
月見えぬ夜の楽しき宴
先日の日曜日は、正伝寺での恒例の十三夜の会でした。(正伝寺でのお月見の会については以前の記事でご紹介しましたので、こちらもご参照ください。→ 「観月の宴 ~正伝寺の十三夜~」)
今年もお招きを頂いて、伺おうと思っていた矢先、台風の到来予報で逡巡していたのですが、主催者のYさんから、「明日雨の様ですが、お月見実行します。雨のお月見楽しみましょう。風流ですよ。」とのメールを頂きました。
あるがままを自然に受け止めて、動じない、そしてその中で、全てを慈しんで楽しむことのできるYさんの柔和な笑顔が、短い文章からも伝わってきて、引き寄せられるように正伝寺に向かったのでした。
18号の直撃を受けるのではと懸念され、午後も激しい雨が降っていましたが、夕刻には降り止んで、正伝寺は静寂の中にありました。
雨に洗われた参道。

秋草がそっと咲く寺社の庭。
早く着いたので、まだ境内はがらんとしています。

静かな縁先の枯山水の庭園に、借景となる比叡の山が水墨画のように薄墨色で稜線を描いています。
低い雲に覆われた空の奥には、うっすらとした光すら感じられて・・・、これなら今にも月が姿を現しそうです。

宴席は、例年通りに、本堂の長い縁側に、テーブルを合わせてしつらえてあります。
お弁当、飲み物など並べているうちに、やがて、三々五々皆様が集まり、25名の参加申し込みに対して、1名の病欠があっただけという優秀な出席率で、これもひとえにYさんの人徳に寄るところなのでしょう。
一年に一度集う、月を見るための仲間。
盃を酌み交わしながら秋の冷気に包まれて、月が上ってくるのを無心に待つ仲間。
それでも顔を合せていると不思議な懐かしさを感じる仲間。
一期一会の人の世の、束の間共有する優しい時間が流れて行きます。
年齢も職業も・・・・建築、まちづくり、美術、音楽、様々な関係の方々がいらっしゃって、この1年間のできごとを混じえた自己紹介も、それぞれがご自分の世界を楽しげにお話されて、言葉の中にその方がこれまで培っていらした時間の重みが感じられます。
私も自己紹介を。
「では一曲是非ご披露を」との皆様のお声に、あまり固辞するのも折角の宴の中で、という気もして、アカペラで、『街』を歌ったのでした。
今度の『街の素描』コンサートでも取り上げることになっている曲なのです。
でも、お寺の縁側で、暗い夜空に向かって歌った『街』は、これまでとはまた違った格別な感慨がありました。
自分の歌う声が、しみじみと夜気に溶け込んでゆく気がして、声が遠いところに響き渡ってゆくようなちょっと不思議な哀切感とでも言うのでしょうか。
今度のコンサートのステージで、きっとこの『街』を思い出すような気がします。
そして、これも恒例の歌会。
それぞれが一首を詠み、その歌を読み手が名前を伏せたまま次々に披露してゆくという趣向です。
荒れ狂う 火山の猛威 逝(ゆ)きし人を 悼(いた)みて 今宵 雨空眺む
拙歌で恥ずかしいですが、不思議なくらい静まった濃紫色の空を眺めていたら、自然にこんな言葉が浮かんできました。
ついに、月は出てこなかった夜、でも、コンサートで忙殺されていた日々の中で、夢のように心穏やかなひとときとなりました。
昨日今日は、台風一過の秋空ですね。
でもまた、今週末は、19号が。
災害に見舞われ、心痛むことの多い今年ですが、再び大きな被害など出ないようにと、祈るばかりです。
そして18日、コンサート本番は10日後と迫ってきましたが、穏やかで過ごしやすい一日であって欲しいと心から願います。
「雨もまた良し。あるがままを味わう。」という境地からは、甚だ偏狭な願いかも知れませんが、でも、今から、てるてる坊主を作ってしまいそうです。
京都公演も始動しています
まずは今、目前にある内幸町ホールでのコンサートに全力を注ぎ、集中してゆく時期になっています。
そのような中、京都公演のフライヤーが出来上がってきました。

12月13日(土) 14時30分開場 15時開演です。
ピアノは坂下文野さん。そして、ヴォーカルの石川歩さんも共演して下さることになりました。
フライヤーは、コンサートイメージにこだわって、東京と同様のワンピース姿の写真で。少し夏っぽいですけれど。
コンサートツアーといっても、演奏者も編成も異なりますので、これからアレンジやステージの構成を検討し直すことになります。
東京公演が終わったら、本格的にスタートです。
今日、健康チェックをしに、クリニックに行ってきました。
お世話になっているF先生、笑顔がチャーミングな素敵な女医先生で、温かいお人柄の、とても信頼できる方なのです。
いつもコンサートにいらして下さり、「楽しみにしています。これからもずっと続けてね。」との温かいお言葉、今回も、チケットの一枚目をF先生にお渡しして、京都公演の準備が幕開けとなりました。
京都公演の詳細については、また改めてお知らせしたいと思っています。
先日の日曜日は、正伝寺での恒例の十三夜の会でした。(正伝寺でのお月見の会については以前の記事でご紹介しましたので、こちらもご参照ください。→ 「観月の宴 ~正伝寺の十三夜~」)
今年もお招きを頂いて、伺おうと思っていた矢先、台風の到来予報で逡巡していたのですが、主催者のYさんから、「明日雨の様ですが、お月見実行します。雨のお月見楽しみましょう。風流ですよ。」とのメールを頂きました。
あるがままを自然に受け止めて、動じない、そしてその中で、全てを慈しんで楽しむことのできるYさんの柔和な笑顔が、短い文章からも伝わってきて、引き寄せられるように正伝寺に向かったのでした。
18号の直撃を受けるのではと懸念され、午後も激しい雨が降っていましたが、夕刻には降り止んで、正伝寺は静寂の中にありました。
雨に洗われた参道。


秋草がそっと咲く寺社の庭。
早く着いたので、まだ境内はがらんとしています。

静かな縁先の枯山水の庭園に、借景となる比叡の山が水墨画のように薄墨色で稜線を描いています。
低い雲に覆われた空の奥には、うっすらとした光すら感じられて・・・、これなら今にも月が姿を現しそうです。

宴席は、例年通りに、本堂の長い縁側に、テーブルを合わせてしつらえてあります。
お弁当、飲み物など並べているうちに、やがて、三々五々皆様が集まり、25名の参加申し込みに対して、1名の病欠があっただけという優秀な出席率で、これもひとえにYさんの人徳に寄るところなのでしょう。
一年に一度集う、月を見るための仲間。
盃を酌み交わしながら秋の冷気に包まれて、月が上ってくるのを無心に待つ仲間。
それでも顔を合せていると不思議な懐かしさを感じる仲間。
一期一会の人の世の、束の間共有する優しい時間が流れて行きます。
年齢も職業も・・・・建築、まちづくり、美術、音楽、様々な関係の方々がいらっしゃって、この1年間のできごとを混じえた自己紹介も、それぞれがご自分の世界を楽しげにお話されて、言葉の中にその方がこれまで培っていらした時間の重みが感じられます。
私も自己紹介を。
「では一曲是非ご披露を」との皆様のお声に、あまり固辞するのも折角の宴の中で、という気もして、アカペラで、『街』を歌ったのでした。
今度の『街の素描』コンサートでも取り上げることになっている曲なのです。
でも、お寺の縁側で、暗い夜空に向かって歌った『街』は、これまでとはまた違った格別な感慨がありました。
自分の歌う声が、しみじみと夜気に溶け込んでゆく気がして、声が遠いところに響き渡ってゆくようなちょっと不思議な哀切感とでも言うのでしょうか。
今度のコンサートのステージで、きっとこの『街』を思い出すような気がします。
そして、これも恒例の歌会。
それぞれが一首を詠み、その歌を読み手が名前を伏せたまま次々に披露してゆくという趣向です。
荒れ狂う 火山の猛威 逝(ゆ)きし人を 悼(いた)みて 今宵 雨空眺む
拙歌で恥ずかしいですが、不思議なくらい静まった濃紫色の空を眺めていたら、自然にこんな言葉が浮かんできました。
ついに、月は出てこなかった夜、でも、コンサートで忙殺されていた日々の中で、夢のように心穏やかなひとときとなりました。
昨日今日は、台風一過の秋空ですね。
でもまた、今週末は、19号が。
災害に見舞われ、心痛むことの多い今年ですが、再び大きな被害など出ないようにと、祈るばかりです。
そして18日、コンサート本番は10日後と迫ってきましたが、穏やかで過ごしやすい一日であって欲しいと心から願います。
「雨もまた良し。あるがままを味わう。」という境地からは、甚だ偏狭な願いかも知れませんが、でも、今から、てるてる坊主を作ってしまいそうです。
京都公演も始動しています
まずは今、目前にある内幸町ホールでのコンサートに全力を注ぎ、集中してゆく時期になっています。
そのような中、京都公演のフライヤーが出来上がってきました。

12月13日(土) 14時30分開場 15時開演です。
ピアノは坂下文野さん。そして、ヴォーカルの石川歩さんも共演して下さることになりました。
フライヤーは、コンサートイメージにこだわって、東京と同様のワンピース姿の写真で。少し夏っぽいですけれど。
コンサートツアーといっても、演奏者も編成も異なりますので、これからアレンジやステージの構成を検討し直すことになります。
東京公演が終わったら、本格的にスタートです。
今日、健康チェックをしに、クリニックに行ってきました。
お世話になっているF先生、笑顔がチャーミングな素敵な女医先生で、温かいお人柄の、とても信頼できる方なのです。
いつもコンサートにいらして下さり、「楽しみにしています。これからもずっと続けてね。」との温かいお言葉、今回も、チケットの一枚目をF先生にお渡しして、京都公演の準備が幕開けとなりました。
京都公演の詳細については、また改めてお知らせしたいと思っています。


