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新しいシャンソンを新しい言葉に乗せて

   シャンソンの訳詞のつれづれに                      ~ 松峰綾音のオフィシャルブログへようこそ ~

シャンソンの日々 ~夏が終わると~

 暑かった8月ももう終わり。
 でも9月もまだまだ猛残暑が続くのだそうです。
 この時期は、夏バテで体調が狂ってくる頃、「夏風邪を引いてしまったみたい」とゴホゴホと苦しそうな人が私の周りにも増えてきたので、どうぞ気をつけて過ごして下さいね。
 それでもどことなく秋の気配が感じられてきて、少しだけ朝夕の風が変わってきた気がします。
夏の終わり・コスモス 
 先日の長野からの帰路、道端で咲いていたコスモスが可憐な季節の風情を漂わせて素敵でした。
 最近シャンソンの事を、な~んにもお知らせしていないので、「ちゃんと次の準備してるの?」って、色々な方たちにご心配をおかけしているようなのですが。
 確かに、暑さの中でずっとフリーズしていたかも・・・・いやいや、水面下ではしっかりと(?!)準備は進めていたのですが・・・・大丈夫です!・・・9月に入ると俄然、シャンソン関係の活動が始まります。

 今日は9月以降のシャンソン活動のお知らせを謹んで発表させていただきます。

   その一 9月1日
      「アヴェ・マリア」を歌ってきます

 直近!!・・・・明後日9月1日です。
 定期的に参加しているシャンソニエ、新宿「ヴィラージュ」での研究会に今回は私がミニコンサートをすることとなり、4曲ですが歌ってきます。
 内輪の会ですので、皆様に広くお声を掛けられず残念なのですが、毎回15名前後のシャンソンの仲間が集まって通常は一人二曲ずつ、日頃の成果を発表し合う会です。
 人数は少ないですが、いつも皆真剣に取り組んでいて、張りつめた緊張感が充満し、この中で歌うのは大きな研鑚となります。

 以前の記事で、『もう一つのアヴェ・マリア』 について記しましたが、この曲も今回歌いたいと思っています。
 『アヴェ・マリア』は本来は、マリアを称え、純粋で清らかな宗教的な思いの中で祈り、歌うわけですが、私が今回取り上げるアヴェ・マリアを歌った4曲は、どれも、恋愛の情に絡んだ屈折した煩悩や渇望感から生み出されるシャンソンの中での祈りですので、そこには陰影に満ちた情念が深く感じられます。
祈りとは、そのような闇の中から生まれてくるもの、けれど、だからこそ脱却を願い、光を希求する切なる思いでもあるのでしょう。
 心を込めて、歌ってきますね。


   その二 9月28日
       『巴里野郎』出演

 9月28日金曜日、京都のライブハウス、『巴里野郎』に出演します。
 前回の4月27日に初めて出演した時のことを、既に『巴里野郎ライブの報告』に記しましたが、今回はこれに次いで第二回目となります。
 前回同様、堀内環さんとの共演、そしてピアノは坂下文野さんです。
 堀内さんは大先輩、大ベテランでいらっしゃいますが、気さくに温かくご一緒して下さいましたし、坂下さんは快活で魅力的なお人柄、私の訳詞の内容までじっくりと読んで下さり、自然に言葉と調和する美しいピアノの音色で、安心して心地よく歌うことが出来ました。
 またお二人とご一緒できるのが今からとても楽しみです。
 どんなステージになるかしら。
 前回と違う選曲でお客様にも喜んで戴けたらと思っています。

 以前にも少しご説明したのですが、今回初めてお読みになる方の為に、もう一度「シャンソニエ」についての豆知識を。・・・・横着者の私は前に書いた文章を一部ですが、引用させていただきます。
 
「シャンソニエ」というのは、毎日色々な歌手がシャンソンを歌い、お客様に聴いていただくライブハウスの名称です。
 『巴里野郎』の場合は19時開場で、19時30分、20時30分、21時30分の3ステージ(3部構成で、当然ですが、3ステージそれぞれ違う曲を歌います)で、間に少しずつ休憩が入り、通しで聴いて頂けるのですが、ご都合によって自由にどのステージからでも出入り自由となります。
 ワンドリンク付きでライブチャージを含み5000円です。
 ワインなどもドリンクのチョイスに含まれますが、あくまでも酒場ではなく、健全なシャンソンのライブハウスです。
 席の予約も前もって出来ますが、予約せず思い立った当日、ぶらりと入っても大丈夫です。
 何かお問い合わせがあれば、いつでもこのブログのメールフォームにどうぞ。
 よろしかったらいらしてみて下さいね。

 他の三曲についてもご紹介したいのですが、今は秘密にしておいて、明後日が無事終りましたら、そのご報告も兼ねて改めて!

   その三 10月15日
      レ・テタール・メランジェ・コンサート2012 出演

 この「レ・テタール・メランジェ・コンサート」についても昨年、とっても詳しく記しましたね。
 「え~~? う~~ん??」という方、初めてお読みになる方の為に・・・、再び横着をして、・・・・この記事=
『いろんなおたまじゃくし』をクリックしてお読みくださいませ。
 三浦高広氏主催の、連日15名程が出演する合同コンサートで、今年は10月15日、16日、17日となります。私はこれまで最終日だったのですが、今年は初日に出演です。出場メンバーの顔ぶれが変わってしまうので寂しいですが、でもまた新たな出会いと発見があるのではと期待も膨らみます。
 新橋の内幸町ホールで、18時開場、18時30分開演、二時間程のコンサートです。フライヤーが出来次第、また改めて詳しくお知らせ致しますね。ご興味のある方は是非!
 曲目は既に決定し、ただ今特訓中です!!


   その四 2013年 2月2日、2月16日
      訳詞コンサートVOL.6 決定しました!

 猛暑の中、実は頑張って計画を練っていたのでした!
 もし来年のカレンダーをお持ちでしたら、是非是非、今すぐ印をつけておいて下さいね。
 2月2日(土)は、新橋シャミオール 昼と夕、二回公演です。
 2月16日(土)は、京都ナムホール15時からで、昨年に次いで、東京と京都のコンサートツアーとなります。 
 パワーアップして臨めるよう準備に全力を注ぎたいと思いますので、よろしくお願い致します。

 こちらも詳細が決まりましたら、改めてご報告いたしますが、兎も角、今日はまとめて、これからの主な予定をお知らせ致しました。


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無事是名馬なり

 8月21日。
 もう一年が経ったのですね。


 昨年、八月生まれという記事で自分のバースディーの事を書かせていただきましたが、ブログを書き始めるようになって、刻々と進んでゆく月日を改めて意識するようになりました。
 時間の経つのは本当に早いですが、その中で、人との、出来事との、様々な出会いがあり、ささやかでも確実に時間が積み重なっていくのを感じます。
 
 でも、こうして、ゆっくりのんびり感慨に浸りながら、そんなことを呟くことが出来るのは、平和で幸せな証しですよね。

 今朝一番でメールが届きました。そしてバースディーカードも。
 毎年、「お誕生日おめでとう!」と、言葉をかけてくれる優しい友がいて、何ともいえず温かい気持ちになれて、今年もこれから一年、良い年だったといえるよう頑張りたいなと思える・・・・とても嬉しいです。有難う!

   「無事是(これ)名馬なり」
 昔はこの言葉は、それほどピンとこなかったのですが。

 確か小説家の菊池寛氏が『無事是貴人』をもじって作った造語だったかと。
 競馬好きの彼が「競走馬にとって最も重要なのは、多少能力的に劣っていたとしても、確実に怪我がなく無事に走り通すことが出来、長きに渡り第一線で活躍できることなのだ」という意味で使ったことに始まったかと記憶しています。
 人口に膾炙(かいしゃ)されて、今は色々なニュアンスが加わってきていますね。
 一般的には「健康で平穏な日々を恙無く過ごせることは実はとても大きな恵みなのだ」ということでしょうか。
 確かに、自然災害に見舞われたり、病や事故の苦しみなど、大変な状況を突然負うことになった多くの方々の辛苦をみるにつけ、しみじみと今普通の生活を繰り返してゆける幸せを思わざるを得ません。

 また、「一寸先は・・・」ではありませんが、誰しも来るべき未来は見えないわけですけど、でも、<自分が出来る範囲で、心身を健全に保つよう節制し、避けられる愚かしいリスクは賢明に回避し、いつでも何にでも対応できるベストな状態に、常に自分を持ってゆくことが肝要だ・・・>と教えている言葉でもあるのでしょう。

 けれど、『無事是貴人』という元々の言葉は、臨済宗の法語からきていて、「無事」とはただ<何事もなく>ということではなくて<平常心>という意味合いで使われているようです。
 「あらゆる事柄を、当たり前に受け止めて、自然に為すこと」、「いかなる境遇に置かれようとも、見るがまま、聞くがまま、あるがままに受け入れ、すべてを粛々と何気なく処置して行くこと」が、『無事是貴人』の原義なのでしょう。

 ウ~~ン!私にはなかなか。
 ・・・憧れますが、辿りつき難い遠い遠い境地です。

 私は、子供の頃から、「精神一到 何事かならざらん」「なせばなる」派で、今に至っても、何でもハチマキをしてがむしゃらに突進するのが、大好きなのですが、でも、実は、こういう人間には落とし穴も多くて、人生はあくまでも短期決戦ではなく、最後に確実に何が実りとなったかが大切なのでしょうから、そうなると、やはりこれは克服すべき弱点でもあると最近痛感している次第です。

 そうは言っても、持って生まれた性分はきっと簡単には変えられないのでしょうけど、でも、必死になり過ぎて我を忘れないよう自戒し、ゆとりを持って、もたらされるものを静かに享受しながら、尚、歩みを止めず努力を続けてゆけたらと思っています。

 今年の誕生日のかなり偉そうな決意表明でした。
 あ~~あ!!
 こんなことを言ってしまって、良いのだろうか?

 来年のブログには何と書くことになるのやら・・・・恐ろしくもあり少しだけ楽しみでも・・・です。


 「私の周囲には、同じ誕生日8月21日生まれの人が不思議なことにとても多いのです」と昨年の記事に記したかと思います。
 実は、今年は、びっくりするほど、友人・知人・親類の女性たちの間で出産ラッシュで、21日に限りなく近い予定日の方々も何人か、・・・・ひょっとすると、・・・・ですよね。 8月21日同盟が今日まさに今も・・・更に広がるかもしれません。もし予想が的中しておめでたい情報が入りましたら、すぐに号外を出したいと思います。
(すご~い! 早速号外です!! ・・・この文章を書いているまさに今、その中の一人、友人のMさんからメールが入りました!!
 昨日20日に無事男の子が誕生したという第一報です。良かった!良かった!!おめでとう!!21日同盟には入り損ねたけど?!健やかに幸せに育ってね。)

   レイクガーデン ~晩夏の花々の中で~
 今日は、再び長野に。
 所用の前、南軽井沢のレイクガーデンに立ち寄ってみました。
 割と最近、仲良しの友だちと訪れて以来、すっかり気に入ってしまって、一人バースディーの今日、もう一度と、ふと思ったのでした。

 軽井沢駅から車で南へ15分位、レイクニュータウン内にある「水辺のガーデンリゾート」と銘打った回遊式庭園で、人工湖を巡る5つのガーデンエリアに分かれており、400種4500株という薔薇が中心なのですが、季節の宿根草、高原の草花が清々しく咲き乱れていて、借景となる浅間山や遠くの峰々に気持ち良く溶け込んで心を開放してくれます。
Lake Garden 入口 日頃、イングリッシュガーデンに期待して出掛けて行っても、造られ過ぎていたり、余りにもこじんまりとし過ぎていたりして、がっかりすることも多いのですが、ここは、自然を損なわず、華やかなイングリッシュローズ、オールドローズも、周囲の自然に彩りを添えていて素敵です。観光地軽井沢にあって、とても閑静な<穴場>ですので、お薦めです。
 レイクガーデンの入り口。クレマチスと蔓薔薇が青空に映えます。

 イングリッシュローズ ツルバラのアーチ
 イングリッシュローズ。蔓薔薇のアーチをくぐって散歩道を。

 アサザの群落2 アサザの群落1
 浅間山を背景に、「アサザ」という名の水草の群生です。環境省の絶滅危惧種にリストされています。アップの写真も。黄色の可憐な花をつけています。

水辺の萩
   水辺に咲く萩の花。

 白アジサイと桔梗 ツルバラの実
  白紫陽花と桔梗。 野ばらの実も赤く色づいてもう秋が近づいています。

黒ユリとベンチ
  
  誰も居ないベンチに黒ユリが咲いています。

  爽やかな涼風が、心の中に吹き抜けた楽しいひと時でした。







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「百有十歳にしては」~小布施 北斎散歩2

 昨日の記事「百有十歳にしては~小布施 北斎散歩1」の続きです。
 では早速!


   「百有十歳にしては」
 クイズ正解率は如何でしたか?
緑陰の北斎館
 外側から垣間見ると、相当な奇人変人の類のようですが、その画業についてはまさに天才そのもので、時代を超越して自由自在に芸術の世界に遊び、ジャンルを超えて傑作を生み出していったことが良く理解できます。

 何回作品を見てもその度毎に気づかされる感動がありますし、何よりも北斎自身が、森羅万象を喜びを持った目で見詰め、面白がり、その本質を描き出そうとする尽きることのない創造性に満たされていることが感じられます。小布施を彼が訪れたのは83歳の時ですが、ここでの作品も若々しい青年のような気迫と筆勢に溢れていて、圧倒されます。

今回改めて心に迫って来た言葉がありますので、下に引用してみますね。
彼が75歳の時に発表した絵本『冨嶽百景』の文章の抜粋です。(その下は口語訳です)

 己六才より物の形状を写の癖ありて 
 半百の此より数々画図を顕すといえども
 七十年前画く所は実に取るに足ものなし
 七十三才にして稍 禽獣虫魚の骨格草木の出生を悟し得たり
 故に八十才にしては益々進み
 九十才にして猶其奥意を極め
 一百歳にして正に神妙ならん与欠 
 百有十歳にしては一点一格にして生るがごとくならん
 願くば長寿の君子予言の妄ならざるを見たまふべし


 私は6歳の頃から物の形を写生する癖があり
 50歳の頃から数々の画図を発表してきたが
 70歳以前に描いたものは実に取るに足りないものだった
 73歳で鳥獣虫魚 草木の何たるかをようやく悟ることが出来た
 であるから、80歳になれば益々向上し
 90歳になれば更にその奥意を極めて
 100歳で神妙の域に至るのではないか
 110歳になれば一点一格が生きているようになることだろう
 願わくは長寿を司る神よ 私のこの言葉が偽りでないことを見ていて下さい。

富士越龍図の一部(葛飾北斎筆)
 凄いですね。
 繰り返しますが、人生50年の時代です。こんな人がいたのですね。
 北斎は、いつも今ではないもっと先の優れたもの、美しいものを見続けていたのでしょうか?

 絶筆と称される、富士山を越えて龍が昇天する『富士越龍図』という絵がありますが、この龍は北斎自身の理想の姿だったのかもしれません。
そういえば、今年は辰年。この龍の姿が心に焼き付いてゆく気がしました。
110歳か!!
単純な私は「よ~~し!!」などと限りなくその気になっています。

 西瓜と包丁(葛飾北斎筆)
 晩年の北斎の肉筆画は、西洋画のような大胆でモダンな構図や意表を突く鮮やかな色彩、命が迸るような躍動感が感じられ圧巻なのですが、そんな中で『西瓜と包丁』と名付けられたこんな優しげな絵にも目を惹かれました。
美味しそう!!切りたての西瓜の瑞々しさが伝わってきます。
薄い和紙が美しく西瓜を覆っていて、何とも言えない風情がありますよね。

 帰路。
 北斎から元気を貰って記念館を後にすると、小布施の郊外、沿道に林檎畑と葡萄棚が続いているのが目に入ってきました。
まだ青いリンゴ 袋かけされたブドウ
 硬くて酸っぱそうな青林檎も、夏の色。
 葡萄も一房ずつ美味しくと、丹精込められて、実りの時を待っています。
 抜ける青空の下、北斎を訪ねた信州の夏の爽やかな一日でした。


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「百有十歳にしては」~小布施 北斎散歩1

 選手たちの真摯な挑戦の姿に、沢山の感銘を受けたロンドンオリンピックもついに閉会式となりました。

 そして、今週からお盆休み、花火大会、終戦記念日、高校野球、・・・・夏はまだ続きます。

 私は信州が大好きで、昔から関わりの深い地なのですが、今夏も所用を兼ねて、何回か断続的に滞在することになりそうです。
 実は昨日も長野を訪れました。 
 少し時間が取れたので、小布施に足を伸ばしてみました。

 昨年の5月の記事「小布施の5月 ゆっくりと花便り」でも、小布施をご紹介したのですが、こんな文章で始まっています。

 長野からローカル線で約30分余り、北アルプスの壮大なパノラマに囲まれた 美しい町。 (中略)
  ・・・・小布施堂 竹風堂 桜井甘精堂 ・・町に入ると美味しそうな看板、<栗>の文字がそこここに目に入ります。
 北斎館と高井鴻山記念館を結ぶ遊歩道が「栗の小径」と名付けられて、石畳の代わりに、栗の木の木片が敷き詰められていて、その佇まいが、素敵です。


 栗の小径  栗の木のペーブメント
 一年前撮った写真と変わらない佇まい、でも深緑の木々が夏の緑陰を涼しげに作っていました。 足元は栗の木のペーブメントです。

   葉月のお料理
 着いたらお昼を過ぎていたので、まずは。・・・・私の最近のお気に入りは小布施堂の御食事処です。
 店内は落ち着いていて、栗の木で作られている内装の格子戸も、清々しく木の香りを漂わせています。
 優しい笑顔の店員さんたちも好感度抜群ですし、旅のひと時、流れてゆく時間に寛いで心づくしの食事に身を休めるという雰囲気にぴったりな気がします。
 「葉月のお料理」というのを注文してみました。季節に合わせたシンプルな和食コース料理でした。
焼き茄子 
 初めに「焼き茄子」から。
 香ばしく焼いた小布施産の丸ナスに削りたての鰹節がふわふわに乗っていました。日本の夏の味で素朴なのですが、とっても美味しかったです。
 ソーメンと卵麺が冷たいアワビのお出しで椀仕立てになっている「冷たい椀物」。 
 「焼き鯵」「鯵ご飯」「季節の果物」と続きます。
 どれも丁寧な季節のこだわりがあり、幸せになるお料理でした。・・・・途中から写真を撮らずに完食。・・・・お話だけでごめんなさい。

   北斎館
 この記念館も私は好きで、これまでに何回か訪れたことがあります。
北斎館
 今年は北斎生誕250年で、肉筆画の企画展をやっているということで、久しぶりに立ち寄りたくて小布施に足を伸ばしたのでした。

 手抜きみたいで恐縮ですが、次も5月の記事からの抜粋です。

 小布施は、浮世絵師葛飾北斎にゆかりの深い地です。
 北信濃きっての豪商と謳われ、自身も画家であった高井鴻山が北斎を師と仰ぎ、厚く招いたため、晩年の北斎はこの地を大変愛して、旺盛な創作活動を繰り広げました。
 北斎館も、高井鴻山記念館も、資料展示など大変工夫されており、わかりやすく充実していて、歴史にも絵画にもさほど精通していなくても、大いに心魅かれます。また、北斎晩年の大作、天井の大鳳凰図が見事な岩松院も、とても見応えがありお薦めです。
 何よりも町全体が、北斎や、なかなかの人格者であった鴻山への敬愛で溢れているのを感じることができます。

 北斎館に立ち寄られる際には、「小布施の北斎」「画狂―北斎と肉筆画」という15分程度の紹介フィルムをご覧になることをお薦めします。
 興味深くまとめられてありますし、何より、「町全体が・・・敬愛で溢れている」のが伝わってくるなかなかの力作ビデオです。


   クイズ
 ではここで、「葛飾北斎ってどんな人 ミニクイズ」です。
 その一 人生50年と言われていた江戸時代にあって、彼は何歳まで生きたか?
 その二 何歳まで、実際に画業に携わったか?
 その三 引っ越し大好き人間だったが、何回住居を移したか?
 その四 改名大好き人間だったが、何回名前(号)を変えたか?
 その五 辞世の言葉はどんなものだったか?

答 その一 90歳。当時の長寿番付けに載った程の長命。
  その二 90歳。死の床にあっても絵の構想を練っていた。
  その三 93回。画業以外は一切頓着せず、掃除せず部屋が汚くなると次の家に転居、一日に3回引っ越しした日もあった。
  その四 30回。20歳から画界にデビュー。
   役者絵、挿絵本、浮世絵、美人画、屏風絵、冨嶽三十六景、絵手本(北斎漫画)、錦絵、肉筆画、と次々に対象、画風を変え、それに伴って改名を行った。
  その五 想像で答えられるわけありませんね。
      「天我をして五年の命を保たしめば真正の画工となるを得べし」
      (せめてあと五年長く生きたい そうすれば必ず本物といえる画工になれるだろう)と画業半ばで亡くなることを非常に悔しがった。

 クイズ正解率は如何でしたか?

 例によって前置きが長くなってしまいました。
 これから本題ですが、ここでいったんティーブレイクを。
 明日、すぐに続きをUPしますので、引き続きお読みくださいね。
 

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ハレの日・ケの日 ~観戦のつれづれに

 オリンピック、いよいよ盛り上がって、私もテレビの前でテンション高く過ごしています。
 次々と感動的なドラマが生まれていますが、どの競技、場面が特に印象的でしたか?

   オリンピックの舞台
 ところで。
 「ハレ(晴れ)の日」「ケ(褻)の日」という言葉がありますね。
 特別な祭事等の日を「ハレ」、そうではない普通の日常を「ケ」と言い、民俗学の中では、「ハレ」はどうやって「ケ」に支えられて成り立ってゆくのか等、古い時代の伝承、生活習慣などから検証されていて、興味深いのですが、オリンピックの中継を観ながら、ふとそんなことが心によぎりました。
 
 オリンピックは4年に一度の大舞台、実際にそのステージに立てた人と、その陰で頑張ってきた人、今まさに頑張っている人、スポーツに関わる多くの人たちの様々な夢が花開くまさにハレ(晴れ)の日です。
 数字、時間、技能判定、等のはっきりとした結果で示される<ゴール>に向かってひたすら挑戦する姿は、どの競技を問わず非常に感動的ですし、そこに今までの全てを賭けて挑む選手たちの、長い日々の努力に裏打ちされた気迫が漲っていることを感じます。

 メダルを巡る勝敗があるので、自ずと悲喜こもごものドラマは生まれてくるわけですが、それにしても、競技を終えた後のインタビューで、それぞれの選手がようやく自分に戻って発する言葉には、その人その人の人となりや、人生観のようなものまで、正直に現れていて、とても感銘を受けます。

 選手たちの数だけ、それぞれの言葉があり・・・でも異句同音に噛みしめているのは、戦うべきは<自分自身>であったということでしょうか。
 勝負すべきは、自分の限界であり、どこまで自分と向き合えて、気力と集中力を充足できたかを、戦い終えた後、誰もが改めて味わっている気がします。
 まだ10代の若い選手も、経験を重ねたベテランの選手も、この<ハレの日>を経験することが、より良い<ケの日>・・・次の自己実現に向けた地道な努力の日々・・・の始まりに繋がって行って欲しいと思います。
 そして、勝敗にかかわらず、「応援し支えて下さった皆様のお陰です」「皆様に力を頂きました」という言葉が自然に、多くの選手たちの口から出ることに、とても清々しさを感じ、それでこそスポーツマン!日本人!と誇らしくなりました。
 本当の強さって、自己慢心ではなく、謙虚に人との絆を育んでいくところから生まれてくるものですよね。
こういう言葉を持っているかどうか、・・・・その人が<ケの日>をどういう姿勢で生きているかの証とも言えるかもしれません。

   最年長の騎手
 オリンピックに、「馬場馬術」という競技があることをご存知でしたか。
 乗馬の競技の一つなのですが、常歩(なみあし)速歩(はやあし)駈歩(かけあし)の3種類の歩き方を基本にして、様々なステップを踏んだり図形を描いたりしてその技を競う競技です。
 人馬一体となって、難しい課題に挑み、判定によってその勝敗を競うので、両者が如何に熟練しているか、その習熟度が問われるようです。
 この競技に、法華津寛(ほけつひろし)さんという騎手が出場しています。

馬場馬術競技
 この方は、1941年生まれ、今年71歳で今回のロンドン大会の最年長選手です。
 これまでの五輪史上最年長出場は72歳だそうですから、ほとんどこれに並ぶ位の快挙なのです。
 地味な競技ですので、日本では殆ど話題になっていませんが、むしろ外国のメディアでは随分注目されニュースに取り上げられて、注目の人なのだと聞きました。
 経歴が凄い!
 東京オリンピックに23歳の時初出場した後、会社勤務をしていらしたのですが、この間も乗馬を続けながら、定年後に馬術の更なる習得のためにドイツに渡り、本格的に始動、東京オリンピックから44年後の前回の北京オリンピックに再出場、そして今回ロンドンが3回目ということで、相棒のウィスパー号という愛馬と息をぴったりと合わせ競技している姿が紹介されていましたが、背筋はピンとして颯爽と実にカッコよく、敏捷な身のこなしで、体重体格も50年近く殆ど変っていないそうです。
 外国の報道陣にも流暢な英語でジョークを交え応対しておられましたし、「次も続けますか?」との質問に「上手くなっていることが実感できる間はやめないつもり」とさらりと答えていらして、年齢だけでなくそういう姿勢が外国で注目されている所以であるのでしょう。
 法華津さんにとっては、<ケ>の生活も、<ハレ>の日も、溶け合って輝いているのかもしれません。
 ・・・私は、とても楽しみに応援していたのですが、惜しくも一昨日の予選で敗退してしまいました。4年後も颯爽とした乗馬姿を拝見したいものと思っています。

   今年もブルーベリー 
 このブログを始めて、1年半になりますが、昨年の記事を読み直すと、一年の季節は巡り、同じような日々が繰り返されているのだなと改めて気づくことが多いです。
 そういう生活のリズムが自分に出来ているということは喜ばしい事なのでしょうし、波乱万丈過ぎるのはどうかと思いますから、何事もない普通の日々を平和に普通に繰り返せている幸せに感謝しなくてはいけませんね。
  
 私の<ケ>の一日。
 オリンピック観戦の合間に、今年も特大パックのブルーベリーをゲットして、ブルーベリーコンフィチュールを作りました。
 昨年は8月11日の記事に
「美味探訪~ブルーベリーコンフィチュール~」というタイトルで、とても気合いを入れて記事を書いていました。
 これを作るようになったきっかけや超簡単お薦めレシピも詳細に公開していますので、結構いけますから、よろしかったら昨年の記事をクリックして作ってみてください。(上のブルーの記事名をクリックすると繋がります)
 作り方も味も昨年と一緒ですが、今年は、昨年のブログの影響もあってか、貰い手が多そうなので、更に追加で作ろうかなと思っています。

 大きなホーロ鍋に一杯のブルーベリー、豪快ですね。1キロ以上ありそうです(写真左)。
 ブルーベリー調理中1 ブルーベリー調理中2
 煮立てています。良い香りがしてきました。この辺りで1回目の蜂蜜とブランディーを注入します(写真右)。

一時間位してようやくジャムらしくなってきました。
決してお鍋の側を離れず、見ていてあげること。優しくしゃもじで混ぜ続けることが大切です。
「美味しくな~れ」のおまじないも忘れずに(写真左)。
 ブルーベリー調理中3 瓶につめて出来上がり
こんな感じで煮沸済の瓶に。昨年と同様のあり合わせの空き瓶で、笑ってしまいますね(写真右)。
 
手作りの素朴な味ですが、こういうものって体にも心にも美味しく沁みてくる気がします。

   コンサートライヴ
 私のはっきりとした<ハレの日>は、シャンソンに関わっている今の生活の中では、やはりコンサートの日かなと思います。
 オリンピックを観ながら、その<ハレの日>への積み重ねのことや、日々を心から楽しむことの大切さなど、色々学ぶことが多くあります。

 しばらく充電期間でしたが、今少しずつ次の計画を固めているところです
 
 一番間近には・・・・9月28日金曜日に、京都のシャンソニエ『巴里野郎』に出演する事になりました。
 前回の4月に続いて第二回目となります。
 
 オリンピックが終わったら??改めてコンサート関係の進捗状況と共に、詳細をお知らせ致しますが、とりあえず第一報を!!

 この一週間は暑さが少し和らぐと聞いていますが、どうでしょうか?
 お元気でお過ごし下さい。


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