合わせはいつものようにWEBのコンタクトからお願い致します。


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11月 軽井沢にて

   「FM軽井沢」に出演しました
 突然のご報告ですが、11月9日(金)に「FM軽井沢」に出演致しました。

 今夏、軽井沢で素敵な方々と出会う機会があり、楽しい時間を過ごしたことを「勝手にファン倶楽部」の記事の中でご紹介しましたが、そんな夏のご縁からお声を掛けて頂き、今回「FM軽井沢」に出演する運びとなったのでした。

 「 KARUIZAWA Smile Days 」という番組。
 12:00~13:30までの情報番組なのですが、途中にゲストコーナーがあり、軽井沢に縁のある様々なジャンルのゲストが、パーソナリティーとお話をするという趣向になっています。

 <この日、スタジオを訪れたゲスト>という事で。

 夏の軽井沢の仲間たちと、訳詞や歌や朗読や、日仏の文化・気質の違いや、etc,etc・・・日頃から思っていることなどを、耳を傾けて下さるのに任せて、楽しくおしゃべりしていたのですが、「そういう感じをそのままスタジオに持ってきて、自然にお話しして頂ければよいので。」との、ラジオ局の方からのお招きでした。

 私は、割と何でも用意周到に準備をしてしまう性質ですので、
 「では、打ち合わせは?」 「リハーサルは?」 「台本は?」 とお伺いしたのですが、
 「変に決めてしまうと、自然な会話が出来なくなりますので、台本など一切なしに。
 その場で臨機応変に自由にお話して下さい。」とのお答え。
 
 それで、一度お電話で、パーソナリティーの方とトピックスを簡単に確認しただけで、当日のスタジオ入りとなったのでした。

 楽しい気持ちでお話が出来ますように
 この日は頭がクリアで、当意即妙な会話となりますように
 万一にも、声が出なくなったりしませんように

 そんなことを思いつつ、ワクワクしながら。

 全国的にも10月上旬のような暖かい一日だという事、軽井沢もポカポカと汗ばむ日差しで、やはりやはり私は晴れ女なのだと、神がかり的な確信が湧いてきたのでした。
軽井沢駅構内
 「FM軽井沢」のスタジオは、軽井沢の駅舎の2階にあるのです。
 駅構内には、こんなクリスマスツリーが新幹線の改札口の正面に飾られていて、観光客を穏やかに迎えていました。
駅前の紅葉
 
駅前広場の真ん中には、シンボルツリーのように大きく葉を広げた紅葉の大木が鮮やかに染まっていました。

 そして「FM軽井沢」に。
FM軽井沢
 パーソナリティーの塚越景子さんが優しい笑顔で迎えて下さいました。
 旧知の間柄のように、あっという間に打ち解けて、談笑しつつ、簡単な確認を。
 塚越さんは一足早く録音ブースに入り番組がスタートしました。

 夏以来となるT氏とも再会。
 放送局は時間との戦い、皆様、それぞれにてきぱきとお仕事をこなしていらっしゃることが初めて訪れた私にもよく伝わってきて、心地よい緊張と高揚感に包まれています。

 T氏の温かい心配りと度量が、現場を頼もしく取り仕切っています。
 「優しい風のように話して下さればよいですので」との一言が、爽やかに胸に刻まれました。
収録風景1
 そして出演時間。
 9月の採薪亭演奏会のライヴ録音から二曲を流して下さり、それを受けながらお話は進んでいきました。
 <軽井沢との関わり><なぜシャンソンなのか><日々の訳詞の活動について><朗読とシャンソンとの結びつき>などの話題へと発展して行き・・・

「いつもゲストコーナーは15分位が目安なので」と伺っていたのですが、塚越さんの巧みなリードでお話は弾み、結局30分間ほどの出演時間となり、ちょっとびっくりです。
収録風景2
 「楽しかったですね。」と言い交わして、お名残惜しくスタジオを後に出来たのは本当に幸せでした。

 ラジオ出演は4年前の「FMヨコハマ」以来ですが、ラジオ局の持つ雰囲気って私は大好きですし、マイクの向こうに、目には見えない、でも耳を澄まして下さる方々を感じ、声と言葉だけで繋がり合う、そのような気配を身に受けることは本当に素晴らしいことだと今回も痛感しました。
 素敵なご縁を頂けたことにとても感謝しています。

   そして11月の軽井沢を歩く
落葉の道
 解放感と高揚感にしばらく浸っていたい気がして、少し軽井沢を散策してみようと思いました。
 いつもの年なら、11月のこの時期はもう落葉も終わってしまっているのに、まだこんなに鮮やかで美しくて感動です。
青空とカラマツ


ドウダン、紅葉、落葉松。
 期せずして落葉松の金色に輝く最後の黄葉を見ることができました。

 落葉松の針葉が風に乗ってキラキラと針の雨のように降りしきってきます。


 歩道を埋める金色の枯葉。
落葉 落葉2
  落葉松の落葉もこんなに道を埋めています。

    遠くから眺める山並みは落葉松の峰。
   全山黄葉1
  東山魁夷画伯の描く一幅の日本画のように、幻想的に浮かび上がる山々です。

 そして夕暮れ時。
 締めくくりはプリンスモールに少しだけ立ち寄ってみました。
 夏は人ごみで賑わっていますが、この時期はさすがに人もまばらで、しっとりと紫がかった靄に包まれる日暮れの空が、胸に沁み通ります。
軽井沢モール1 軽井沢モール2
 イルミネーションが光り始める頃、冷気が急に流れ・・・秋が冬に急速に入れ替わって行く軽井沢を、肌で感じることの出来た嬉しい一日となりました。



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「綾音達人夜話 第三夜」終了致しました

   「第三夜」
 麗らかな秋晴れとなった文化の日、夕暮れ時18時から、「綾音達人夜話第三夜」がいつもの会場、「四季AIR」で開催されました。
 お陰様で、とても楽しく充実した会となりましたので、今日はその様子をご報告したいと思います。

 今年の4月、高瀬川沿いの満開の桜を窓辺から眺めながら、「日本語で紡ぐ」という演題で山田弘明氏と哲学と文学・音楽とを対比し、翻訳の問題を取り上げたのが第一回目。
 そして前回二回目は、祇園祭の賑わいが街に溢れる7月。
 「バレエ・オペラ・ミュージカル・シャンソン」の演題で、フランス音楽舞踊劇の歴史と特徴について、西田稔氏と熱く語り、そして今回が第三回目となったわけです。

 これまでの全てを繋ぐテーマは「ことばを超えるもの」。
 シャンソン訳詞を通して見えてくるフランスと日本の再発見を様々な分野のゲストをお招きして、改めて考えてみたいというのがこのシリーズの骨子になっているわけですが、今回のテーマは「国民性」ということで、演題は「シャンソンに見るフランスとアメリカ そして日本」です。

 当初から予約で埋まっていたのですが、それでも更に当日ぶらりと訪れて下さったお客様もいらして、ギャラリーの空間に入りきれないほどで、座る場所を確保するのに精一杯の状態、まさに満員御礼の嬉しい悲鳴でした。

 対談のゲストは国際文化芸術プロデューサーの前田哲央氏、明朗で颯爽とした好青年という感じの素敵な方です。
 事前に二度程打ち合わせをしたのですが、フランスで生れ、11歳の時までフランスで生活なさっていらしたとのこと、興味深いお話もたくさん伺って、この日の対談の中に是非取り入れたいと思っていました。
前田さんと
 ご両親がシャンソンをお好きで、幼い頃、ピアフやモンタンなどの往年のスターの歌声を聴いて育ったのだとか。オーソドックスなシャンソンの王道をよくご存じだったのですね。

 始まる前のツーショットです。
 二人ともとても畏まっている感じです。これから始まる夜話に心地よい高揚感が溢れます。



    「シャンソンに見るフランスとアメリカ そして日本」
 80分間の予定で講演はスタート。
 初めに前田さんのご紹介と講演の概要を説明しました。
 そして今回は具体的にシャンソンを数曲取り上げて、進めていきました。

 「国民性によって歌詞は変容する」・・・・これまでコンサートの中で、折に触れてお話してきたことなのですが、国によって同じ曲でも全く違った歌詞が付けられる、それを比較してみた時、そこに、ものの考え方、感性、習慣、・・・国民性が見えてくるということ。
 フランス語の詩、英語の詩、日本の詩を、具体的に比較し、その特徴を考えることから、お話を進めていきました。
 
 最初に取り上げた曲は「comme d’habitude 」(仏)。
 英語詞と日本語詞のタイトルは「マイウエイ」。
 講演風景

 そして、もう一曲は「Terry's Theme 」(「テリーのテーマ」)。
 チャップリンの映画「ライムライト」のテーマ曲です。
 英語詞と日本語詞のタイトルは「Eternally(エターナリー)」とされており、一方、フランス語詩は「Deux petits chaussons」・・・・私は「小さなトーシューズ」というタイトルを付けて折に触れて歌っている大好きな曲です。

 「マイウエイ」も「テリーのテーマ」も皆様聴き覚えのある曲ですので、親しみを持って耳を傾けて下さっていたようでした。
 訳詞による世界観の違い、曲自体の印象が全く変わってくること等、新鮮な発見をしていただけたのではないでしょうか。

 ゲストの前田さんに、このような国民性の相違についての感想を伺いながらお話を進めて行ったのですが、でもそれだけではなく、マイウエイの一節を歌って頂いたり、フランス語詩の朗読をして頂いたりと色々なリクエストをしてしまいました。
 歌も朗読も楽しげにこなして下さって、和気藹々とした雰囲気が会場に流れました。

  フランスと日本との文化の比較の例として、更に二曲、取り上げました。
 私も自分の訳詞での歌を何曲かご披露して、コンサートと講演会と対談とが楽しく融合したような、あっという間のひと時でした。

 講演やコンサートを通していつも伝えたいと思っていることは、

 「真にグローバルであることは、まず自国を知るということ」

 これに尽きるかなと思っています。
 自国に深い見識を持ち、他国に向かうのでなければ、他国の何物も見えてこないのではないでしょうか。
 国際的であること、他国を理解し、協調しながら付き合ってゆくことの基盤に、自国への理解と誇りを持たなければと痛感しています。
 言葉と日々向き合う自分の立場からは、言葉、日本語の真の美しさを味わい学ぶことが大事なのではと思います。

 そんな日頃の所感をお話しして締めくくったこの日の夜話でした。
 (自慢話! この日も含めて三回とも特に時間を計らないのにぴったり予定通りの80分で終了。昔、教壇に立っていた時からの私の特技なのです!!)
懇親会
 終了後に同会場でのワインパーティーにもほとんどの皆様が残って下さり、あちこちで、芸術論議や音楽談義が起こった、賑やかで楽しい打ち上げでした。
 
「綾音達人夜話」は、全4回シリーズとなります。
 最後の回は来年の4月6日(土)、まだ対談のお相手は決まっていませんが、決定しましたら改めてお知らせ致します。
しばらく先ですが、どうぞ次回をお楽しみに是非いらして下さい。


 

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『達人夜話』第二夜が終了しました

   何時までこの猛暑は続くのでしょう
 7月21日、「綾音達人夜話」第二夜は無事終わりました。
 楽しくかつ格調高い素敵な夕べとなりましたが、それにしても暑かった・・・。

 夜話のご報告の前に、京都人の特権、暑さ自慢をさせて頂こうかと思います。

 京都では、既に連続二週間以上38℃超えの日が続いています。
 それも当然のように感じてきているのが、我ながら凄いです。
 鍋の底のような盆地、熱した大気が冷める間もなく、沈み込んできて、クーラー病や、熱中症初期症状、何だか変な病気にかかったような気もします。

 この中でも、今日は祇園祭後祭り、例年と変わらず粛々と山鉾巡行も執り行われておりました。
後祭り
 巡航の行列を待つ気にはさすがにならず、交通規制で警官が大勢交通整理をしている姿を横目に見て通過してしまいました。
 交通止めの向こうには消防自動車と救急車、パトカーが何台も待機していて、物々しい気配。リスク管理万全です。

 それにしても今は、各地でお祭り真っ只中ですね。
 暑い夏だからこそ、それを吹き飛ばすパワーを夏祭りは呼び込んでいるのでしょうか。

 「熱中症で搬送された方たちの出身地別統計を取ったら、意外に京都は少ないのでは?」と、先日、友人が言っていましたが、確かに千年の都、この夏の暑さに耐えながら文化を作り上げてきた底力は恐るべしです。

 我が家のすぐ近くのカフェのママさん、古い町家に住むおじい様、毎朝、綺麗に外を掃き清めて、打ち水で涼を取っていますし、道端のお地蔵様には誰が備えるのかいつもお花が飾られ水も取り替えられています。

 窓には簾(すだれ)、玄関先には竹格子が組まれて目隠しも日よけも夏仕様です。
 生活の中に、様々な工夫を取り入れ、暑さも丸ごと自分の側に取り込んでしまっている、京都の街の奥深さなのでしょうか。

 さて、前置きが長くなりました。
 私も、今回の「綾音達人夜話」のコスチュームは夏着物にしようかと密かに思い定めておりました。
いらして下さる皆様に少しでも季節感を感じて頂けるような涼しげな様子でお迎えするのも京都流おもてなしではないかと、決意したのですが・・・。


 武士は食わねど・・・・夏着物は爽やかに!
 「決して暑そうな顔はしないこと!!」
 これも先の友人にアドバイスされ・・・。
おまけ
 帯をきつく締めた瞬間は、しゃきっとしてとても清々しく感じられたのですが、でも、この日も昼間は39℃を超えて、熱気が身に沁み入ってくるようで、外に出たら頭がくらくらとしてきました。

こだわった以上、頑張るしかない・・・と覚悟を決めた後ろ姿です。
美容師さんがいつもと違った仕上がりに「髪型の写真撮らして下さい」と一枚。 涼しげですね。

   『綾音 達人夜話』第二夜
 いつもの会場、高瀬川沿いにある「四季AIR」にて、ゲストの西田稔先生と。

 何回も打ち合わせをした甲斐あり、息もぴったりの楽しい対談となりました。
 先生はフランス古典文学がご専門で、特にラシーヌを研究していらっしゃいます。 また、17世紀フランス宮廷バレエ、オペラに造詣が深く、貴重な音資料等を使って、わかりやすくご説明して下さいました。
達人夜話
 独自な個性を持つ、フランスバレエ・オペラを源流とした音楽舞踊劇に大きな影響を受け、現在のフランスミュージカルやシャンソンは発展していく、そのプロセスをこの度の対談の中でお話ししたいと思いました。

 私は1960年代あたりから出現し始めたロックミュージカルからスタートし、スペクタクルミュージカルと呼ばれる、「ノートルダム・ド・パリ」「十戒」など曲を何曲か聴いて頂きながらお話を進めてみました。
達人夜話3
 対談の具体的な内容については、またいつかこのブログでも取り上げることができればと思っています。

フランスバレエやオペラについて、学ばせて頂く機会を得ることが出来、西田先生にはとても感謝しています。

 そして、猛暑の中、お越しいただき熱心に耳を傾けて下さいました皆様に心からお礼申し上げます。


   『音楽の祭日』写真展
 達人夜話当日の7月21日から、「100本のトランペット」写真展が同会場で開催されています。
写真集表紙
 写真撮影は写真家の蒼樹(そうじゅ)氏。

 6月21日に至るまでの出演者たちの足跡、練習の風景等を一年かけて追った写真と、当日のトランペット演奏、座談会、演奏会の様子を詳細に写真で綴って、写真集「清水寺友愛100本のトランペット」が素敵に完成しました。

写真集2 写真集3

今日は改めて、写真展を拝見しにギャラリーへ。
涼

窓の外、涼を誘うかのように流れる高瀬川。




数々の写真、トランぺッターの方々の生き生きとした表情が印象的です。
写真展1 写真展2
私が司会をした座談会の写真もあります。

自分の写真の前で記念に一枚、蒼樹さんが撮って下さいました。
写真集展 蒼樹さんと
そしてその蒼樹さんとツーショット。

祇園祭後祭りの私の一日でした。

明日からしばらく東京暮らし。
関東も暑そうですが。
猛暑の中、どうぞ皆様、お身体に気をつけてお過ごしくださいますように。



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