
お待たせしました。
前回の記事「七月の点描(二)心に残る小さな言葉」の続きです。
この日、原宿で、仕事の打ち合わせを終え、夜は東京新聞が主催する「川崎工場夜景 探検クルーズ」に参加することにしました。
これまで、国内外を問わず観光ツアーを利用することの殆どなかった私ですが、先日「東京駅丸の内駅舎ツアー」に参加し、丁寧な解説がつくのは結構良いかも・・・と認識を新たにしたのでした。
今回も、Mさんと一緒、彼女は良き話し相手、そして食べ友達で、東京で少し時間があるとどちらからともなく誘い合うのですが、こういう段取りなどもあっという間にこなしてくれる頼もしい友人です。
いつも遊び歩いているように思われるかもしれませんが、そんなことは決してなく、私も彼女も<多忙な仕事の僅かな隙間をフットワークよく満喫している>と思っていただけたら幸甚です。
「川崎工場夜景 探検クルーズ」
東京湾クルーズとか、江戸情緒を味わう屋形船とか、「船上」が今人気ですが、川崎工業地帯のイルミネーションを運河から眺めるというツアーはまさにトレンディー、人気沸騰中で、いろいろな旅行社から様々な企画が出されています。
ちなみに、今回、私たちが参加したツアーのキャッチフレーズは、
今、話題の工場夜景クルーズ!
複雑な構造美にメタリックな輝きが神々しい壮麗な景色
・・・運河から眺める工場夜景がまさに絶景!
小型船ならではの運行コースで、幻想的な景色をたっぷりとご堪能ください。
とありました。
私のイメージでは川崎工業地帯といえば、嘗て、社会科の教科書に出てきたモクモクと工場から煙が立ち上る写真そのもので、戦後日本の高度成長経済を支えた原動力、それと引き換えに大気汚染を引き起こした危険ゾーン・・・だったのですが、<複雑な構造美にメタリックな輝きが神々しい>とは、これいかに!
人気スポットであること自体に、隔世の感ありです。
そんな半信半疑の中で、ともかくも百聞は一見に如かず。
天王洲アイルの天王洲ヤマツピア桟橋から18時30分出航の交通船で2時間半のツアーです。

交通船というのは、豪華クルーズとか屋形船とかではなく、屋根のないボートみたいなシンプルな作りで、<人員輸送船として作られた船舶で、港湾内のような近距離での運航を主体としていて、湾内でよく見かける、タイヤをぶらさげた武骨で堅牢な小型船>という説明がありました。
「雨天決行」とパンフレットには書いてありましたが、屋根のない舟で長時間、本当に雨の日でも運行するのでしょうか。心配になってしまいます。
川崎工場夜景 Photoレポート
何しろ揺れる船の中から、残照と、工場のイルミネーションの撮影、素人写真なので限りがあるのですが、雰囲気を少しでもお伝えできればと思います。
京浜運河から多摩川、大師運河、千鳥運河、塩浜運河などを通り、やがて黄昏時、川崎工場の夜景に辿り着き、帰路は逆ルートで戻るというコースです。
この日は、満席で天王洲ヤマツピア桟橋を出航しました。
意外にスピードが速く、川風が肌に心地よく吹き抜けてゆきます。
蒸し暑さを冷ますような船上の夕暮れ時です。
京浜運河を南下してゆく船のすぐ近くを、モノレールが行き過ぎます。
このアングルからの眺めは新鮮ですね。
屋形船とすれ違いました。なかなか豪華なしつらえです。

振り返ると、多摩川に日が傾いてゆきます。オレンジ色に染まる波頭が初夏の色をしています。
対岸はまだ陽が明るく射しています。
花が幾重にも重なったような大きな看板は大田市場です。

再び振り返ると、最後の残照がひときわ色濃く空と水面を染めています。
ぽつんと残っている赤い鳥居はかの有名な<羽田空港呪いの鳥居>。
かつて、羽田空港の旧ターミナルの駐車場にポツンと建っていた赤い鳥居。
邪魔なので幾度となく移転が計画されたのですが、その度に移設工事関係者が事故に見舞われるなどして、作業は中止され今に至るという都市伝説を、船のガイドさんが熱心に語ってくれました。

多摩川の河口を横断し、やがて遠くに工場地帯が見えてきました。
煙突から白煙がたなびき、フレアと呼ばれる不燃焼ガスを再燃させる火が大きく上がっています。

入り組んだパイプを身に纏うように林立する建物、これが<複雑な構造美>なのだと、少し納得しました。
標識灯としてくっきりと浮かび上がる<K>の文字は<川崎>の頭文字なのだそうです。

「ここが写真スポットです」とガイドさんのお勧めの東亜石油工場付近の夜景です。
なるほど圧巻です。

誰もいない水辺に灯りを映しながら燃え続けている工場の夜景。
複雑な配管に絡まれたコンビナートが不思議な輝きを放って夜に浮き出ている情景は、何か幻想的な未来都市のようで、じっと見つめていると幻惑されるような思いがしました。
夏の夜、涼を求めてこんな夜風に吹かれるのも一興かと。
お勧めしたいと思います。
前回の記事「七月の点描(二)心に残る小さな言葉」の続きです。
この日、原宿で、仕事の打ち合わせを終え、夜は東京新聞が主催する「川崎工場夜景 探検クルーズ」に参加することにしました。
これまで、国内外を問わず観光ツアーを利用することの殆どなかった私ですが、先日「東京駅丸の内駅舎ツアー」に参加し、丁寧な解説がつくのは結構良いかも・・・と認識を新たにしたのでした。
今回も、Mさんと一緒、彼女は良き話し相手、そして食べ友達で、東京で少し時間があるとどちらからともなく誘い合うのですが、こういう段取りなどもあっという間にこなしてくれる頼もしい友人です。
いつも遊び歩いているように思われるかもしれませんが、そんなことは決してなく、私も彼女も<多忙な仕事の僅かな隙間をフットワークよく満喫している>と思っていただけたら幸甚です。
「川崎工場夜景 探検クルーズ」
東京湾クルーズとか、江戸情緒を味わう屋形船とか、「船上」が今人気ですが、川崎工業地帯のイルミネーションを運河から眺めるというツアーはまさにトレンディー、人気沸騰中で、いろいろな旅行社から様々な企画が出されています。
ちなみに、今回、私たちが参加したツアーのキャッチフレーズは、
今、話題の工場夜景クルーズ!
複雑な構造美にメタリックな輝きが神々しい壮麗な景色
・・・運河から眺める工場夜景がまさに絶景!
小型船ならではの運行コースで、幻想的な景色をたっぷりとご堪能ください。
とありました。
私のイメージでは川崎工業地帯といえば、嘗て、社会科の教科書に出てきたモクモクと工場から煙が立ち上る写真そのもので、戦後日本の高度成長経済を支えた原動力、それと引き換えに大気汚染を引き起こした危険ゾーン・・・だったのですが、<複雑な構造美にメタリックな輝きが神々しい>とは、これいかに!
人気スポットであること自体に、隔世の感ありです。
そんな半信半疑の中で、ともかくも百聞は一見に如かず。
天王洲アイルの天王洲ヤマツピア桟橋から18時30分出航の交通船で2時間半のツアーです。

交通船というのは、豪華クルーズとか屋形船とかではなく、屋根のないボートみたいなシンプルな作りで、<人員輸送船として作られた船舶で、港湾内のような近距離での運航を主体としていて、湾内でよく見かける、タイヤをぶらさげた武骨で堅牢な小型船>という説明がありました。
「雨天決行」とパンフレットには書いてありましたが、屋根のない舟で長時間、本当に雨の日でも運行するのでしょうか。心配になってしまいます。
川崎工場夜景 Photoレポート
何しろ揺れる船の中から、残照と、工場のイルミネーションの撮影、素人写真なので限りがあるのですが、雰囲気を少しでもお伝えできればと思います。
京浜運河から多摩川、大師運河、千鳥運河、塩浜運河などを通り、やがて黄昏時、川崎工場の夜景に辿り着き、帰路は逆ルートで戻るというコースです。

意外にスピードが速く、川風が肌に心地よく吹き抜けてゆきます。
蒸し暑さを冷ますような船上の夕暮れ時です。
京浜運河を南下してゆく船のすぐ近くを、モノレールが行き過ぎます。
このアングルからの眺めは新鮮ですね。
屋形船とすれ違いました。なかなか豪華なしつらえです。


振り返ると、多摩川に日が傾いてゆきます。オレンジ色に染まる波頭が初夏の色をしています。
対岸はまだ陽が明るく射しています。
花が幾重にも重なったような大きな看板は大田市場です。


再び振り返ると、最後の残照がひときわ色濃く空と水面を染めています。
ぽつんと残っている赤い鳥居はかの有名な<羽田空港呪いの鳥居>。

邪魔なので幾度となく移転が計画されたのですが、その度に移設工事関係者が事故に見舞われるなどして、作業は中止され今に至るという都市伝説を、船のガイドさんが熱心に語ってくれました。

多摩川の河口を横断し、やがて遠くに工場地帯が見えてきました。
煙突から白煙がたなびき、フレアと呼ばれる不燃焼ガスを再燃させる火が大きく上がっています。


入り組んだパイプを身に纏うように林立する建物、これが<複雑な構造美>なのだと、少し納得しました。
標識灯としてくっきりと浮かび上がる<K>の文字は<川崎>の頭文字なのだそうです。


「ここが写真スポットです」とガイドさんのお勧めの東亜石油工場付近の夜景です。
なるほど圧巻です。

誰もいない水辺に灯りを映しながら燃え続けている工場の夜景。
複雑な配管に絡まれたコンビナートが不思議な輝きを放って夜に浮き出ている情景は、何か幻想的な未来都市のようで、じっと見つめていると幻惑されるような思いがしました。
夏の夜、涼を求めてこんな夜風に吹かれるのも一興かと。
お勧めしたいと思います。


