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新しいシャンソンを新しい言葉に乗せて

   シャンソンの訳詞のつれづれに                      ~ 松峰綾音のオフィシャルブログへようこそ ~

11月 軽井沢にて

   「FM軽井沢」に出演しました
 突然のご報告ですが、11月9日(金)に「FM軽井沢」に出演致しました。

 今夏、軽井沢で素敵な方々と出会う機会があり、楽しい時間を過ごしたことを「勝手にファン倶楽部」の記事の中でご紹介しましたが、そんな夏のご縁からお声を掛けて頂き、今回「FM軽井沢」に出演する運びとなったのでした。

 「 KARUIZAWA Smile Days 」という番組。
 12:00~13:30までの情報番組なのですが、途中にゲストコーナーがあり、軽井沢に縁のある様々なジャンルのゲストが、パーソナリティーとお話をするという趣向になっています。

 <この日、スタジオを訪れたゲスト>という事で。

 夏の軽井沢の仲間たちと、訳詞や歌や朗読や、日仏の文化・気質の違いや、etc,etc・・・日頃から思っていることなどを、耳を傾けて下さるのに任せて、楽しくおしゃべりしていたのですが、「そういう感じをそのままスタジオに持ってきて、自然にお話しして頂ければよいので。」との、ラジオ局の方からのお招きでした。

 私は、割と何でも用意周到に準備をしてしまう性質ですので、
 「では、打ち合わせは?」 「リハーサルは?」 「台本は?」 とお伺いしたのですが、
 「変に決めてしまうと、自然な会話が出来なくなりますので、台本など一切なしに。
 その場で臨機応変に自由にお話して下さい。」とのお答え。
 
 それで、一度お電話で、パーソナリティーの方とトピックスを簡単に確認しただけで、当日のスタジオ入りとなったのでした。

 楽しい気持ちでお話が出来ますように
 この日は頭がクリアで、当意即妙な会話となりますように
 万一にも、声が出なくなったりしませんように

 そんなことを思いつつ、ワクワクしながら。

 全国的にも10月上旬のような暖かい一日だという事、軽井沢もポカポカと汗ばむ日差しで、やはりやはり私は晴れ女なのだと、神がかり的な確信が湧いてきたのでした。
軽井沢駅構内
 「FM軽井沢」のスタジオは、軽井沢の駅舎の2階にあるのです。
 駅構内には、こんなクリスマスツリーが新幹線の改札口の正面に飾られていて、観光客を穏やかに迎えていました。
駅前の紅葉
 
駅前広場の真ん中には、シンボルツリーのように大きく葉を広げた紅葉の大木が鮮やかに染まっていました。

 そして「FM軽井沢」に。
FM軽井沢
 パーソナリティーの塚越景子さんが優しい笑顔で迎えて下さいました。
 旧知の間柄のように、あっという間に打ち解けて、談笑しつつ、簡単な確認を。
 塚越さんは一足早く録音ブースに入り番組がスタートしました。

 夏以来となるT氏とも再会。
 放送局は時間との戦い、皆様、それぞれにてきぱきとお仕事をこなしていらっしゃることが初めて訪れた私にもよく伝わってきて、心地よい緊張と高揚感に包まれています。

 T氏の温かい心配りと度量が、現場を頼もしく取り仕切っています。
 「優しい風のように話して下さればよいですので」との一言が、爽やかに胸に刻まれました。
収録風景1
 そして出演時間。
 9月の採薪亭演奏会のライヴ録音から二曲を流して下さり、それを受けながらお話は進んでいきました。
 <軽井沢との関わり><なぜシャンソンなのか><日々の訳詞の活動について><朗読とシャンソンとの結びつき>などの話題へと発展して行き・・・

「いつもゲストコーナーは15分位が目安なので」と伺っていたのですが、塚越さんの巧みなリードでお話は弾み、結局30分間ほどの出演時間となり、ちょっとびっくりです。
収録風景2
 「楽しかったですね。」と言い交わして、お名残惜しくスタジオを後に出来たのは本当に幸せでした。

 ラジオ出演は4年前の「FMヨコハマ」以来ですが、ラジオ局の持つ雰囲気って私は大好きですし、マイクの向こうに、目には見えない、でも耳を澄まして下さる方々を感じ、声と言葉だけで繋がり合う、そのような気配を身に受けることは本当に素晴らしいことだと今回も痛感しました。
 素敵なご縁を頂けたことにとても感謝しています。

   そして11月の軽井沢を歩く
落葉の道
 解放感と高揚感にしばらく浸っていたい気がして、少し軽井沢を散策してみようと思いました。
 いつもの年なら、11月のこの時期はもう落葉も終わってしまっているのに、まだこんなに鮮やかで美しくて感動です。
青空とカラマツ


ドウダン、紅葉、落葉松。
 期せずして落葉松の金色に輝く最後の黄葉を見ることができました。

 落葉松の針葉が風に乗ってキラキラと針の雨のように降りしきってきます。


 歩道を埋める金色の枯葉。
落葉 落葉2
  落葉松の落葉もこんなに道を埋めています。

    遠くから眺める山並みは落葉松の峰。
   全山黄葉1
  東山魁夷画伯の描く一幅の日本画のように、幻想的に浮かび上がる山々です。

 そして夕暮れ時。
 締めくくりはプリンスモールに少しだけ立ち寄ってみました。
 夏は人ごみで賑わっていますが、この時期はさすがに人もまばらで、しっとりと紫がかった靄に包まれる日暮れの空が、胸に沁み通ります。
軽井沢モール1 軽井沢モール2
 イルミネーションが光り始める頃、冷気が急に流れ・・・秋が冬に急速に入れ替わって行く軽井沢を、肌で感じることの出来た嬉しい一日となりました。



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『デリシャス クリスマス』は12月22日です

   あの時の味
 今年は、ゆっくり年の瀬を過ごすつもりでいたのですが、急遽12月にコンサートライヴを行うことが決まりました。

 思えば、「新しいシャンソンと朗読の夕べ」シリーズをスタートしたのはちょうど2年前、シリーズ第一回目が『クリスマスの贈り物』で、12月10日だったかと思います。
 早いもので2年が過ぎようとしているのですが、今回、12月22日(土)に、シリーズ4回目を開催することを思い立ちました。
 先日ピアニストの坂下さんとお話していた時の、「クリスマスのライヴは何といっても特別感があって楽しいですよね」との彼女の呟きがきっかけになったのですが、そういえばクリスマスの曲をしばらく歌っていなかったことにも思い当たり、また、最近、お気に入りのクリスマスソングを訳詞したことも弾みになったのかもしれません。

 ただあまりに急ですので、何もかもが大変!!
 まずは皆様にご案内をと思います。
デリシャスクリスマスポスター
 ご案内チラシはこちらです。
 赤いパンツスーツ姿が、サンタさんが躍っているみたいで面白のでは。
 こんな感じで、ちょっとお洒落に、弾けた曲も何曲かご披露するつもりです。

 タイトルは
  『デリシャス クリスマス』

  「あの時の味」って誰にでもあります


 が、今回のコンサートのコンセプトです。

 誰にでも「あの時の忘れられない味」ってありますよね。
 それはこの上ないご馳走でお腹いっぱいになった幸福感かもしれませんが、でも記憶に残り続け、五感に刻まれる味って、必ずしもそういうものだけでもないのではないでしょうか。

 別れの時のほろ苦さとか、もしかしたら悲しさや苦しさで喉を通らなかった味が生涯忘れられなかったりすることもあります。
 或いは、本当はささやかな食べ物だったり飲み物だったのかもしれないけれど、それがとてもかけがえのない懐かしい思い出と直結していたり、・・・・そんな胸の深いところと繋がるような味わいをテーマにして、飛び切りのシャンソンと、文学作品を朗読で、ご紹介するつもりです。

 テーマを考え、曲構成を練っている時ってとても楽しくて、お客様も興味を持ってくださるかしらと、あれこれ思いが膨らみます。

 「デリシャス」ってそういう言葉。
 デリシャスなクリスマス前々夜をお過ごし頂けますように。

    コンサートのご案内
   日時: 2018年12月22日(土)
          12:30開場 13:00開演 
   料金: ドリンク付き4000円 前売りチケット3700円

       歌 朗読: 松峰綾音
        ピアノ : 坂下文野

     会場: 巴里野郎KYOTO
               Tel 075-361-3535

     プログラム 『 一房の葡萄 』 有島武郎 作 他 朗読
               「 お茶の時間 」ヴァンサン・ドレルム
               「 冬の庭 」 アンリ・サルバドール
       「 僕のサンタさん 」 レイモンド・ヴァンシー  他

 前売りチケット制はこれまでなかったのですが、クリスマスですので今回特別、ささやかですがプレゼントさせて頂くことに致しました。
 お申込み・お問い合わせは、私宛に、WEBのコンタクトからどうぞ。
 チケットをお送りさせていただきます。

 細かいことですが、今までは「新しいシャンソンと朗読の夕べ」というシリーズ名で進めてきましたが、今回は「新しいシャンソンと朗読のひととき」に変更、お気づきになりましたか。
 開演が13:00ですので、夕べではないので、これは正確にお伝えせねばと!
 お時間をお間違えの無いように、よろしくお願い致します。

 連休の前の土曜日。「シャンソンと朗読」でクリスマスを楽しんでくださいね。



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「綾音達人夜話 第三夜」終了致しました

   「第三夜」
 麗らかな秋晴れとなった文化の日、夕暮れ時18時から、「綾音達人夜話第三夜」がいつもの会場、「四季AIR」で開催されました。
 お陰様で、とても楽しく充実した会となりましたので、今日はその様子をご報告したいと思います。

 今年の4月、高瀬川沿いの満開の桜を窓辺から眺めながら、「日本語で紡ぐ」という演題で山田弘明氏と哲学と文学・音楽とを対比し、翻訳の問題を取り上げたのが第一回目。
 そして前回二回目は、祇園祭の賑わいが街に溢れる7月。
 「バレエ・オペラ・ミュージカル・シャンソン」の演題で、フランス音楽舞踊劇の歴史と特徴について、西田稔氏と熱く語り、そして今回が第三回目となったわけです。

 これまでの全てを繋ぐテーマは「ことばを超えるもの」。
 シャンソン訳詞を通して見えてくるフランスと日本の再発見を様々な分野のゲストをお招きして、改めて考えてみたいというのがこのシリーズの骨子になっているわけですが、今回のテーマは「国民性」ということで、演題は「シャンソンに見るフランスとアメリカ そして日本」です。

 当初から予約で埋まっていたのですが、それでも更に当日ぶらりと訪れて下さったお客様もいらして、ギャラリーの空間に入りきれないほどで、座る場所を確保するのに精一杯の状態、まさに満員御礼の嬉しい悲鳴でした。

 対談のゲストは国際文化芸術プロデューサーの前田哲央氏、明朗で颯爽とした好青年という感じの素敵な方です。
 事前に二度程打ち合わせをしたのですが、フランスで生れ、11歳の時までフランスで生活なさっていらしたとのこと、興味深いお話もたくさん伺って、この日の対談の中に是非取り入れたいと思っていました。
前田さんと
 ご両親がシャンソンをお好きで、幼い頃、ピアフやモンタンなどの往年のスターの歌声を聴いて育ったのだとか。オーソドックスなシャンソンの王道をよくご存じだったのですね。

 始まる前のツーショットです。
 二人ともとても畏まっている感じです。これから始まる夜話に心地よい高揚感が溢れます。



    「シャンソンに見るフランスとアメリカ そして日本」
 80分間の予定で講演はスタート。
 初めに前田さんのご紹介と講演の概要を説明しました。
 そして今回は具体的にシャンソンを数曲取り上げて、進めていきました。

 「国民性によって歌詞は変容する」・・・・これまでコンサートの中で、折に触れてお話してきたことなのですが、国によって同じ曲でも全く違った歌詞が付けられる、それを比較してみた時、そこに、ものの考え方、感性、習慣、・・・国民性が見えてくるということ。
 フランス語の詩、英語の詩、日本の詩を、具体的に比較し、その特徴を考えることから、お話を進めていきました。
 
 最初に取り上げた曲は「comme d’habitude 」(仏)。
 英語詞と日本語詞のタイトルは「マイウエイ」。
 講演風景

 そして、もう一曲は「Terry's Theme 」(「テリーのテーマ」)。
 チャップリンの映画「ライムライト」のテーマ曲です。
 英語詞と日本語詞のタイトルは「Eternally(エターナリー)」とされており、一方、フランス語詩は「Deux petits chaussons」・・・・私は「小さなトーシューズ」というタイトルを付けて折に触れて歌っている大好きな曲です。

 「マイウエイ」も「テリーのテーマ」も皆様聴き覚えのある曲ですので、親しみを持って耳を傾けて下さっていたようでした。
 訳詞による世界観の違い、曲自体の印象が全く変わってくること等、新鮮な発見をしていただけたのではないでしょうか。

 ゲストの前田さんに、このような国民性の相違についての感想を伺いながらお話を進めて行ったのですが、でもそれだけではなく、マイウエイの一節を歌って頂いたり、フランス語詩の朗読をして頂いたりと色々なリクエストをしてしまいました。
 歌も朗読も楽しげにこなして下さって、和気藹々とした雰囲気が会場に流れました。

  フランスと日本との文化の比較の例として、更に二曲、取り上げました。
 私も自分の訳詞での歌を何曲かご披露して、コンサートと講演会と対談とが楽しく融合したような、あっという間のひと時でした。

 講演やコンサートを通していつも伝えたいと思っていることは、

 「真にグローバルであることは、まず自国を知るということ」

 これに尽きるかなと思っています。
 自国に深い見識を持ち、他国に向かうのでなければ、他国の何物も見えてこないのではないでしょうか。
 国際的であること、他国を理解し、協調しながら付き合ってゆくことの基盤に、自国への理解と誇りを持たなければと痛感しています。
 言葉と日々向き合う自分の立場からは、言葉、日本語の真の美しさを味わい学ぶことが大事なのではと思います。

 そんな日頃の所感をお話しして締めくくったこの日の夜話でした。
 (自慢話! この日も含めて三回とも特に時間を計らないのにぴったり予定通りの80分で終了。昔、教壇に立っていた時からの私の特技なのです!!)
懇親会
 終了後に同会場でのワインパーティーにもほとんどの皆様が残って下さり、あちこちで、芸術論議や音楽談義が起こった、賑やかで楽しい打ち上げでした。
 
「綾音達人夜話」は、全4回シリーズとなります。
 最後の回は来年の4月6日(土)、まだ対談のお相手は決まっていませんが、決定しましたら改めてお知らせ致します。
しばらく先ですが、どうぞ次回をお楽しみに是非いらして下さい。


 

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