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新しいシャンソンを新しい言葉に乗せて

   シャンソンの訳詞のつれづれに                      ~ 松峰綾音のオフィシャルブログへようこそ ~

京都街歩き 会場探しその二

 さて今日も、京都街歩き、前回「京都街歩き 会場探しその一」の続編です。

   町家を訪ねる ~ちおん舎
 幾星霜を経た建物には、負ってきた時間の独自の香りや風格が感じられます。
 欧風文化への憧憬とか矜持のようなものが、どう日本的な生活風土と折り合いをつけてゆくのか、そんなことを思いながら、前回の記事に記した「駒井家住宅」などの洋館を巡っていたのですが、ふと、趣を異にする「町家」の対極の魅力を味わってみたくなりました。
 
 京都には、未来への<町づくり>や、伝統を後世に残そうとする<街並み保全再生>のプロジェクトなどがあり、現存する「町家」の有効利用もその活動の一つになっています。
 そのような働きかけが徐々に実って、修復保存し一般に公開されたり、公共施設・展示会演奏会の会場・宿泊施設・レストラン・カフェなど、様々な用途に使われるようになってきました。

 コンサートをするとしたら・・・。
 いつもと違うそんな目線で眺めながら、今回は町家を巡る京都街歩きです。

 幾つか訪ねた町家の中から、素敵な場所を一つご紹介してみたいと思います。

 地下鉄烏丸御池駅から徒歩3分。「好立地ですね!」と、不動産情報誌の謳い文句のように一人呟きながら向かいます。
ちおん舎の入口
 路地を入ると、落ち着いた門構えに「ちおん舎」という表札が表れました。

「ちおん舎」のHPの説明には、次のように記されています。

  ちおん舎は、㈱千吉商店が京都・衣棚三条で運営する京町家の名称です。
  名前は、「温故知新」から「知」と「温」をとり千・智と音・恩の意味も含ませました。
  伝統の智恵を現代の生活に生かすことにこの空間の「場」の力を利用したいと思います。


 そして、「京都における最古の商家の家柄として世に知られた千切屋一門西村家の遠祖は、遠く奈良時代の・・・」と続き、長い歴史を背負った由緒正しき旧家であることがわかります。

 古都の中にあって、代々住まいする人たちによって手を加えられながら、大切に守り続けてきた重厚な日本家屋の持つ圧倒的な力は、きっと生活そのものを支える揺るぎない価値観とも融合して、生半可な近代建築などの及ぶところではないのでしょう。
ちおん舎の和室空間
 玄関を上がると、控えの間から覗ける中庭が、穏やかに来客を迎え入れてくれます。
 立派な床の間、そして大広間、雪見障子から日差しが柔らかく畳に差し込んで、和室の快さを充分に体感させてくれました。
 
 町家再生の動きの中で、この「ちおん舎」も、「茶道」・「香道」、「講演会」・「発表会」、「落語会」・「展示会」と、学び・集い・楽しむ空間として、積極的な活用がされています。

 この家の当主でもあるオーナーの方からの丁寧なご説明を受け、優しい余韻を感じながら、「ちおん舎」を後にしました。


   カフェで一休み ~GOSPEL
 眩しい春の日差しに、さすがに歩き疲れ、どこかで休憩したくなりました。
 「カフェでコンサートも良いのでは?」と、若い友人が推薦してくれたお店を思い出し、ではお茶しながらもう一軒と思い、今度は銀閣寺の近く、哲学の道沿いにあるGOSPELというカフェに向かいました。
満開の桜
 「哲学の道」の桜は、私のお気に入りスポットです。
 これまで、ブログでもこの辺りの桜便りを何回かお伝えしてきましたが、毎年、足を運びたくなってしまいます。

 心地よい風に吹かれて、気持ちも桜色に染まり始めます。
ゴスペル外観2
 ぶらぶらと散策しながら、お目当てのカフェを見つけました。
 哲学の道の1本西側にある鹿ケ谷通りの「GOSPEL」。
 何となくどこかで見たことのあるような懐かしさのある建物です。
 ツタの絡まるアンティークな洋館、周囲の喧騒からかけ離れた静かな佇まいです。
 
 手すりのついた急な階段を二階に上がるとそこがカフェ。
 誰かのリビングに招かれたようなアットホームな雰囲気がありました。

 大きな木製のテーブル、ソファー、チェスト、古いピアノ、そして沢山のレコードが納められている棚、様々な形の椅子が広い空間にゆったりと配置されて、それがセンスの良い調和を保っていました。
ゴスペルカフェ  ゴスペル カウンター
 外国のインテリア雑誌に出てきそうな大きなキッチンですが、ここが半オープンの厨房です。

 一杯の珈琲をゆっくりと、映画のシーンを演じているみたいにちょっと気取って味わっていると、疲れがすうっと癒えてゆきます。

 この居心地や空気感が、初めてのような気がしなくて、お店の方に伺ってみると、ヴォーリズ建築事務所の設計建築だとわかりました。

 ヴォーリズは前回ご紹介した「駒井家住宅」の設計者ですね。
 この建物は、彼の死後にその意思を受け継いだヴォーリズ建築事務所によって1982年に建てられたということ。個人の住宅だったのが、今はこうしてカフェレストランとなって生まれ変わって、たくさんの人を迎えているのですね。

 こんな家に住んで、好きな音楽を静かに聴いたり、時間を忘れて読書をしたり、親しい友人たちを招いて、気の置けないホーム パーティーをしたりできたらどんなにか心豊かな生活だろうなどと、気持ちは夢の世界を飛んでいましたが、我に返り、会場としての可能性を探るべく、スタッフの方にリサーチもしっかりとして参りました。

 京都街歩きの数日間、他にも随分沢山、建物とそれを囲む風景を満喫できた楽しい時間でした。

 今、それぞれの良さの中でのコンサートの情景が、心の中で広がっていますが、しばし考えを巡らせ、決定したらご報告したいと思います。
 
   おまけの話
 数日前の京都大学吉田キャンパス構内、時計台記念館。
京大の時計台
 青空に開花したばかりの桜が瑞々しく映えています。

 ちょっと良いことがあり、時計台記念館の中にあるフレンチレストランla tourでお祝いのパーティーを開いて頂きました。
 ラトゥール

 連日の京都街歩きの所産か、どこに行っても反射的に「会場としては・・・」とポイントチェックをしていることに思わず苦笑い。

 クラシック調の重厚なインテリアとゆったりとしたスペース、天井高の古色蒼然とした造り、恭しいサーブ、威風堂々とした佇まいの全てが素敵でした。
 花束
 この日は若い研究者や大学院生たちの集まりで、楽しそうに交わし合っている研究のお話などに静かに耳を傾けるのも何とも好ましく心地よい時間に感じられました。

 こんな素敵な花束も頂き、気持ちが優しくなった休日です。



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