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新しいシャンソンを新しい言葉に乗せて

   シャンソンの訳詞のつれづれに                      ~ 松峰綾音のオフィシャルブログへようこそ ~

2018年晦日 錦小路界隈

 気がつけばもう12月30日、晦日ですね。

 今年は皆様にはどのような一年でしたか。

 「矢の如し」とはいうものの、辿ってみると、やはり色々な出来事が起こっていて、出会いや別れもあって、それ全て含めて、自分のかけがえのない一期一会の時間なのだと改めて思います。

 私は、今年はコンサートやイベント等、盛りだくさんの年でした。

  『雨の日の物語』
  3夜に渡る『綾音 達人夜話』
  清水寺での座談会『音楽は国境を超える 世界友愛の祈り』の構成・司会
  東福寺での『採薪亭演奏会』
  FM軽井沢への出演
  『デリシャスクリスマス』

 それぞれの様子は随時お知らせしてきましたけれど、どれも貴重な経験となりました。

 暮れに届いた何枚かの喪中欠礼の葉書を眺めながら、・・・・仕事を納め、年賀状を書き、大掃除をし、お節を準備し、・・・・ともあれ、このように繰り返される年の瀬の諸事を、今、健康で普通に迎えていることが、実は何より幸せなのだとしみじみ思います。

 そんな12月30日。
 我が家は、京の台所・錦小路のすぐ近く、買い出しの人達で大賑わいの様子を写真に収めてみました。

   12月30日 朝5時30分 
いつも早起きの私、今朝も5時起床で、郵便を出しついでの朝の散歩に出かけました。
月と明星
 雪がちらつく未明の空に、くっきりと浮かぶ月と明けの明星です。
 冴えた美しい煌めきの星ですが、写真からおわかりになるでしょうか。
私と同様に早起きの友人が、時々「今、明けの明星が綺麗に光っています」という写真付きメールを送ってくれて、その度に空を見上げているうちに、私もこの明けの明星=金星が、殊の外好きになってきました。
朝のパン屋さん1
 郵便局本局までの道すがら。
 まだ5時半なのにもう立ち働いているパン屋さんです。
 お店の外まで良い香りが漂ってきました。
 お洒落なレストランが併設されていてフランス風の店ですね。

錦市場周辺は皆早起き。早朝から働いている方たちがたくさんいます。
スターバックスの女性店員さん。てきぱきとした身のこなしに晦日の気合が感じられました。
   スターバックス    朝の大丸
 大丸デパートの駐車場にも次々と業者の大きなトラックが品物の搬入に入庫します。
錦夜明け

錦市場の入り口。まだひっそりとしています。
そろそろ空が白みかけてきました。
魚屋さん朝

いち早くシャッターを開けたお店は魚屋さんとお餅屋さんでした。
今日はどれくらい売れるのでしょう。きっと戦場のように忙しい一日になるのでしょうね。
錦雑踏

   12月30日 昼下がり14時
お買い物に出てみました。
朝とは打って変わった大変な賑わいです。


漬物屋


錦市場にはお漬物屋さんがたくさんあるのですが、お正月の旬は勿論千枚漬けです。

それぞれにご贔屓の味があるのでしょう。どのお店も賑わっていました。

魚屋さんとお餅屋さん。
魚や 餅や

正月飾り
 私のいつも買うお正月飾りのお店はここです。
 一家で営んでいるようで、息もぴったりです。
 顔なじみのおばあさんが、元気に店に立っていました。
 「今年も終わるねえ」と陽気な笑顔。

 「八百一」というマーケットの入口には、大きな松飾りが飾られて、お正月到来を今や遅しと待っているようでした。
正月準備
 今年も、皆様から温かく応援して頂き、お陰様で充実して過ごすことができました。 本当に有難うございました。
 どうぞ来年もよろしくお願い申し上げます。


 元旦は少しは寒さが和らぐようです。
 お風邪を引かないようにお気をつけて良い新年をお迎え下さいね。


 

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「デリシャス・クリスマス」ご報告

   「宵酔良い山」
 お陰様で今年を締めくくるコンサート、「デリシャス・クリスマス」が、一昨日無事終了致しました。
 師走のお忙しい中、お出で頂きましたお客様、本当に有難うございました。

 文字通りの満席で、華やいだ空気が一杯に溢れた一日でした。

 巴里野郎の扉を開けるとポインセチアがたくさん飾られていて、会場はすっかりクリスマスムードです。
メリークリスマス 巴里野郎
 12月22日、クリスマスの3日前なので、「宵宵宵山ですね!」などとご挨拶したのですが(京都では祇園祭の前日を宵山と言います)、翌日お客様からこんなウイットに富んだ温かいねぎらいのお言葉を頂きました。

  綾音様
 「宵酔良い山」満喫いたしました。
 昨日はフルコースご馳走様でした。
 いろいろな器で美味しさを味わいました。

 ステージの松峰様は可愛らしくて、こちらもリズミカルな歌を体で感じながらクリスマスの雰囲気に浸ると、子供の頃のクリスマスを思い出して幸せな気分になります。

 朗読もお馴染みのお歌もしみじみと心に入ってきて、私は一時的に文学少女気分。気がつくと、大胆な行動を支持していたり、ロマンティックな気分になったり、祈っていたりもしました。
 次のメニューもまた同じシェフで味わいたいと願いました。


 「デリシャス」という言葉にこだわって、今回のプログラムには「本日のお品書きmenu du jour」と書いてみたのですが、こんなお洒落な返信を頂き、感激しています。
 「可愛らしく」などとまでおっしゃっていただき恐縮するばかりですが・・・・朗読で3~4歳の女の子の声色に挑戦したり、子供のためのクリスマス・ソングなど入れたねぎらいかと・・・重ねて、お優しいお言葉を有難うございます。

   第一部  
 詩人黒田三郎氏の詩集『小さなユリと』から『九月の風』『夕方の30分』の二編の詩。
 長患いで闘病生活をしている妻の不在を、幼い娘と共に、必死で耐えている日常を、飾らない言葉で綴った詩の朗読からコンサートをスタートしました。

  それから やがて しずかで美しい時間がやってくる
  おやじは素直にやさしくなる
  小さなユリも素直にやさしくなる
  食卓に向かい合ってふたりすわる


 『夕方の30分』という詩のこの最後の部分がしみじみと胸に染み入ってきて私は大好きです。
 「オト―チャマ」と「小さなユリ」との、日々繰り返されるこぜりあいの末にやってくる温かい時間の中で、二人で食べた夕食は、どんなに忘れがたい味わいだったのでしょうか。人の時間の中に刻まれてゆくデリシャスな味ってこういうものなのではないかと思うのです。
一部1
 いつ、誰と、どんな時、どんな状況の中で食べるか、それが忘れがたい一期一会の物語と重なった時、どんなに苦い状況であったとしても、真のデリシャスな食べ物、飲み物となる・・・そんなことを思わせてくれる曲や詩、小説を集めてみました。
一部2

 第一部は明るくキュートな曲を中心に。
 一部の最後はサンタクロースの歌を二曲。
 ピアニストの坂下さんと二人サンタ帽をかぶりノリノリでした。



   シャンパーニュ エペルネ AM5:00
 今回もコンサートプログラムを作成しました。
 これが表紙。
プログラム表紙
 表と裏とが青紫の美しい風景で繋がっています。
 一部後半で歌った曲「サンタベイビー」の訳詞に

 シャンパーニュ 
   飛び切りのテタンジェよ


 という一節があるのですが、これに因んだ写真なのです。
 フランスに造詣が深く、ワインの事にも精通している友人にシャンパンの銘柄について教えて頂いたとき、シャンパーニュ地方を旅行した際、撮影したというこんな素敵な写真を下さいました。

 エペルネはシャンパーニュ(シャンパン)のメッカ、ワイナリーが立ち並んでいる土地なのですが、その中で、詩中に登場するテタンジェのワイン醸造所が写真中央にあります。
 夜明けの情景。
 濃い紺色がやがて紫がかった光を帯びて空を染めてゆく美しい一枚です。
 枕草子にも「やうやう白くなりゆく山際、少し明かりて、紫だちたる雲の細くたなびきたる・・・」とありましたね。

 説明しなければ目に留まらないかもしれないのですが、私のコンサートにはそういう様々な細部に密かなるこだわりが詰まっていて、その集積の総量がステージへのエネルギーに転化されていく気がして、どんどん凝り性になってしまいます。

   第二部
 二部も朗読からスタート。
 有島武郎の『一房の葡萄』を取り上げてみました。
二部1
 横浜の山の手が舞台。
 私はこの近くで生まれて、幼い頃暮らしていましたので、何とも郷愁を感じます。
 そしてここに登場する、外国人の若い女教師の慈しみ深い眼差しが、とても素敵で、忘れてはならない大切なものを柔らかく語っている気がして愛着の深い作品なのです。
 紫色の一房の葡萄は、主人公の少年の心に、生涯忘れられない味を刻んだのでしょう。
二部2
 コンサートは佳境に入り、あっという間に時が過ぎ・・・・最後に「きよしこの夜」を会場と共に歌いました。

 皆様が唱和してくださり、楽しく和やかな、一足早いクリスマスでした。


   聖夜を飾る花々 
花束
 お客様から頂いた花束がクリスマスイブの今日、我が家のリビングを美しく彩っています。

 華やかなクリスマスカラーですね。

 椿
 そして、もう一つ。
 こちらはお茶席にそっと添える白玉と呼ばれる椿。

 「今日は冬至なので、帰ったら柚子湯で温まって下さい」とお庭の柚子を持ってきて下さったお客様も。
 椿の元に薫り高い柚子たちを置いて飾ってみました。

皆様、温かいお気持ちを本当に有難うございます。


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京都迎賓館 夜間公開

 京都迎賓館は、平成17年に開館され、二年前の平成28年から一般公開されるようになったのですが、今年は、晩秋のこの時期の四日間のみ、夜8時まで夜間公開が行われました。

 「京都ならではの日本建築、伝統技能の粋を集めつつ、現代建築の技術と融合させた「現代和風」の創造を見ることが出来る」と内外から広く賞賛を受けているこの迎賓館を11月30日の夜間公開の際に訪れることができました。

 今日は、紅葉の最盛期、情趣溢れる京都の夕暮れ時の迎賓館を、撮ってきた写真と共に、そして見学の際のガイダンスを思い出しながらご紹介してみたいと思います。

   京都迎賓館

 日本の伝統技能の粋を集めた最高のおもてなしの場
 京都迎賓館は日本の歴史、文化を象徴する都市・京都で、海外からの賓客を心をこめてお迎えし、日本への理解と友好を深めていただく施設として平成17年に建設されました。
 歴史的景観や周辺の自然環境との調和を図るため、日本の伝統的な住居である入母屋(いりもや)屋根と数寄屋(すきや)造りの外観とし、品格のある和風の佇まいを創出しています。建物や調度品には、数寄屋大工、左官、作庭、截金(きりかね)、西陣織や蒔絵(まきえ)、漆など、数多くの京都を代表する伝統技能において匠の技を用いています。 (京都迎賓館 WEBサイトより)

             
 京都御苑は、今まさに紅葉の真っ盛り。16時頃に到着したのですが、陽が傾き始めて、晩秋から初冬へと移り変わる季節のしっとりとした趣を見せていました。
薄暮の京都御所1 薄暮の京都御所2
 紅葉の中を迎賓館に向かいます。
迎賓館へ
 白砂が美しく敷かれた前庭の奥に、正面玄関が見えてきました。
 樹齢700年の欅(けやき)の一枚板を使用しているという玄関扉が堂々とした佇まいを見せて、建物に清廉な雰囲気を与えていました。

現在、四つの部屋と庭園が一般公開されているですが、それぞれを繋ぐ廊下は、障子と行灯(あんどん)の光に柔らかく包まれています。
行燈の廊下1
さっぱりと何気なく、美しい陰影が演出されていて、いつの間にか雅やかな遠い時の彼方に誘われるようです。
まさに、谷崎潤一郎の『陰影礼賛』の世界そのものですね。
行燈の廊下2


 行灯(あんどん)の意匠は、折鶴をイメージしているとのこと、確かに鶴がすっと佇んでいるようでもあり素敵です。

 そして、最初の部屋「聚楽の間」に導かれます。
聚楽の間
 晩餐会や大臣会合などが行われる際に、招待されたゲストの控室、随行員の待合とするなど多目的に利用されているそうです。
「聚」は、寄り集まるといった意味、心安らぎ楽しいことが集まる場所という願いを込めているのでしょう。
 鉄や釘を一切使わない京指物を用いた椅子。
 西陣織の茜色が何とも上品な華やかさを演出しています。
長押の釘隠し
 そして、長押の釘隠(くぎかくし)。
 「錺金物(かざりかなもの)」は、「千代結び」をイメージしているとのこと。平和の輪が千代に結ばれますように、という願いを込めたデザインだそうですが、細部に至るまで、日本的な奥ゆかしさが溢れています。
藤の間
 そして、大臣会合などの会議や立礼式(りゅうれいしき)のお茶のおもてなし、晩餐会の待合として使用されるという「夕映(ゆうばえ)の間」を楽しんだ後、次は「藤の間」です。
 「歓迎」という花言葉にちなんで名づけられた「藤の間」は、迎賓館の中で最も大きな部屋で、洋食の晩餐会や歓迎式典の会場として使用されるそうです。  
 「麗花」という壁面装飾は、綴織りの技法で織った織物で、39種類の日本の草花が織り込まれています。
   藤の間2
 「格子光天井」は、美濃紙と京指物とが融合して、「和凧」の形に模してあり、洋のおもてなしを尽くしながら、どこまでも和の意匠を極めていることに、心を強く惹かれました。

「桐の間」
先ほどの「藤の間」の<洋>とは好対照に「五七の桐」を配した和の晩餐室がこの「桐の間」です。
桐の間1  桐の間2
 全長12メートルあるという漆の一枚仕上げのテーブルが圧巻でした。
 庭の緑や天井を漆の漆黒が水鏡のように映し出して、ここにも陰影の美が生きています。
 でも、座椅子を使いながらも掘り炬燵式になっていたのは、やはり外国からの賓客に配慮したためなのでしょう。

行灯に照らされて廊下をしばらく進むと、廊橋に出ます。
 行燈  出口より
 廊橋の天井は、船底を逆さにしたような形、「船底天井」で、吉野杉を使用しています。

 「庭屋一如(ていおくいちにょ)」を体現した庭園
 京都迎賓館の庭園は、御苑の緑を借景とし、広大な池を中心に、様々に表情を変えつつ、まわりの建物に融け合うように配置されています。これが、古くから日本人の住まいに貫かれた伝統「庭屋一如」の思想です。

 賓客の方々が「舟遊び」を楽しめるように「和舟」も池に浮かんでいます。
 中庭1 中庭2
 そして、多数の錦鯉が放たれていて、海外の方たちは餌やりに殊のほか興じられるのだとか。

刻々と日が落ちて、水面に部屋の明かりが映ります。
   中庭3
 
 京都の伝統技能11職の技術の粋を集めた建物。
 光と影とが織り成す幽玄の美。

 古都の風土と歴史とが相まった日本的な美意識の中で,優しく柔らかく海外の賓客をもてなすことの矜持に、改めて日本人としての誇らしさを感じたひと時でした。


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