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新しいシャンソンを新しい言葉に乗せて

   シャンソンの訳詞のつれづれに                      ~ 松峰綾音のオフィシャルブログへようこそ ~

『変わりゆくものへ』開催致します

 京都はまさに紅葉の真っ盛り、街の賑わいも昔に戻り始め、私の生活圏は既に多くの観光客で溢れています。
東福寺
 「今年の紅葉は今一つ・・・」と、何人もの方たちから伺いますが、これはこの数年、耳にする言葉。
 やはり微妙に気候変動が進んでいるのでしょうか。それにしても今年は冬の訪れが早いのか、降り積もる落葉が心なしか深く感じられます。
変わりゆくものへチラシ



 さて、来春4月に開催の「月の庭vol.11 『変わりゆくものへ』」のフライヤーが出来上がりましたので、今日はこれに添ってコンサートのご案内をさせて頂こうと思います。





   松峰綾音 月の庭 シャンソンと朗読のひととき vol.11
     『変わりゆくものへ』


   京都:京都文化博物館別館ホール 2023年4月2日(日)
     16:30開場  17:00開演  
   横浜:岩崎博物館 山手ゲーテ座ホール  2023年4月9日(日)
     13:30開場  14:00開演


   『山月記』         中島 敦 作  朗読 
   プレヴェールのシャンソン     S・ゲンズブール
   時と共に             レオ・フェレ
   もしも              J・J・ゴールドマン
   守り続けるために         松峰 綾音   
                               他

   <会場>
 両会場での公演は、昨年1月の『月光微韻』、今年3月の『ひだまりの猫たち』に次いで三回目となります。
皆様に大変好評でしたし、両ホールとも雰囲気のある大好きな場所ですので是非またと思い、日程の確保に全力を注いだのでした。
 全力を注ぐ・・・と言ってもエントリーして、ただ確定の日をじっと待っただけなのですが。
 共に、早くから希望日時を申し込んでも正式に決まるのは半年前で、この間にもっと強力なライバルが出現するとあえ無く撤退しなければならないのです。
 強力な・・・というのは、例えば府や県、あるいは市の公的な催し物が同一の日に入ってきた場合、更にはホールのメンテナンス関係の修繕点検と重なった場合など。実はこれまでの二回のコンサートいずれも、これに泣かされて、何度か変更を強いられてきました。
 ですので、粛々とコンサート準備を進めつつ、日程が決まらない状況を抱え込むのは、かなりなストレスにもなるのです。
 今回も例にもれず、京都の会場は二度日時を変更した上の決定なのでした。
 それに加えてコロナの状況もありますから、ステージ活動は何かと気のもめることも多いです。
 でも、その分、こうして今、日時が決定され、気持ちはかなり高揚して開催に向かっています。
 
 前回ご紹介した会場のご紹介ですが、もう一度改めて。
 京都は旧日本銀行京都支店、辰野金吾設計の重要文化財で、威風堂々とした趣の近代建築「京都文化博物館別館ホール」。
 横浜は「山手ゲーテ座ホール」、みなとの見える丘公園の一角にあるエキゾチックな雰囲気の建物で、フランス人建築家サルダ設計によって1885(明治18)年に建てられた日本最初の西洋式劇場ホールです。
 建物全体が醸し出す長い歴史に包まれた余韻のようなものがとても素敵で、ステージの世界を支えてくれる気がします。

   <テーマ>
  「変わりゆくもの」に対して、まずはできるだけ無色の状態で向き合えたらと思い、今回のフライヤーには、前回の『ひだまりの猫たち』より更に、地のままの写真を載せてしまいました。
変わりゆくものへチラシ裏

 フライヤーの裏面に記したコンサートテーマは次の通りです。

 流されてゆく焦流されてゆく焦燥と喪失、変わろうとする意志と再生
 変身のすべてはeirõneia=「運命のいたずら」の中に委ねられているのかもしれません


 変身・変化(へんげ)は自分自身の意思によって成し遂げられるものではありますが、実はもっと大きな力に委ねられているとも言えるのではないでしょうか。
 そんな意味合いで上記の言葉をフラーヤーに記してみました。

 コロナ・自然災害・戦争、予期せぬ悲惨な出来事で世界が一変してゆく時代、普遍なものを見出し難い状況の前に揺れ、佇んで、「変わりゆくもの」「変わりゆくこと」の意味と対峙してみる、問いかけてみる・・・・そのことを今回のコンサートのメインテーマにしたいと考えました。

 そして、中島敦の『山月記』を今回、朗読したいと思います。
 昭和17年、戦争のさなかに執筆された小説、戦火が迫り風雲急を告げるときそれでも小説家として作品を生み出し続けたいとの想いを捨てきれなかった中島敦が万感の思いを込めて記した遺作でもあります。
 古い中国の怪奇小説に題材を執り換骨奪胎して生み出された作品、詩人として名を成そうとする主人公の、その野心の強さと自己撞着のゆえに、ついには虎に身を変えられてしまった悲劇の物語です。
 この作品を主軸として、今回新たに訳したシャンソンも何曲かご紹介してゆきたいと思っています。

 もう一つお知らせを。
 フライヤーに記しました「守り続けるために」という作品は初めてのオリジナル曲となります。
 改めてまたご紹介致しますが、これも是非お聴き頂きたい曲ですので、お楽しみになさってくださいね。

 
  チケット(自由席¥4000-)の予約・お問い合わせは
  WEB松峰綾音のコンタクトからお願い致します。

 鬼が笑う来年の予定、でもどうぞ皆様今から!
 お誘い合わせの上、是非お越しくださいますように。

     
 

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