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新しいシャンソンを新しい言葉に乗せて

   シャンソンの訳詞のつれづれに                      ~ 松峰綾音のオフィシャルブログへようこそ ~

春うらら 桜素描

 名残りの花吹雪が足元を埋め尽くしていますが、やはり桜の季節は格別ですね。

   桜咲く頃に
桜の便り 
今年の桜。
 こんな素敵な写真に「来年、桜が咲く頃、お会いしましょう」と一言添えられた言葉。
 遠方で滅多に会えない友人からの花便りは格別。温かい思いがこみ上げてきました。

   「をみなごに花びらながれ」
 数年前に「をみなごに花びらながれ」というタイトルでコンサートを開催したことがあります。
 この時の朗読は、坂口安吾の『桜の森の満開の下』 
をみなごに花びらながれちらし そして
 「桜の樹の下には屍体が埋まつてゐる! これは信じていいことなんだよ。なぜつて、桜の花があんなにも見事に咲くなんて信じられないことじゃないか。」 
 この文章から始まる、梶井基次郎の『桜の樹の下には』
 桜の季節になると、この二編の小説を思い出します。
 二作とも、中学生の頃初めて読んだのですが、その時の印象が強烈過ぎで、今でも、満開の桜の下に本当に死体が埋まっていたり、鬼が襲いかかってくるような気がして、どこか怖しく、まして夜桜見物などはドキドキしてくるのであまり得意ではありません。
 そんな凄みのある桜の風情ですが、時を経る毎に、より強く心に刻まれてきて、いつかまた「をみなごに花びらながれ」を再演できたらと思ったりしています。

   春かんざし
 「祇園四条」駅から徒歩5分、「かぎ甚」という小さな和菓子屋さんがあります。
 私はここの「うば玉」というお菓子が大好きなのですが、沖縄の黒糖の風味が際立っていて、独特のコクがあるのです。
 このお店で先日季節限定の「春かんざし」という名前のお団子を買い求めました。祇園に住んでいる友人に聞いていたのですが、見つけた時はあっこれだ!とちょっと感激でした。
春かんざし よもぎの緑、ゆりねの白、黒糖あんの黒をこんな串で刺してあります。
 かんざしの玉にみたてた赤い飾りがいかにも舞妓さんの可憐なかんざしのようでさすが祇園の和菓子屋さん!
 柔和な表情の店主のおじいちゃまに、このお団子はいつまで扱っているのですかとお尋ねすると、「いつも桜が散ると、終いにしてます」というお返事。
 しかも、一日に少しだけしか作らないらしく、すぐ売り切れてしまうようです。季節と共に和菓子を作る時計はゆったりと動いているのでしょうか。
 何とも素敵な言葉だと。
 「春かんざし」はまた来年のお楽しみですね。

   都をどり
 ふとしたご縁で知り合った芸妓さんの影響で、この数年、欠かさず都をどりを観劇しています。都をどりは今年も祇園甲部歌舞練場で4月1日~30日の一か月間、一日三回公演されています。
    歌舞練場
 オーバーツーリズムはまさに地元にとっての大問題!と頷けるほどに歌舞練場への道は外国人の旅行者で大渋滞です。
 歌舞練場に続く花見小路を入ると、都をどりのポスターがあちこちに貼られ、提灯が軒先に吊るされて、都をどり一色に彩られています。
花見小路2 花見小路3
 ちなみに、京都は五花街(上七軒、祇園東、祇園甲部、先斗町、宮川町)によって提灯の模様が異なるそうで、祇園甲部のこの意匠はつなぎ団子と称され、今も花街の艶やかさを演出しています。

 都をどり、今年は明治5年創始から数えて150回目を迎える記念の年、大河ドラマの「光る君へ」と連動するかのように、『源氏物語舞扇』と銘打った演目でとても華やかに行われました。夕顔 葵上 須磨明石・・・源氏物語から印象的な場面をいくつか切り取って構成されています。
都をどり上手 舞台の上手では黒紋付姿の芸妓さんたちが「都をどりは」という呼び出しの声をきっかけにして三味線・唄を華やかに奏でます。
都をどり下手 下手では総をどり姿の初々しい表情の舞妓さんたちが笛や太鼓などの鳴り物を奏でます。(上演中の写真撮影は禁止されています。この写真は甲部歌舞練場のWEB写真から抜粋させて頂きました)
 さて、ここでちょっと自慢話です。
 今回の出し物のメインとも言える「第五景 須磨 明石」
 この中で登場する光源氏が何と言っても今回の都をどり全幕の主人公で、トップスターとも言える存在ではと思うのですが、私の知り合いの芸妓さんは何と光源氏を務めているのです。
 ステージの真ん中で、光の君が乗り移ったかのように流麗に舞い演じていてうっとりと目を奪われました。
 ステージに立つに至るまでの大変な精進をもれ聞いていますので、まるで身内が頑張っているような誇らしい気分で拍手喝采でした。
 うら若き舞妓さんたちの一生懸命さも清々しいですし、伝統文化の継承を応援する意味でも、4月30日までまだ間に合いますので、是非一度いらしてみてください。

   鎮花祭
 先日テレビで、奈良の大神(おおみわ)神社で行われた「鎮花祭」の様子を放映していました。
 春の花びらが散る時に疫神が分散して流行病を起こすために、これを収めるための神事が大神神社と狭井(さい)神社で行われてきたという事です。
 この祭儀は既に『大宝律令』(701年)に、国家の祭祀として行うことが定められていたとあります。
 疫病除けの祭典として二千年もの間、脈々と引き継がれ今に至ることに驚きを覚えます。
鎮花祭 現在も、薬草の忍冬(すいかずら)と百合根が供えられ、祭典には奈良・大阪・京都を始め全国の製薬業者や医療関係者が多数参列すると報じていました。
 先ほどご紹介した「桜の樹の下」ではありませんが、古来より春、花が散る季節にはこれから暖かくなり、食中毒などの疫神が忍び寄ると考えられてきたのですね。
鬼にとりつかれてはいけませんので、花びらの舞う季節にはくれぐれもご用心ください。

   ゲーテ座 葉桜と花々
 一週間ほど前、横浜山手ゲーテ座に打ち合わせに行ってきました。
 6月の「そして 風に訊いた」コンサートの準備もいよいよ大詰めです。
春のゲーテ座 今回も面白い充実した内容になりそうですので、是非ご期待ください。
京都、横浜両会場のチケットのお申し込みも現在受け付け中です。
 席数のこともありますので、皆様、どうぞお早めにお申し込み下さい。
 ゲーテ座ホールの玄関へのアプローチに植えられている桜は、少しだけ花を残して葉桜へと変わっていました。
そして近接する公園には咲き乱れる春の花々が。
 この日、打ち合わせに同行した友人がこんな楽しい写真を送ってくれました。

そして、もうすぐ5月。
薫風に吹かれ、颯爽と快い季節を堪能したいですね。


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