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新しいシャンソンを新しい言葉に乗せて

   シャンソンの訳詞のつれづれに                      ~ 松峰綾音のオフィシャルブログへようこそ ~

東京公演のご報告

 さて、今日はコンサートの詳細をご報告致します。

 いつも撮影をして下さるファトグラファーの沢木瑠璃さんが、今回も素敵な写真をたくさん撮って下さいました。
 その中から、彼女のフィルターが捉えた訳詞コンサートvol.7「君は誰にも似ていない」を追って行きたいと思います。

   開演まで
 ご存じ、シャミオールのロゴ、大好きな猫の扉を開けると、コンサートを待つ別の時間が流れ始めています。
 ミュージックサロン「シャミオール」は、60余席のこじんまりとした、でも、颯爽としてダンディーなオーナーのお人柄がそのまま表れた、清潔感漂う音楽会場です。
シャミオールのロゴ 花束
 カウンターの上に、友人から届いた花束が飾られ、気持ちが華やかに高まってゆきます。
 お客様にお出しするための飲み物もカップに注がれスタンバイOK。
 沢木さんにかかると、スプーンやミルクまで、どことなく詩情を纏ってきますね。
   ワインとジュース   コーヒーセット
 受付にプログラムが重ねられています。皆様、ご興味を持って読んで下さるでしょうか?
 訳詞への思いや曲目解説、取り上げるミュージシャンの紹介など、今年も<力作!>と、密かに自負しています。
受付のプログラム
 実は、毎年作るこのプログラムは、知る人ぞ知るマニアックなヒット本になり始めているようで、「譲ってほしい」というお声も随分増えてきたのです。
 
 プログラムのイラスト・装丁は根井未緒さん。
 彼女は、私の書いた解説文や、それぞれの訳詞をよく読み込んで下さって、そのイメージに合うデザインやイラストを考えて下さり、それがまた本当に的確でセンス良く素敵なのです。

 沢木さん、根井さん、いつもお手伝いをして下さるスタッフの皆様、若い女性達ばかりですが、コンサートが滞りなく安心して進められるのはすべて彼女たちのお陰、誰にでも自慢したくなる私の強力メンバーです。 

 そして、今回のお菓子は、<絶品!!>との昨年の好評にお応えし、再登場の特製マドレーヌです。
マドレーヌ
 これはお料理とお菓子のエキスパートである私の親友Mさんが作って下さったもの。ラッピングも可愛いですね。
 コンサートロゴ入りで、コースターと紙ナフキンとお揃いであることにお気づきですか。根井さん作のデザインです。
   You don’t look like anybody
 赤い文字がポイントです。
 『君は誰にも似ていない』を英語にしてロゴに。

 開演を待つピアノ。そして、ヴァイオリン。
    ピアノ     バイオリン
 コンサートはこうしてスタートします。


   コンサート一部
 一部はケレン・アンの曲を特集してみました。
一部
 『地中海のジャズ』の紺碧の水の色。
 『消失』で取り上げた、どこまでも深く沈んでゆく水の中のイメージ。
 『糸の上』の深いサファイア色の夜空。
 すべてが重なって、ケレン・アンのイメージは、このようなモスグリーンのドレスになりました。
ヴァイオリンの佐藤美園さん
 佐藤さんのヴァイオリンが、細く切なく哀切感を漂わせてくれました。
 特に『糸の上』の音色は、糸が絡みついてくるような不思議な陶酔感を誘います。

 今回は、ケレン・アンとオリヴィア・ルイーズの2人の解説でしたので、プログラムを確認しながらお話を進めてみたのですが、このように冊子を携えながら語る姿が、<昔の教壇に立っていた時を彷彿とさせる>との反響が、嘗ての教え子の方たちから多くありました。
一部のトーク
 「懐かしかったです」「後ろに黒板が見えた気がしました」「国語の教科書みたいですね。最高に似合います」「昔はシャンソンを歌うように授業をしていらしたのですね!」等々・・・。
 ・・・こんなに評判が良いなら、これからもずっと冊子を持ってステージに立とうかなと密かに考えたのでした。
石川歩さんと
 そして石川さんとのデュエット。
 「ハーモニーが益々ぴったり!」との好評を頂きました。

   休憩時間に
 甲斐甲斐しくワインをサーブするスタッフの女性です。
赤いエプロンも私の訳詞コンサートのトレードマークになりました。
   ドリンクサービス    シャンソンのネイルアート
 さて何でしょう?
 お客様のネールアートがあまりにも素敵で思わずシャッターを切らせて頂いたのですね。
 とても美しい方なのですが、今回は、指先だけのご出演。
 ご自身でデザインなさったそうです。
 chansonという文字、そしてシャンソンを歌っている女性、すべての指先にそれぞれ異な
る、シャンソンにまつわる素敵な図柄がほどこされ、「コンサートへの祝意を込めて」とお
っしゃっていただきました。 素敵なお心尽くしを有難うございます。  
 
   コンサート二部
 二部の前半は『オリヴィア・ルイーズの世界』。そして後半は『街の素描』と題して、フランスの街を背景として繰り広げられる往年の名曲を選んでみました。

 このドレスはお気に入りです。
二部
 ピンクとラベンダー色が混ざり合った羽がたくさんついた生地を見た途端、こんなキュートなドレスを着てみたいなと、そして、コケティッシュで元気印のオリビア・ルイーズのイメージにピッタリなのではと作って頂いたドレスです。
ただ、歌うにつれ羽がふわふわとステージを舞い、・・・・このままおつうさんみたいに全部抜けたらどうしようと心配になりました。

 『オリヴィア・ルイーズの世界』が終わったところで、小休止、共演者へのインタビューです。楽しく和やかな雰囲気が伝わってきますね。
共演者のインタビュー
 昨年もそうだったのですが、今回の石川さんと佐藤さんも、実は彼女たちが中学と高校の時に、私が担任をした生徒さん、不思議なご縁が今年も結ばれて、本当に幸せだと思っています。
 同じステージで、一つの音楽を共に創り上げて行く、かけがえのない素敵な時間でもありました。

 昼の部、そして、一時間半の休憩を挟んだ夜の部。
 二回の公演とも、客席とステージに、音楽の世界に集中する濃密で快い時間が流れました。
 水を打ったような静寂と、和やかな盛り上がりと、お客様からの緩急の気を戴きながらの幸せなひと時でした。


 東京公演までの日々、そして公演の日を、色々な形で支えて下さった皆様。
 当日、お越し下さったお客様。 天候等でご来場が難しかったのに、温かい言葉を寄せて下さった皆様。
 全ての皆様に心から感謝いたします。

 3月1日の京都公演も心を込めて、良いステージとなるよう努力したいと思います。



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<vol.7>東京公演、無事終わりました

 2月15日のシャミオールでのコンサートは、お陰様で、昼夜公演とも、無事終わりました。

 お越し下さいましたお客様、そして、コンサートまでの日々、沢山のお励ましや応援を下さった皆様、本当に有難うございました。改めて心からお礼申し上げます。
 全てを委ねることのできる最強のスタッフの方たち、いつも大きな勇気と力を、ありがとう。皆様に支えて頂き幸せです。

 昨晩、京都に戻ってきましたが、まだコンサートの余韻で、心かどこかに溶けてゆきそうな酩酊感があります。

 それにしても、予想もしなかった今回の東京の大雪とそれに次ぐ風雨には驚かされました。

   東京の雪
 「さあ、張り切ってコンサートに臨みます!」という決意表明をした前回の記事は12日の水曜日のものでした。

 13日木曜日、急転直下。
 朝の天気予報で「明日は先週に続き、雨か雪が降るかもしれません」と言ったかと思う間もなく、昼、夕方とニュアンスが刻々と変わって行き、ついには大雪宣言が出され、それでもまだ、信じていない私だったのですが。

 14日金曜日、朝起きたら一面真っ白で、雪はかなり激しく降り続いていました。東京の雪・・・・幼い頃に住んでいた北陸の雪景色がぼんやりと重なってきます。
 雪に降り込められた街の佇まい、雪が世界を覆う音無き音、冷たさが、懐かしいもののように感じられていました。

 でもそういうロマンチックな感慨は一瞬で、はっと気づけば、さすがにパニックになりました。
 そして、次々に入ってくる、欠席の連絡や各種の問い合わせなど、心静かに本番を待つという状況ではなく、46年ぶりの東京の大雪には、晴れ女の神通力もさすがに通じませんでした。
新橋SL広場の雪景色
 ひたすら神頼みをしながら、ついに15日当日。
 雪は雨に変わっていましたが、今度は嵐のように激しい風雨。
 「お昼には雨は上がって、今日は温かくなります」という天気予報にただただ望みをかけ、出陣しました。(これは的中で、お昼前にはすっかり天気は回復しました。)
 
 朝の新橋駅は、いつものSL広場が白く埋まっていました。


   感謝を込めて
 こんな状態だったにもかかわらず、いらしてくださいましたお客様、心から感謝申し上げます。
シャミオールのロゴ
 前日の大雪の影響で、どうしても、交通やご自宅周辺の道の状況などで、身動きがつかなかった皆様、お聴き頂くことが出来ず、ご一緒の時間を過ごせなかったことをとても残念に思いますし、間が悪くこんな時に遭遇してしまったことを申し訳ないような気持ちで感じています。
 
 それでも、昼夜共、沢山のお客様にお越し頂き、幸せな気持ちの中で定刻にスタートしました。
 こういう時だからこそ、いつもに増して和やかで温かい空気が流れて、素敵な時間でした。

 今回もこのコンサートで、沢山の出会いと発見がありました。
 今、様々に刻まれた思いが胸に去来します。
 ピアニスト三浦高広氏、昨年から引き続き参加して下さった、ボーカル・石川歩さんと、ヴァイオリン・佐藤美園さんの友情出演のお二人、思いを一つにして、ステージに立つことが出来た、その充実感を今、一杯に感じています。

  ご報告したいことは、尽きないのですが、あと数日、後処理を心を込めてきちんと済ませ、落ち着きましたら、改めてゆっくり記させて頂きます。
 
花々の中で
 次の公演に向けての荷物は宅急便で送り、戴いたお花は、大切にいつものように新幹線に乗せて、京都に抱えて帰りました。
アレンジフラワー

 Sさんから。華やかなアレンジフラワーです。
 ずっと前にコンサート会場でスタッフとしてお世話になった素敵な方、あれから今も、そっと応援して下さるお気持ちが本当に嬉しくて、力が湧いてきます。
 
 薔薇、スイトピー、レースフラワー、淡い春の色を集めた優しい花束、大好きな先輩からのお心尽くしです。
  ピアノの上の花束 お菓子の花束
 そして、いつも助けて下さる若いスタッフの方たちから、今年は薔薇のブーケ。
 これ、おわかりになりますか。
 <ブーケトス>と命名された、チョコレートで作った花束なのです。
 愛らしくてとても食べることなど出来そうもありません。

 写真もたくさん撮っていただきましたので、改めてご報告レポートと共にご紹介します。楽しみになさってくださいね。
 一息ついて、また心新たに3月1日の京都公演の準備に向かいたいと思います。



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ケレン・アンとオリヴィア・ルイーズ

   コンサートはもうすぐです
 オリンピックが、雪を誘ったかのように、先週末の東京は大変な大雪でしたね。
 都心が真っ白に埋まっている映像をびっくりしながらテレビで眺めました。  
 この日、殆ど雪が降らなかった京都から、東京の友人に<大雪お見舞い>電話やメールをしたのですが、それぞれに、「雪掻きで腰が・・」「風邪ひいてしまって・・」「転んで怪我を・・」、更に「家族の大学受験の日で・・・」とか、かなり混乱した様子が伺われました。
 都会は雪に弱い、と言いますが、それを上回った今回の大雪、お見舞い申し上げます。

 私は昨日から、東京に来ています。
 諸事を進めつつの最終調整で、今週末のコンサートに備えていますが、2月ですので、天候の心配は付き纏います。どうか当日、無事でありますように。
 後3日間、ひたすら心掛けよく身を慎んで暮らさねばなりません。

 それにしても、コンサートというハレの日を目前にした今、どこか、日常から離れつつある高揚した気分が増幅していて、感覚がいつもより鋭敏になっているようです。
 そして、ステージに立つ時の孤独感、側に人が居ても、それとは別に、自分一人という感覚が、心を覆い始めている気もしています。

 きっとこれは、コンサートだけのことではなく、折に触れて感じてきた心持ちであり、スポーツでも何でも、更に言えば、生きていること自体が、自分だけのステージに立ち、自分だけに与えられた時間を生き尽くすことなのかもしれないですね。

 そんな中で、そんな中だからこそ、でしょうか。
 ひとしお「人の情け」の様なものがしみじみと身に沁みてきます。
 何気ない気遣いとか、声をかけて下さる優しさとか、励ましとか。

 コンサートが開催できること、そして、それを通して温かいものに沢山触れることが出来る幸せを改めて思います。
 これまでも、今も、沢山の方たちに支えて頂いてきたこと、その幸せがじっと沁みてきます。
 まずはコンサートで、そして、これから更に色々な形で、少しでも報いて行きたいです。

 共演者がいるステージは、当日は勿論ですが、皆で作り上げてゆく過程も、私は大好きです。
 まるで、学生時代に夢中になったクラブ活動のように、一曲の完成について忌憚なく熱く意見を交わし合うことが楽しくて、いよいよ息が合って気合いが漲ってきました。
 良いご報告が出来ますように、皆でベストを尽くしたいと思います。

 2月15日はもうすぐ!
 お陰様で沢山のお客様が申し込んで下さって、席数も昼夜共、あとわずかとなって参りましたので、ご希望の方はご連絡をお急ぎくださいますように。

   ケレン・アンのプロフィール
 今回のコンサートの特集はケレン・アンとオリヴィア・ルイーズです。
 コンサートの中で詳しくご紹介しようと思いますので、ここでは簡単にそのプロフィールだけ。

 まずは、ケレン・アンからです。
 コンサートチラシにありました、ピストルを大きく振り上げているあの写真は、実は『101階からのスケッチ』というアルバムからのものです。
ケレン・アン
 このアルバムは2011年制作の、彼女の最新アルバムで、非常にダイナミックな構成で、ケレン・アンの持ち味である、言葉とメロディーを極限まで研ぎ澄ました、ガラス細工の様な美しさを残しつつも、更に大きく広がる世界に、素敵な可能性を感じさせます。
 今回のコンサートでは、彼女の音楽の源流となる初期の曲を主に取り上げてみたのですが、きっとまたいつか、このアルバムから出発する、ケレン・アンの続編もご紹介しそうな予感がしています。

 ケレン・アンは1974年生まれ、今年39歳になる、現代のフランス音楽をリードするシンガーソングライターです。
 イスラエルに生まれ、オランダとイスラエルに育ち、フランスで音楽デビューを遂げた後、現在はフランスとニューヨークを拠点として音楽活動を繰り広げています。
 彼女自身、才能に溢れた魅力的なシンガーですが、それだけではなく、意欲的な楽曲の制作と、音楽プロデューサーとしても優れた手腕を発揮しています。
 そのスタートは、アンリ・サルバドールの復帰記念アルバムの音楽プロデュースを成功裏に収めた所から始まりました。
 FMヨコハマの「WEEKEND JOURNEY」に、先日出演させていただいた際に、冬の曲のご紹介の中で取り上げた『冬の庭』は、このアルバムからの選曲です。そして同じくこの時ご紹介しました『春を待つ川』も彼女の曲ですが、この二曲とも、今回のコンサートでご披露するつもりですので、原曲とはまた違った日本語詩での味わいを楽しんで戴けたら嬉しいです。
 知的でノーブルな雰囲気を漂わせている彼女の歌の世界を、沢山ご紹介したいと思います。
 今日は予告編でした。

   オリヴィア・ルイーズのプロフィール
 ではオリヴィア・ルイーズのことも少しだけ予習(?!)しておきましょう。
 彼女は今年34歳。やはりシンガーソングライター、今まさに、現代シャンソンの旗手として高い評価を得ている人です。
オリヴィア・ルイーズ
 「スター・アカデミー」というスター発掘番組で見出され、アイドル系歌手として、「la femme chocolat (チョコ娘(松峰訳))」という曲で大ブレークしました。
 作詞作曲も自ら手掛け、次々とヒット曲を生んでいますが、スペイン系の両親の血を受け継いだ、快活な人柄で、彼女の音楽、そして詩の世界には、鮮やかで奇想天外な夢が交錯するような不思議な物語が展開されてゆきます。

 ケレン・アンの、言葉のニュアンスを繊細でポエティックに綴ってゆくシャンソンの系譜と好対照に、オリヴィアの曲は、物語を音楽の中に紡いでゆくという点でやはりもう一つのシャンソンの系譜を受け継いでいるのではと、私は感じています。
 こちらも是非味わって頂きたいユニークな曲を沢山用意してみました。
 
 二人を取り上げるコンサートは、いよいよ3日後です。



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17歳の笑顔 91歳の笑顔

 節分が終わり、今日は立春ですが、でも春のように麗らかだった昨日から一転して、寒波到来。
 京都も湿気を含んだ冷たい雪がチラチラと舞っています。
 受験生の方たちはさぞ気をもんでいるいらっしゃることでしょう。
 支障なく入試が行われ、それぞれが力を遺憾なく発揮できると良いですね。
  
   17歳の飛翔
 さて、ソチオリンピックも数日後に近づいて、現地の様子、競技の内容、勝敗の行方、選手たちの紹介、様々な情報が飛び交っています。
 中でも注目を集めている、ジャンプの高梨沙羅さんの報道は連日流れていますね。
 152㎝の小柄な体で、世界を制覇すべく不屈の努力を続けてきたその軌跡を、テレビの映像で見て、とても感激しました。
高梨沙羅さん
 17歳のあどけない表情に、落ち着いた物腰と受け答え、思慮深く美しい言葉遣いと応答に、とても好感を覚えました。
 次々と生み出す快挙に、有頂天になることなく、謙虚に、そして冷静に分析し、更なる飛躍を見据えている、それこそが本当の意味での知性というものなのだろう、本当の意味で自分を信じるということなのだろうと、若い彼女から教えられる気がします。
 沙羅さんはきっと、逆境の時にも、パニックを起こすことなく、同じ穏やかな笑顔で努力をし続けることでしょう。
 全ての結果を、先の目標・未来に繋げて行こうとする、強い意志こそが、真の勝利を導く力となるのではと思います。
 オリンピックの幕開けはこれからですが、そのスタートラインに立つ選手たち総てに清々しい挑戦がありますように。・・・・そんな思いで心からのエールを送りたいです。

   もう一つの飛翔
 嬉しいニュースが昨日ありましたね。
 ローザンヌ国際バレエコンクールに、17歳の二山治雄さんが優勝、2位に15歳の前田紗江さん、そして6位に18歳の加藤三希央さんと、3人が入賞したというびっくりするような快挙、世界の檜舞台に立って堂々と力を発揮し、それが最高の評価を得たことは、日本人としてとても誇らしい気持ちになりました。
ローザンヌ国際バレエコンクール入賞の3人
 二山さんの優勝の理由は「音楽性や、動き、ダンスの組み立てをどう考えて踊っているかを重視しているが、彼にはそのすべてがあると判断した」ということ、「大きな潜在力がある」という賞賛を得たと報じられています。
 優勝のインタビュー記事も早速新聞に載っていましたが、「足りない点は沢山あり過ぎて言い切れません。表現力や音楽性、芸術性を磨いてゆきたい」という謙虚なコメント。一日3~5時間睡眠で、幼い頃からのたゆまぬ努力が裏打ちされていることも記事から推察されました。
 優勝後の清々しい笑顔がとても輝いていました。
 彼が7歳でバレエを始めたきっかけは、「好きだった女の子がバレエをやっていたから」なのだそうです。

 井上靖の『幼き日のこと』という随想に、梅の花の話が載っていたのを思い出します。
 ・・・・幼い頃に、知り合いのおじさんに梅の花の香りをかがされて、「いい匂いだろう」と言われたのが、老齢になった今、梅が殊の外好きな理由なのではないか、それで、今自分も幼い孫に同じことをしているのだけれど、それは梅の香りという時限爆弾をそっと仕掛けている気がしているのだ・・・・
 という井上靖氏の文章。
 7歳の初恋の女の子は、知らないうちにバレエという時限爆弾をそっと二山さんの人生に仕掛けたのでしょうか。
 それが時満ちて、こんなに美しく開花したのは不思議な縁ですね。
 でも、それは、人生にいくつか仕掛けられている素敵な爆弾を、不発弾にしてしまわなかった、二山さんの努力と意志の賜物なのではと。
 心から拍手を送りたいと思います。

   91歳の笑顔
 今日は、もう一つニュースを。
 「ゲゲゲの鬼太郎」など多くの作品で著名な漫画家の水木しげるさんが、今年91歳で雑誌の新連載を始めたという話題です。

 昨年出版が始まった全集は100巻を超える見通しだとか。前人未到ともいえる旺盛な執筆活動は未だ衰えることなく、更に先月から「91歳、驚愕の新連載のスタート」ということで『わたしの日々』というご自身の日常を描いた、<エッセイ漫画>が始まったのです。これをNHKが取材した放送を、数日前に見たのですが、ご紹介したいと思います。
 
 兎に角、総てが特別!
 「鬼太郎」のような超能力を持った、人間を超えた方なのではと思ってしまいます。

 NHKの記者さんが取材にご自宅を訪れるところから映像は始まるのですが、お迎えに出られた弟さんという方が既にすごい。87歳だそうですが、水木さんのマネージャーとして未だ現役で多忙なお仕事をこなしていらっしゃる、かくしゃくとした方。
 水木さんは、お土産のお饅頭を美味しそうに召し上がりながら「体のことも考えて、一度にせいぜい5つくらいかな。」
水木しげるさん(ゲゲゲ通信より)
毎日自宅から仕事場まで1時間歩いて通っていらっしゃるとのこと、「91歳という自分の歳にびっくりしてしまいます。兎に角病気なしで、自分の体は20歳くらいな感じです。楽しくてたまらないような体の状態」・・・そんなことを言う方に初めてお会いした気がします。

 「生きていれば何でもできる。今も人生は希望に満ち満ちています」
 「元気の秘訣は、よく眠り、よく仕事をすること。」
 「描くのが好きだから、嫌だと思ったことがない。アイディアは自然に出てくる。それがまた面白い」
 「未来に向けて悪いことは全然考えていない。無限に楽しんでゆくんじゃないかと思います」
 「自分に対して、多少自惚れみたいな感じがないとなかなか長命は難しい。」
 「自分を否定するような、奇妙で謙遜的な生き方っていうのはちょっとおかしいんじゃない?」

 名言集ですね。
 飄々と突き抜けた明るさとユーモアの中で、水木さんは、今も、未来をいつも見つめてワクワクとしていらっしゃる。大きくて魅力的な方だと思いました。

 17歳の高梨さんと、同じく17歳の二山さんのことを記しましたが、水木さんが17歳の頃は戦争中だったのでしょうか?
 戦争で左腕を失くし傷を負って戦地から帰られて、筆舌に尽くせぬご苦労があったに違いありませんが、それでもきっといつも、遠く高い世界をキラキラと見つめながら快活に努力を重ねていらしたのでしょう。

 今日は、心に残る話題を三つお届けしてみました。



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