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新しいシャンソンを新しい言葉に乗せて

   シャンソンの訳詞のつれづれに                      ~ 松峰綾音のオフィシャルブログへようこそ ~

葡萄色の八月

   葡萄の香り
葡萄の季節

葡萄が美味しい季節、今年の我が家のテーブルです。 

戴き物も重なり、大好きな葡萄に囲まれて幸せを満喫しています。


   <三次産ピオーネ>
 訳詞を通して、最近、素敵な音楽仲間が出来ました。
 シャンソンを歌われている方なのですが、彼女からの贈り物です。
三好のピオーネ
 広島にお住まいなのですが、三次(みよし)産ピオーネは<黒い真珠>と呼ばれる高級ブランド、食べるのが勿体ないくらい、形も良く艶々と瑞々しい葡萄です。
ピオーネ


 果物の贈答って日持ちのことなど気を遣いますよね。
 いつ届けたら良いか、日時を確認したり、新鮮な状態を吟味したり、だからこそ、贈って下さる方の細やかな思いを感じます。
 心のこもったメッセージと共に届いたピオーネ、美味しく頂きました。
 Hさん、有難うございます。
 10月初めの大きなリサイタルを前に、今頃準備に励んでいらっしゃることでしょうか。

   <三宅島産パッション・フルーツ>
 召し上がったことはおありでしょうか。
パッションフルーツ
 葡萄色の果物、珍しいのでご紹介してみます。

 パッション・フルーツのシャーベットやケーキなどは知っていても、果物を丸ごと目にすることはあまりないのではと思います。
 こんな形状で、中身は黒い種が入って、ザクロのようです。

 三宅島は2000年の大噴火で全島挙げて避難してから、いつの間にか、もう15年が経ちました。
三宅島
 こういう大災害も時間と共に記憶が遠のいて、ずっと前の出来事のような気がしてしまいますが、でも現実には、まだ全戸帰島は叶わない状態で、大気環境調査、健康調査などを綿密に継続しながらの自然との闘いが今も続いているのです。
 その中で、様々な復興活動が行われ、地元の産物の新たな開発も活発になされていると伺いました。パッション・フルーツもその一つとなっているそうです。
 ・・・・三宅島の知人から、そんな様々なお話と共に頂いた贈り物です。

 さて、食べ方ですが。
 このままスプーンで種ごと掬うとか、ソースに煮詰めてヨーグルトやアイスクリームなどにかけるとか、と説明書きにありました。
 香り高く、甘酸っぱく、他にはない独特な風味が妙に癖になる感じで、私はかなり好きな味です。
 でも種は結構固くて、人によっては喉に触るのが嫌だと思うかもしれませんので、生で頂くのとは別に、私はジャム状に煮詰めて裏ごし、種を取り除いてみました。
パッションフルーツのソース
 この写真(右)のような滑らかなオレンジ色の濃厚なソースが出来上がりました。
 煮詰めたので、日持ちも大丈夫です。         

 ババロアを作ってこのソースをたっぷりかけてみたのですが、本当に美味しい!(写真左) 是非お試しください。
 鶏肉や豚肉のソテーにかけると、高級フレンチに変身します。

   <シャイン・マスカット 巨峰 ブルーベリー>
 ブルーベリージャム作りは、いつもの夏の楽しいお仕事。  
ブルーベリー
 3キロ余りを大量買いし、今年も何瓶も作ってみました。
 作り方は以前記した記事があります。とても簡単ですので、こちらもお試しを。→「美味探訪ブルーベリー・コンフィチュール」

 ジャム作りはなぜか不思議なリラクゼーション効果があるような気がします。

シャインマスカット
 昨年くらいからシャイン・マスカットは皮ごと食べられる葡萄ということでマーケットなどでもよく見かけるようになりました。
 私は、巨峰とシャイン・マスカットの両方を半分にカットし、サラダに散らして味わうのが好きで、フルーティーな香りが爽やかです。色々な野菜と共にお客様に供して好評でした。

    『一房の葡萄』
 有島武郎の児童文学ですが、幼い頃、この童話がとても好きで、暗誦するほど読み込みました。
 『葡萄』という文字を見るといつも懐かしくこの物語を思い出します。

 こんなお話です。

 横浜のインターナショナルスクールに通っている小学生の「僕」が主人公で、
 「僕」はクラスメートのジムが持っている水彩絵の具が羨ましくてなりません。
 学校から見える美しい海の藍色と、白い帆船に塗られた洋紅色を、鮮やかな絵の具で描いてみたいと強く願うようになります。
 或る日、ついに誘惑に負けてジムのこの二色の絵の具を盗んでしまいます。

 「僕」の盗みはクラスメートたちの知るところとなり、大好きな担任の先生の元に連れて行かれます。・・・(途中省きますが)・・・・先生の暖かい配慮で僕とジムとは仲直りすることになります。

 先生は真白なリンネルの着物につつまれた体を窓からのび出させて、葡萄の一房をもぎ取って、真白い左の手の上に粉のふいた紫色の房を乗せて、細長い銀色の鋏(はさみ)で真中からぷつりと二つに切って、ジムと僕とに下さいました。真白い手の平ひらに紫色の葡萄の粒が重って乗っていたその美しさを僕は今でもはっきりと思い出すことが出来ます。

 それにしても僕の大好きなあの先生はどこに行かれたでしょう。もう二度とは遇えないと知りながら、僕は今でもあの先生がいたらなあと思います。秋になるといつでも葡萄の房は紫色に色づいて美しく粉をふきますけれども、それを受けた大理石のような白い美しい手はどこにも見つかりません。

葡萄

 美しい文章に、紫の葡萄の房が浮かんできます。   
 葡萄を手に乗せる先生の姿は、私の教職の日々の中でも、素敵な像として鮮やかに刻まれていた気がします。

   おまけのお話 「葡萄の季節」
 <GIORNI>という原題のカンツォーネで『葡萄の季節』という曲があります。

  緑に覆われた葡萄園に続く丘の道も
  流れる雲も あの頃 あなたと見たのと少しも変わらない


という周知の日本語詩があり、日本でもよく歌われている人気の曲です。
 ミーナが歌っている原曲がありますので、よろしければyoutubeでお聴きになってみて下さい。
→ https://www.youtube.com/watch?v=Hq-vxcPyfmw



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