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新しいシャンソンを新しい言葉に乗せて

   シャンソンの訳詞のつれづれに                      ~ 松峰綾音のオフィシャルブログへようこそ ~

『達人夜話』第二夜が終了しました

   何時までこの猛暑は続くのでしょう
 7月21日、「綾音達人夜話」第二夜は無事終わりました。
 楽しくかつ格調高い素敵な夕べとなりましたが、それにしても暑かった・・・。

 夜話のご報告の前に、京都人の特権、暑さ自慢をさせて頂こうかと思います。

 京都では、既に連続二週間以上38℃超えの日が続いています。
 それも当然のように感じてきているのが、我ながら凄いです。
 鍋の底のような盆地、熱した大気が冷める間もなく、沈み込んできて、クーラー病や、熱中症初期症状、何だか変な病気にかかったような気もします。

 この中でも、今日は祇園祭後祭り、例年と変わらず粛々と山鉾巡行も執り行われておりました。
後祭り
 巡航の行列を待つ気にはさすがにならず、交通規制で警官が大勢交通整理をしている姿を横目に見て通過してしまいました。
 交通止めの向こうには消防自動車と救急車、パトカーが何台も待機していて、物々しい気配。リスク管理万全です。

 それにしても今は、各地でお祭り真っ只中ですね。
 暑い夏だからこそ、それを吹き飛ばすパワーを夏祭りは呼び込んでいるのでしょうか。

 「熱中症で搬送された方たちの出身地別統計を取ったら、意外に京都は少ないのでは?」と、先日、友人が言っていましたが、確かに千年の都、この夏の暑さに耐えながら文化を作り上げてきた底力は恐るべしです。

 我が家のすぐ近くのカフェのママさん、古い町家に住むおじい様、毎朝、綺麗に外を掃き清めて、打ち水で涼を取っていますし、道端のお地蔵様には誰が備えるのかいつもお花が飾られ水も取り替えられています。

 窓には簾(すだれ)、玄関先には竹格子が組まれて目隠しも日よけも夏仕様です。
 生活の中に、様々な工夫を取り入れ、暑さも丸ごと自分の側に取り込んでしまっている、京都の街の奥深さなのでしょうか。

 さて、前置きが長くなりました。
 私も、今回の「綾音達人夜話」のコスチュームは夏着物にしようかと密かに思い定めておりました。
いらして下さる皆様に少しでも季節感を感じて頂けるような涼しげな様子でお迎えするのも京都流おもてなしではないかと、決意したのですが・・・。


 武士は食わねど・・・・夏着物は爽やかに!
 「決して暑そうな顔はしないこと!!」
 これも先の友人にアドバイスされ・・・。
おまけ
 帯をきつく締めた瞬間は、しゃきっとしてとても清々しく感じられたのですが、でも、この日も昼間は39℃を超えて、熱気が身に沁み入ってくるようで、外に出たら頭がくらくらとしてきました。

こだわった以上、頑張るしかない・・・と覚悟を決めた後ろ姿です。
美容師さんがいつもと違った仕上がりに「髪型の写真撮らして下さい」と一枚。 涼しげですね。

   『綾音 達人夜話』第二夜
 いつもの会場、高瀬川沿いにある「四季AIR」にて、ゲストの西田稔先生と。

 何回も打ち合わせをした甲斐あり、息もぴったりの楽しい対談となりました。
 先生はフランス古典文学がご専門で、特にラシーヌを研究していらっしゃいます。 また、17世紀フランス宮廷バレエ、オペラに造詣が深く、貴重な音資料等を使って、わかりやすくご説明して下さいました。
達人夜話
 独自な個性を持つ、フランスバレエ・オペラを源流とした音楽舞踊劇に大きな影響を受け、現在のフランスミュージカルやシャンソンは発展していく、そのプロセスをこの度の対談の中でお話ししたいと思いました。

 私は1960年代あたりから出現し始めたロックミュージカルからスタートし、スペクタクルミュージカルと呼ばれる、「ノートルダム・ド・パリ」「十戒」など曲を何曲か聴いて頂きながらお話を進めてみました。
達人夜話3
 対談の具体的な内容については、またいつかこのブログでも取り上げることができればと思っています。

フランスバレエやオペラについて、学ばせて頂く機会を得ることが出来、西田先生にはとても感謝しています。

 そして、猛暑の中、お越しいただき熱心に耳を傾けて下さいました皆様に心からお礼申し上げます。


   『音楽の祭日』写真展
 達人夜話当日の7月21日から、「100本のトランペット」写真展が同会場で開催されています。
写真集表紙
 写真撮影は写真家の蒼樹(そうじゅ)氏。

 6月21日に至るまでの出演者たちの足跡、練習の風景等を一年かけて追った写真と、当日のトランペット演奏、座談会、演奏会の様子を詳細に写真で綴って、写真集「清水寺友愛100本のトランペット」が素敵に完成しました。

写真集2 写真集3

今日は改めて、写真展を拝見しにギャラリーへ。
涼

窓の外、涼を誘うかのように流れる高瀬川。




数々の写真、トランぺッターの方々の生き生きとした表情が印象的です。
写真展1 写真展2
私が司会をした座談会の写真もあります。

自分の写真の前で記念に一枚、蒼樹さんが撮って下さいました。
写真集展 蒼樹さんと
そしてその蒼樹さんとツーショット。

祇園祭後祭りの私の一日でした。

明日からしばらく東京暮らし。
関東も暑そうですが。
猛暑の中、どうぞ皆様、お身体に気をつけてお過ごしくださいますように。



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京都 七月

   「綾音 達人夜話」第二夜
 まずは、7月21日(土)に開催の「綾音 達人夜話」第二夜のご案内から申し上げます。

 桜繚乱の中の第一夜、4月7日から、早いものでもう三カ月。
 今度は盛夏7月の高瀬川の集いとなります。
 タイトルは「 バレエ・オペラ・ミュージカル・シャンソン 」

   7/21(土)18:00~「綾音・達人夜話 第二夜」
           ゲスト 西田 稔 氏(同志社大学名誉教授)
 「 バレエ・オペラ・ミュージカル・シャンソン 」
 第二夜のkey wordは『 シャンソンへとつながる舞踊と演劇 』
 京都生まれ京都育ちで町家ギャラリーのオーナー、フランスのバレエ・オペラ等に造詣が深く、劇作家ラシーヌの研究者である西田氏に、フランスの音楽舞踊劇の歴史と特徴等について興味深いお話をお伺いします。
 フランスのミュージカルのご紹介もお楽しみに!

 実は、私は中学・高校の頃、演劇部に所属していました。
 なぜか、ギリシャ悲劇やモリエールの喜劇などに皆で凝っていた時期があり、そのいくつかを上演したのですが、西田先生と、色々打ち合わせをする中で、先生がラシーヌやモリエールの専門家でいらして、劇作のことが話題になるにつけ、何だかとても嬉しく不思議なご縁を感じています。
 先生には主にバレエとオペラのお話しを伺い、私はミュージカルとシャンソンを取り上げようと思います。

 貴重な音資料も駆使して、興味深い講演になると思います。
 参加ご希望の方はまだ少し席がありますので、どうぞご連絡くださいね。

   自然の脅威
 さて、お話は変わり。
 京都はさすが千年の都で、歴史的に見ても、自然災害が極端に少なくて、「神さんに守られてるんと違いますか」と普通に語られる街なのですが、最近、地震、豪雨と大変な状況が続いて、にわかに不安が募ってきています。
 地震の時は、「ついに・・・」と覚悟するくらい激しい揺れで、物が落ちてきたりもして怖かったですが、幸いさほど大きな被害もなくお陰様で無事でした。
 豪雨も、実害なく済みましたが、嵐山の辺りに住んでいる友人は、有栖川が決壊しそうで本当に恐怖を感じたと話していました。
 皆で災害への備えのこと等、話題にしている昨今です。

 こういう日々の中、圧倒的な自然の力、その前にある人の無力さを改めて痛感させられますし、だからこそ、平穏な日常の有難さを思い知らされます。

 でも、この度の豪雨では、もっともっと沢山の深刻な被害が生れています。
 今現在もどんなにか大変な思いをされておいでの皆様も多いことでしょう。
 心からお見舞い申し上げ、一日も早い復興をお祈りいたします。


   宵宵山を行く
 7月15日、今日は三連休のなか日ですが、尋常ではない暑さですね。
 京都、昨日は38℃、「今日、明日は40℃近くなるでしょう」との天気予報を聞くだけで卒倒してしまいそうです。
 「でもこれは、室内の風通しの良いところでの気温で、外は更に高いので、熱中症には充分気を付けましょう」と今朝の気象予報士の方が力を入れて語っていました・・・・。
 毎年、こういう猛暑は更新されている気がしませんか。
 日本は、亜熱帯を通り越して、もはや熱帯へと突入したのでしょうか。

 そんな中ですが、京都は一年の数あるお祭りの中でも代表的な<みんなのお祭り>、祇園祭の真っ只中です。

 昨日は「宵宵宵山」、そして今日は「宵宵山」、明日は「宵山」。

 「宵山」というのはお祭り前夜の事。
 祇園祭本番は17日火曜日ですので、その前祝いの夜ということで、言ってみれば12月24日の夜、クリスマスイヴのようなものです。

 前にも何回か祇園祭についてご紹介しましたが、山鉾巡行が行われる本番もさることながら、7月に入るとすぐ、祭りを行うための様々な行事がそこここで行われ、7月そのものが祇園祭一色に染まって行きます。

 本日、「宵宵山」の朝。
朝の錦市場
 我が家近くで。

 我が家は、山鉾巡行の最先端を常に切る長刀鉾(なぎなたぼこ)に卑近距離にあります。
 朝、5時頃。

 さすがに誰もいない錦市場を抜けて四条通りに出ると長刀鉾が朝陽に映えていました。

長刀鉾1 長刀鉾2
 観光客と地元の方たちが押し寄せてくる前の、静寂なひと時です。
二階から鉾へ

 ビルの2階から鉾の中に入る橋が架けられています。巡行の際には、御囃子の他に、祭りの開始を告げるしめ縄を切る稚児もこの橋を渡るのでしょう。

そして、もう一度夕方も、少しだけ視察に出かけてみました。
   人の波   宵山の長刀鉾
 「宵宵山」になると、出店も一斉に立ち、ブラブラと街を歩く人たちで溢れ、これこそが夏の風物詩という風情を見せ始めます。
 浴衣に団扇の老若男女が今年も夏の夜を一杯に飾っています。

 祇園祭は、元々、平安京で疫病が流行した869年に、その災厄の退散を願い、当時の国の数と同じ66本の鉾を立て祇園社(現八坂神社)の神を祭ったのが起源とされています。
 このとんでもない猛暑の中で、更にヒートアップするかのように今年も盛大にお祭り気分が盛り上がっているのは、災厄を収めるというお祭りの原義が、京都人のDNAの中に沸々と再燃されてきているのかもしれないと、ふと思ったりしています・・・。
おはやし

これが、祇園祭り。

この賑わいが夏の到来を告げます。




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