
九月の暦と共にしっとりとした秋の気配が立ち始めました。
「種類の違う虫は決して一斉には鳴かない。ある種類の虫が鳴き終わるのを待ってから別の種類の虫が追いかけるように鳴くって知っていた?」と、先日知人が話していました。夜更けに虫の音に耳を澄ましていたら、初めてそのことに気づいたのだそうです。
本当なのでしょうか?・・・それから意識して耳を傾けているのですが、どうもあまりはっきりとわからないままです。
でもそうだったら、お互いを聴き合って尊重しているようで、なんだか風情がありますよね。
コロナ籠りになってから随分季節が流れ、時間が経ちましたが、前よりゆったりと落ち着いて耳や目や心を澄ますことが増えた気がして、それは幸せなことなのではと感じます。
「食べ物、食べることにあまり興味がない。特に何を食べたいとか思ったことはない」と言う人が時々いて、その都度、驚天動地・・・私はその正反対で、食べることがこの上なく好きな食いしん坊ですので、いつも食材や料理全般にとても興味を持っています。
と言っても、もっぱら自己流の料理で、素材をそのまま味わう主義なのですが、でもどうすればこの食材が一番おいしくなるかしら?などと思いながら楽しく工夫し、結構凝った料理を作ったりすることもあります。
その場にある食材とその日の気分で適当に作っていますので、改めて厳密なレシピなど問われると答えられなくて困ることが多いです。
かき氷
この夏凝ったのはかき氷。
37℃を超えた猛暑の日、京都のお茶屋さんのカフェで濃い茶をたっぷりかけた宇治金時を頂いたのが、あまりにも美味しくて忘れられなくなり、自分でも作ってみたいと思ったのがきっかけでした。
調理器具や食器のお店を片っ端から探して歩き、ついに見つけたのがこのかき氷機です。氷の赤い文字と、青銅色の本体がレトロで、昔の氷屋さんを思い出しました。

鋳物のように重そうに見えますが、実はただのプラスチック製、とても軽くて扱いも簡単、安価でした。
でも、氷のキメを自在に調整できる優れものですし、どこにでも簡単に移動できるので本当に便利です。
時間のある時は丹波の小豆など買い込んで、コトコトと煮て粒あんを作り、忙しい時は缶詰のゆで小豆でも充分OK、そこに例のお茶屋さんを模して、抹茶をたて、恭しく上から注ぎます。人に供するときは、作る過程を披露することが美味しく召し上がっていただく必須条件です。

で、黒蜜を小瓶に入れて添えてみたり、街のカフェみたいにフルーツのトッピングをしてみたりその時の気分で色々楽しめます。
凝りに凝ってこの夏は毎日のようにカリカリカリカリと機械を回していました。ベランダなどに運んでパフォーマンスするとよりおいしそうで、しかもあっという間にできるので、冷たいものの苦手な人以外にはお勧めの夏の我が家デザートです。
お餅のピザ
「沸騰したお湯に入れると約5秒で柔らかくなる」というキャッチフレーズの「しゃぶしゃぶ餅」ってご存知ですか。
お餅も大好きなので、これにチーズをかけて焼いたら美味しいのではと思いながら、でもいっそのことピザ台に敷いてチーズと溶け合わせたらもっちり感があり、いけるのではと閃きました。
一大発明と思ったのですが、しゃぶしゃぶ餅のパッケージには「お鍋に」「ラーメンに」などの文字と並んで「ピザに」と既に書いてありました。
私が知らなかっただけなのですね。でもめげずに作ってみたら、なかなかなのです。お餅が入ると普通のピザより重量感を感じますが、実はヘルシーでランチには最適かもしれません。
ピザ台も、ピザソースもベースは出来合いのものを使いました。トマトピューレや生トマトのスライスなどで適当に味調整をすればかなり美味しくなります。

オープントースターで焼いて出来上がり。
私はベーシックなマルゲリータが一番好きなのですが、ベランダの鉢植えのバジルをパラパラと乗せて。
バジルがなければ、シソでも九条ネギでも山盛りでかけてください。和洋が融合してなかなか乙です。
玉ねぎのてんぷら
てんぷらの揚げ方を褒めて頂くことが何回かあったので、お客様の時には時々揚げ物を添えたりしています。

夏野菜は天ぷらに最適、特に新鮮な玉ねぎは甘くサクサクして本当に美味しいのでお勧めします。
初めはキッチンが脂っぽくなるので揚げ物は敬遠していたのですが、やっているうち普通になって今は全く気にならなくなりました。
夏はマイタケやシイタケ、エリンギなどきのこ類もおいしいですし、ナス、ハス、アスパラ、しそ、なども最高です。
荒塩を少しつける食べ方は今流行りの通人の流儀ですが、私は天つゆが素朴な野菜天ぷらには一番合う気がしています。これは各人の好みに合わせて。
「エビやほたてなどの魚介類を使わないところがお洒落です」と、食通の友人に褒められて以来、野菜だけを揚げることに決めました。
真夏のおでん
その友人宅に、この夏、旧友と共に招かれて、ランチをご馳走になりました(密を避けて、3人の会食です)。

供されたのは何とおでん。
真夏のおでん。
みんなでまずはふうふうと。
イイダコをほおばりながら「これが究極の贅沢」とのおもてなしの言。
すっかり納得した豊かな時間でした。
「種類の違う虫は決して一斉には鳴かない。ある種類の虫が鳴き終わるのを待ってから別の種類の虫が追いかけるように鳴くって知っていた?」と、先日知人が話していました。夜更けに虫の音に耳を澄ましていたら、初めてそのことに気づいたのだそうです。
本当なのでしょうか?・・・それから意識して耳を傾けているのですが、どうもあまりはっきりとわからないままです。
でもそうだったら、お互いを聴き合って尊重しているようで、なんだか風情がありますよね。
コロナ籠りになってから随分季節が流れ、時間が経ちましたが、前よりゆったりと落ち着いて耳や目や心を澄ますことが増えた気がして、それは幸せなことなのではと感じます。
「食べ物、食べることにあまり興味がない。特に何を食べたいとか思ったことはない」と言う人が時々いて、その都度、驚天動地・・・私はその正反対で、食べることがこの上なく好きな食いしん坊ですので、いつも食材や料理全般にとても興味を持っています。
と言っても、もっぱら自己流の料理で、素材をそのまま味わう主義なのですが、でもどうすればこの食材が一番おいしくなるかしら?などと思いながら楽しく工夫し、結構凝った料理を作ったりすることもあります。
その場にある食材とその日の気分で適当に作っていますので、改めて厳密なレシピなど問われると答えられなくて困ることが多いです。
かき氷
この夏凝ったのはかき氷。
37℃を超えた猛暑の日、京都のお茶屋さんのカフェで濃い茶をたっぷりかけた宇治金時を頂いたのが、あまりにも美味しくて忘れられなくなり、自分でも作ってみたいと思ったのがきっかけでした。
調理器具や食器のお店を片っ端から探して歩き、ついに見つけたのがこのかき氷機です。氷の赤い文字と、青銅色の本体がレトロで、昔の氷屋さんを思い出しました。

鋳物のように重そうに見えますが、実はただのプラスチック製、とても軽くて扱いも簡単、安価でした。
でも、氷のキメを自在に調整できる優れものですし、どこにでも簡単に移動できるので本当に便利です。
時間のある時は丹波の小豆など買い込んで、コトコトと煮て粒あんを作り、忙しい時は缶詰のゆで小豆でも充分OK、そこに例のお茶屋さんを模して、抹茶をたて、恭しく上から注ぎます。人に供するときは、作る過程を披露することが美味しく召し上がっていただく必須条件です。

で、黒蜜を小瓶に入れて添えてみたり、街のカフェみたいにフルーツのトッピングをしてみたりその時の気分で色々楽しめます。
凝りに凝ってこの夏は毎日のようにカリカリカリカリと機械を回していました。ベランダなどに運んでパフォーマンスするとよりおいしそうで、しかもあっという間にできるので、冷たいものの苦手な人以外にはお勧めの夏の我が家デザートです。
お餅のピザ
「沸騰したお湯に入れると約5秒で柔らかくなる」というキャッチフレーズの「しゃぶしゃぶ餅」ってご存知ですか。
お餅も大好きなので、これにチーズをかけて焼いたら美味しいのではと思いながら、でもいっそのことピザ台に敷いてチーズと溶け合わせたらもっちり感があり、いけるのではと閃きました。
一大発明と思ったのですが、しゃぶしゃぶ餅のパッケージには「お鍋に」「ラーメンに」などの文字と並んで「ピザに」と既に書いてありました。
私が知らなかっただけなのですね。でもめげずに作ってみたら、なかなかなのです。お餅が入ると普通のピザより重量感を感じますが、実はヘルシーでランチには最適かもしれません。
ピザ台も、ピザソースもベースは出来合いのものを使いました。トマトピューレや生トマトのスライスなどで適当に味調整をすればかなり美味しくなります。

オープントースターで焼いて出来上がり。
私はベーシックなマルゲリータが一番好きなのですが、ベランダの鉢植えのバジルをパラパラと乗せて。
バジルがなければ、シソでも九条ネギでも山盛りでかけてください。和洋が融合してなかなか乙です。
玉ねぎのてんぷら
てんぷらの揚げ方を褒めて頂くことが何回かあったので、お客様の時には時々揚げ物を添えたりしています。

夏野菜は天ぷらに最適、特に新鮮な玉ねぎは甘くサクサクして本当に美味しいのでお勧めします。
初めはキッチンが脂っぽくなるので揚げ物は敬遠していたのですが、やっているうち普通になって今は全く気にならなくなりました。
夏はマイタケやシイタケ、エリンギなどきのこ類もおいしいですし、ナス、ハス、アスパラ、しそ、なども最高です。
荒塩を少しつける食べ方は今流行りの通人の流儀ですが、私は天つゆが素朴な野菜天ぷらには一番合う気がしています。これは各人の好みに合わせて。
「エビやほたてなどの魚介類を使わないところがお洒落です」と、食通の友人に褒められて以来、野菜だけを揚げることに決めました。
真夏のおでん
その友人宅に、この夏、旧友と共に招かれて、ランチをご馳走になりました(密を避けて、3人の会食です)。

供されたのは何とおでん。
真夏のおでん。
みんなでまずはふうふうと。
イイダコをほおばりながら「これが究極の贅沢」とのおもてなしの言。
すっかり納得した豊かな時間でした。


