新しいシャンソンを新しい言葉に乗せて

   シャンソンの訳詞のつれづれに                      ~ 松峰綾音のオフィシャルブログへようこそ ~

『街の素描』京都公演のご報告

 京都『巴里野郎』でのコンサートが終わって一週間が経ちました。
 コンサート当日の麗らかな陽射しが夢であったかのように、週明けと同時にお天気は急速に崩れ、寒波到来、冷たい雨や雪が降り、厳しい底冷えの毎日となりました。
 豪雪による深刻な被害も各地で報じられていますが、皆様のところはご無事だったでしょうか?風雪のお見舞いを謹んで申し上げます。
花々の中で
 年明けから準備を重ねてきました『街の素描』コンサートですが、全て終了した今、この一週間は、充足感と脱力感とでどこか夢見心地で過ごしていました。ようやく心身が、平常の時間の中に戻ってきた気がします。
頂いたお花が、まだ美しく我が家のリビングに華やかな名残りを咲かせています。
 
 いつも撮影をして下さる沢木さんは、今回ご都合が悪く、では代わりにと、お客様のSさんがカメラマンを引き受けて下さいました。
Sさんから届いた素敵な写真をご紹介しながら、いつものようにフォト・レポート、京都公演を綴ってみたいと思います。
   
   シャンソニエの佇まい ~開演を待つひと時~
 巴里野郎のある建物
 『巴里野郎』はこの建物の2階にあります。
 蜂蜜色の外壁に、フランス国旗のロゴと巴里野郎の文字が書かれた看板が高く掲げられています。(少し電線に隠れてしまっていますが)

 空は、深い紺碧の冬色。
 きりっと身が引き締まるような澄んだ空気と眩しい光に照らされて、会場に入ります。

 階段を昇り、いつものステンドグラスの扉を開けると、受付横に、煉瓦が貼られた壁。幾星霜を経た風格を漂わせています。
 よく見ると、一つ一つの煉瓦にフランス語でメッセージとサインが書かれていて、それが天井にまで続いています。
 嘗て、この店を訪れた沢山のミュージシャンや内外からのお客様の思い出が一つ一つに刻まれているのでしょう。
 レンガの壁のサイン  レンガの壁と写真
 モンマルトルにある老舗のシャンソニエ「ラパン・アジル」に感銘を受けて、初代のオーナーがこの『巴里野郎』を作ったと聞いていますが、壁に掛かった「ラパン・アジル」の写真は、オーナーが代わってもその歴史を語っています。 
お手製のマドレーヌと
 ピアニストの坂下文野さん、友情出演の石川歩さんとリハーサルを入念に行い、本番への気持ちを高めて行きます。

 開場を待つ客席。
 リハーサルの間に、テーブルが整えられていきます。
 友人のMさんが今回も作って下さったマドレーヌが、テーブルに並べられています。彼女のマドレーヌはとても美味しくて、今や松峰綾音訳詞コンサートには欠かせないと、ファンが急増しているのです。
   
リハーサルは順調に進んでゆきました。
      
   コンサート本番
 やがて開場の14時30分となり、あっという間に客席は一杯になりました。
開演前の客席
 内幸町ホールでは、ホール内に開演まで落ち着いた不思議な静寂が流れていましたが、こちらはワインなども早速飲んでいらっしゃることもあってか、とても賑やかでアットホームな客席で、コンサートへの期待感や高揚感が既に高まっていた気がします。
 
 一部の幕開け。
黒のベルべットにロイヤルブルーの薔薇の花のドレスでスタートしました。
 二部の衣装
 そして二部はゴールドのレースのドレスで歌ってみました。

 『街の素描』コンサートツアーですので、選曲、ステージ構成等、東京と同一の内容です。
 でも、異なる場所、お客様、出演メンバー、・・・当然ですが、ステージには全く別の世界が表出され、一つの音楽、曲が全く違うものに変幻してゆくことを改めて体感した気がします。
 歌は、歌っている本人にすら、歌ってみないとわからない手探りのもの、可能性に満ちたものなのだと思います。
 ステージはどんなに綿密に計画しても、計算しきれない不可思議な部分があって、それこそが、怖いけれど、挑戦していく醍醐味なのかもしれないと思い知らされます。 
写真に語り掛けながら
 今回はプロジェクターで曲名や文章を写し出すことはできませんでしたから、その分、朗読の演出を加えたり、色々な工夫もしてみました。
 客席の微かな動きやささやきまで聴こえてくる距離感、それはお客様にとっても同じことで、私の歌う息づかいや、感情の微妙な起伏や表現の全てを鮮烈に受け止めて下さるのだろうと思います。
 全てが影響し合い、相乗効果が生れて、客席とステージで一種の陶酔感を共有してゆくのかもしれません。
 一曲ずつに笑いや歓声や感動など、生の情感をとても率直に表して下さって、歌を媒体として対話しているような感情の流れに、いつの間にか私自身も乗っていた気がします。
客席との一体感
 東京のコンサートと同じような内容の説明や談笑などを歌の合間に織り交ぜたのですが、ホールの舞台上とは違って、一言一言に深く頷いて下さったり、拍手や笑いや、相槌(あいづち)を打って下さる様子なども見えたり聴こえたりして、ついこちらも調子に乗って、説明が詳しくなったり、尾ひれが付いたりの楽しい時間でした。

 そして、ピアニスト坂下さんの強力なサポートに心から感謝しています。
 歌う側の情感を最大限尊重して下さりながら、しっかりと曲想を捉えて、或る時は柔らかい優しい音色で、或る時は力強いダイナミックな演奏で質の高い音楽の流れを作って下さいます。 
石川さんとのデュエット
 そして飄逸味のあるトークとお人柄に、人を惹きつけてやまない魅力があるのも凄いなって思います。

 石川さんとのデュエットと彼女のバックコーラスも大好評でした。
 透き通る美しい歌声に「天使が降りてきたみたい」と、称賛する声がたくさん寄せられました。
 インタビューのお話にも彼女の誠実さが現れて、誰からも好感をもたれる人柄で、我が自慢の教え子、とても素敵な女性です。

 そしてコンサートの二時間は瞬く間に過ぎて、お客様のお見送り。
お洒落な装い
 ちょっとピントがぼやけてしまいましたが、お着物をお召しになった女性、帯にピアノとドラムスとベースが図案化されているのですね。
 いつも音楽に関わりのある装いをして下さる、素敵なお心尽くしにとても感激します。

 京都のお客様は、お着物をお召しの方が何人もいらっしゃいます。
 古都ならではの優雅な佇まいに心魅かれます。

 頂いたプレゼントです。
イヤープレートならぬ、イヤーハンカチがあるのを初めて知りました。 
イヤーハンカチーフ
 図柄をタオル地に織り込んだfeilerのハンカチです。
 「2015」「one new step」 とあります。
 <2015年、新たな一歩を!>という意味なのですね。

 いつも応援して下さり今回もNO.1のチケットでご来場下さったF先生から、「このドレス姿、一目見てこれぞ貴女のイメージだと思ったの。来年も頑張ってね!」という優しいお言葉と共に。

 説明書きの中にこんな一文がありました。
   たとえ心が揺らいでいると感じた時でも、
  朝は光に照らされ、夜は月や星に見守られている。
   本や音楽の中に無数の言葉やメロディがあり、
  あこがれの国を旅した思い出があり、喜びもある。
  そして、近くから遠くから気遣ってくれる人たちがいる。

  (2015年 One New Step より一部抜粋)

 有難うございます。2015年のお守り、大切に飾らせて頂いています。

 訳詞コンサートvol.8『街の素描』、東京と京都のすべてを無事終えることができました。
 今まで様々な形で支えて下さった沢山の皆様に心から感謝申し上げます。



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