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新しいシャンソンを新しい言葉に乗せて

   シャンソンの訳詞のつれづれに                      ~ 松峰綾音のオフィシャルブログへようこそ ~

「綾音達人夜話 第三夜」終了致しました

   「第三夜」
 麗らかな秋晴れとなった文化の日、夕暮れ時18時から、「綾音達人夜話第三夜」がいつもの会場、「四季AIR」で開催されました。
 お陰様で、とても楽しく充実した会となりましたので、今日はその様子をご報告したいと思います。

 今年の4月、高瀬川沿いの満開の桜を窓辺から眺めながら、「日本語で紡ぐ」という演題で山田弘明氏と哲学と文学・音楽とを対比し、翻訳の問題を取り上げたのが第一回目。
 そして前回二回目は、祇園祭の賑わいが街に溢れる7月。
 「バレエ・オペラ・ミュージカル・シャンソン」の演題で、フランス音楽舞踊劇の歴史と特徴について、西田稔氏と熱く語り、そして今回が第三回目となったわけです。

 これまでの全てを繋ぐテーマは「ことばを超えるもの」。
 シャンソン訳詞を通して見えてくるフランスと日本の再発見を様々な分野のゲストをお招きして、改めて考えてみたいというのがこのシリーズの骨子になっているわけですが、今回のテーマは「国民性」ということで、演題は「シャンソンに見るフランスとアメリカ そして日本」です。

 当初から予約で埋まっていたのですが、それでも更に当日ぶらりと訪れて下さったお客様もいらして、ギャラリーの空間に入りきれないほどで、座る場所を確保するのに精一杯の状態、まさに満員御礼の嬉しい悲鳴でした。

 対談のゲストは国際文化芸術プロデューサーの前田哲央氏、明朗で颯爽とした好青年という感じの素敵な方です。
 事前に二度程打ち合わせをしたのですが、フランスで生れ、11歳の時までフランスで生活なさっていらしたとのこと、興味深いお話もたくさん伺って、この日の対談の中に是非取り入れたいと思っていました。
前田さんと
 ご両親がシャンソンをお好きで、幼い頃、ピアフやモンタンなどの往年のスターの歌声を聴いて育ったのだとか。オーソドックスなシャンソンの王道をよくご存じだったのですね。

 始まる前のツーショットです。
 二人ともとても畏まっている感じです。これから始まる夜話に心地よい高揚感が溢れます。



    「シャンソンに見るフランスとアメリカ そして日本」
 80分間の予定で講演はスタート。
 初めに前田さんのご紹介と講演の概要を説明しました。
 そして今回は具体的にシャンソンを数曲取り上げて、進めていきました。

 「国民性によって歌詞は変容する」・・・・これまでコンサートの中で、折に触れてお話してきたことなのですが、国によって同じ曲でも全く違った歌詞が付けられる、それを比較してみた時、そこに、ものの考え方、感性、習慣、・・・国民性が見えてくるということ。
 フランス語の詩、英語の詩、日本の詩を、具体的に比較し、その特徴を考えることから、お話を進めていきました。
 
 最初に取り上げた曲は「comme d’habitude 」(仏)。
 英語詞と日本語詞のタイトルは「マイウエイ」。
 講演風景

 そして、もう一曲は「Terry's Theme 」(「テリーのテーマ」)。
 チャップリンの映画「ライムライト」のテーマ曲です。
 英語詞と日本語詞のタイトルは「Eternally(エターナリー)」とされており、一方、フランス語詩は「Deux petits chaussons」・・・・私は「小さなトーシューズ」というタイトルを付けて折に触れて歌っている大好きな曲です。

 「マイウエイ」も「テリーのテーマ」も皆様聴き覚えのある曲ですので、親しみを持って耳を傾けて下さっていたようでした。
 訳詞による世界観の違い、曲自体の印象が全く変わってくること等、新鮮な発見をしていただけたのではないでしょうか。

 ゲストの前田さんに、このような国民性の相違についての感想を伺いながらお話を進めて行ったのですが、でもそれだけではなく、マイウエイの一節を歌って頂いたり、フランス語詩の朗読をして頂いたりと色々なリクエストをしてしまいました。
 歌も朗読も楽しげにこなして下さって、和気藹々とした雰囲気が会場に流れました。

  フランスと日本との文化の比較の例として、更に二曲、取り上げました。
 私も自分の訳詞での歌を何曲かご披露して、コンサートと講演会と対談とが楽しく融合したような、あっという間のひと時でした。

 講演やコンサートを通していつも伝えたいと思っていることは、

 「真にグローバルであることは、まず自国を知るということ」

 これに尽きるかなと思っています。
 自国に深い見識を持ち、他国に向かうのでなければ、他国の何物も見えてこないのではないでしょうか。
 国際的であること、他国を理解し、協調しながら付き合ってゆくことの基盤に、自国への理解と誇りを持たなければと痛感しています。
 言葉と日々向き合う自分の立場からは、言葉、日本語の真の美しさを味わい学ぶことが大事なのではと思います。

 そんな日頃の所感をお話しして締めくくったこの日の夜話でした。
 (自慢話! この日も含めて三回とも特に時間を計らないのにぴったり予定通りの80分で終了。昔、教壇に立っていた時からの私の特技なのです!!)
懇親会
 終了後に同会場でのワインパーティーにもほとんどの皆様が残って下さり、あちこちで、芸術論議や音楽談義が起こった、賑やかで楽しい打ち上げでした。
 
「綾音達人夜話」は、全4回シリーズとなります。
 最後の回は来年の4月6日(土)、まだ対談のお相手は決まっていませんが、決定しましたら改めてお知らせ致します。
しばらく先ですが、どうぞ次回をお楽しみに是非いらして下さい。


 

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