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新しいシャンソンを新しい言葉に乗せて

   シャンソンの訳詞のつれづれに                      ~ 松峰綾音のオフィシャルブログへようこそ ~

* 「君と旅立とう」 その三 訳詞への思い 3

エッフェル塔
 「実は、信じてもらえないかもしれませんが、ちょうど、昨日、サラのCDアルバム『ディーヴァ』を久しぶりに聴いていたところだったんです・・・そして何気なくブログを開けてみたら、この話題だったので、本当に驚きました。一人じゃない・・・という感じで舞い上がってしまいました。」
 
 Fさん、嬉しいメールをありがとうございます。
 信じます。こういうことってありますよね。
 不思議に、以心伝心で、同じ事を同時に考えたり行ったりする、気持ちの通じ合う友人って皆様にもいらっしゃるのではないでしょうか?
 そしてFさん、私のブログをいつも読んでいてくださるのですね。
 一人じゃない・・・って、私こそ力が湧いてきます。

 では、
「君と旅立とう ~con te partirò~」その一そして昨日の記事の、その二 に続いて、今日はその三 最終回です。

      「君と旅立とう ~con te partirò~」 その三
                          訳詞への思い<3>



  総 括
 巷(ちまた)の混乱についての総括。

 かくして、「Time to say goodbye」は卒業の歌とまでなり、涙を誘う。

 一方、CDジャケットの直訳を読み、これが実は、出発の歌だったのだと理解すると、「二人の門出を祝福するにふさわしい歌です。声に自信のある人はイタリア語を覚えて結婚式に歌ってあげましょう。喜ばれ喝采を受けること間違いなしです」という、別のお勧めブログの言葉となる。
 
 更に穏健派のブログの中には、こんな中庸を取った解決の言葉もある。
 「さよならは愛する人に告げているのではなく、たぶん昨日までの自分に向けて言っているのだと思う。これは失恋の歌ではなくあなたと共に旅立つ愛の再出発の歌なのだろう」

 「一体どっちなの?」と、巷のブログは限りなくごちゃごちゃになってゆく。

「君と旅立とう ~con te partirò~ 」 
 私は原曲の「con te partirò」から受ける、清々しく力強い純愛のイメージを生かした訳詞を作ってみたいと思った。
 「Time to say goodbye」はサラが歌っているためもあってか、語り手に、女性の像がどうしても出てきてしまうのだが、「con te partirò」の中で・・・あなたと一緒に出発しよう・・・と語るのは男性であってほしいと思った。
 

   君がともす愛が 胸に広がってゆく
   君の言葉 笑顔 心に降り注ぐ
   命かけて愛している
  
  
 こんな言葉で私の訳詞は始まる。

 そして、何度も繰り返されるサビの部分の原詩と対訳はこのようである。

   Con te partirò  
   Paesi che non ho mai  
   Veduto e vissuto con te  
   Adesso sì li vivrò     
   Con te partirò    
   Su navi per mari  
   Che io lo so    
   No no non esistono più 
   Con te io li rivivrò  

   あなたと出発しよう 
   今までに 見たことも訪れたこともない場所に
   あなたと出発しよう
   船に乗って 海を越えて もうどこにもなくなってしまった海を
   あなたと一緒によみがえらせよう

 この部分を私は訳詞の中で、次のように綴ってみた。

   Con te partirò  
   旅立とう 二人で
   見果てぬ世界に 夢を信じて
   Con te partirò
   幸せの国求めて
   地図のない海に
   今 漕ぎ出す 


 この曲は、メロディーと、それに乗るイタリア語の響きの美しさがとても大切だと思われたので、この後の結びには原語で歌う部分を少し入れてみた。

 ボッチェリの、そしてサラの、歌声を聴いたときに私自身、心を惹きつけられ、何とも言えない高揚感と陶酔感に浸ったように、言葉の意味がわからなくても充分美しさの伝わってくる素晴らしい曲であることに違いない。
 原語のままで・・・という意味も充分わかるのだけれど、母国語である日本語で、無理なく想いの伝わる言葉を味わいながら聴き、歌ってみることにもまた別の大きな価値を感じながら、この曲の訳詞を手がける過程は楽しかった。


 いつの間にか、葉桜となって薫風香る5月が近づいてきた。
 すでに新たな道へと旅立ってその歩みを進める季節。
  若い季節を思わせるこの詩を、私は結構気に入っている。
 

                                 Fin

 (注 訳詞、解説について、無断転載転用を禁止します。取り上げたいご希望、訳詞を歌われたいご希望のある場合は、事前のご相談をお願い致します。)

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