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新しいシャンソンを新しい言葉に乗せて

   シャンソンの訳詞のつれづれに                      ~ 松峰綾音のオフィシャルブログへようこそ ~

* 「君と旅立とう」 その一 訳詞への思い 3

エッフェル塔 原曲は「con te partirò(コン・テ・パルティロ)」。
 「Time to say goodbye」のタイトルのほうが、よく知られているかもしれませんね。
 イタリア語で歌われている曲なので、言葉の微妙なニュアンスを掴むのが少し大変でしたが、イタリア語堪能な友人に随分助けてもらいました。
 訳詞を作ったのは2006年、もう5年前になりますが、創作メモを辿りつつ、今回はこの曲をご紹介してみようと思います。

     「君と旅立とう ~ con te partirò ~ 」 その一
                            訳詞への思い<3>


Time to say goodbye
サラ・ブライトマンCD  1996年に発表されたサラ・ブライトマンの世界的ベストヒット「Time to say goodbye」である。1200万枚を売り上げ、彼女のCDアルバムタイトルにもなっている。
 「君と旅立とう」というタイトルで、この曲を訳したのは、もう5年前のことになるが、その後も、国内外の様々なアーティストが取り上げ歌っているし、今や、すっかり耳慣れたスタンダードナンバーになっている。


 この曲の訳詞をしてみようと思った時のことをなぜかとても鮮明に覚えているのだけれど。
 ・・・所用の帰り、初冬の或る日、銀座の山野楽器に立ち寄った事があった。
 ちょうど、DVDとCD同時発売の彼女のアルバム「輝けるディーヴァ」のキャンペーンを店頭で大々的にやっていて、その時、繰り返し流れていたのが、この「Time to say goodbye」だった。
 勿論以前から良く知っていた曲だが、この日は木枯らしが吹いてとても寒い夕暮れで、・・という、はまり込む条件が揃っていたせいか、やけに心に沁みてきて、立ち止まって何度も聴き入ってしまった。ずっとメロディーが離れずにしばらく口ずさみ続けて、ヒット曲とは、かくあるべきかと妙に納得したものだ。・・・この日購入したアルバムを今でも時々聴いている。

 このアルバムのキャッチフレーズは<世界でいちばん美しい歌がある>なのだが、耳を傾けていると、まさにこの曲こそ「世界でいちばん美しい曲なのだ」とすっかりその気にさせられてしまうのが不思議だった。

 クラッシック界でも人気が高いのだろう。
 多くの歌手たちが、クラシカル・クロスオーバーと称したりして、ちょっと肩の力を抜いて楽しみましょう・・・という感じでこの曲を好んでそれぞれのアルバムに加えているようだ。
 初めは、おっ!と思って次々とコレクションし聴き比べてみたが、際限なくなりそうで、途中でほどほどにしようと方針を変えた。


   Con te partirò
アンドレア・ボッチェリCD しかしこの曲の本家本元は「Con te partirò」。・・・・コン・テ・パルティロが原題である。
 「あなたと一緒に出発しよう」という意味だ。

 イタリアを代表するテノール歌手のアンドレア・ボッチェリが、1995年にサンレモ音楽祭で初めて歌い、4位を獲得した曲であり、オペラティック・ポップ楽曲などとも呼ばれているようだ。
 彼はパヴァロッティに見出された盲目のオペラ歌手であり、後に「because we believe」(2006年トリノオリンピックの閉会式)や「オペラ座の怪人」(2007年ダイアナ妃追悼コンサート)を歌うなどクラッシックの枠を超えた幅広い活動を行っている。何回か来日しているので、生の彼の歌声を聴かれた方もあるのではと思う。


  両者の比較
 先ほどのクラッシック・クロスオーバーの歌手達だが、「Con te partirò」派と「Time to say goodbye」派に大きく二分されるようだ。

 正統派クラッシックの色合いを濃く出すもの程、そのタイトルは「Con te partirò」になる確率が大きく、・・・・(コレクションした結果の独断であるが、たぶん?!)・・・、つまり原曲尊重の色合いが濃くなってくるわけで、歌い手が日本人であったとしても、この場合は、ほぼ100パーセントに近く原語のイタリア語で歌われている。 ボッチェリ派である。
 邦名で表すなら、さながら「君と旅立とう」とか「旅立ちの時」などとなるのだろう。

 一方、「Time to say goodbye」のほうは、サラ派というわけで、この場合のタイトル名は勿論、「Time to say goodbye」である。或いは少し読みやすく「タイム・トゥ・セイ・グッバイ」と表記されることもある。 
 こちらは、日本語詞もいくつか作られていて、原語でなく、日本語で歌われることも多い。 

 私が知る限りの日本語詞の中では、松本隆氏の「タイム・トゥ・セイ・グッバイ~さよならの時刻(とき)~」というタイトルの曲がよく知られているのではと思う。
 ソロで歌われるのは勿論だが、女声三部合唱にもアレンジされていて、合唱で耳にするのは、まずこの松本氏の歌詞であるようだ。
 
  さよならの時が来たら 私は涙より悲しい笑顔を見せる

 というリフレインで締めくくられているのだが、この詩のイメージが強いためか、一部の中高生はこの曲を<卒業、あるいは卒業式の歌>と信じ込んでいる気配がみられる。
 「Time to say goodbye」について書いているブログを読んでいて、たまたまみつけたのだが、「何度聴いても泣けてくる感動的な歌です。別れはいつも悲しいけれど、それでもみんなとの美しい思い出を大事にしていきたいです。」などという純真なコメントまで見られ、なんとも興味深かった。
 しかし中には、なかなか耳の肥えた鋭い子もいて、「こんなに悲しい別れを歌っているのに曲は力強くて明るく、メロディーがきれい。あまり悲しい気がしてこないのはなぜなんでしょうか?」といみじくも記されてあり、う~ん、出来る子はやはりいる。


    では、そろそろ謎解きを。
    そもそも「Con te partirò」と「Time to say goodbye」はどこが違うかというと。


  
  ・・・・・いつものことですが、長くなりましたので、今日はここまでで。
 思わせぶりに終わってしまいますが、次回もまたお読みになってくださいね。

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