
年の終わりに
2016年、どんな一年でしたか。
あっという間に時は流れてゆきますが、それでも、辿ってみると去年とは違う自分、周囲の状況であることが痛感させられます。
私にはコンサート三昧の一年、その一つ一つに、新たな人や出来事との得難い出会いがありました。
その一方で、親しい方たちの訃報が多くもたらされた年ともなり、悲喜こもごも、世のすべては、人の意志では如何ともし難い不思議な力に導かれて動いてゆくものなのでしょう。
でも、ともかくも、今こうして健康であることに感謝しつつ・・・そんなことを静かに思う大晦日です。
朝一番のジャム作り
数日前、親しい友人に柚子を沢山頂きました。
少し陽に焼けていたり、虫に食われた跡があったりする、元気に育った丸々と大きな実、冬の恵み、良い香りを部屋中に放ってくれました。
柚子湯に入り、鍋の薬味にし、それでもまだどっさりあるので、今朝、思い立って柚子ジャムを作ってみました。
自己流ですが、私の簡単レシピをご披露致しますね。
1 洗ったら、まず皮を剥き、外皮を細かく千切りにします。手を抜かずひたすら薄く、長さは2センチ位にして、刻み続けて下さい。
2 中身から種を取り除きます。種はガーゼに包んで別にしてください。テルテル坊主を作る要領です。
3 種を除いた部分をザルで丹念に漉します。汁と薄皮の部分に分かれますが、どこまでもいつまでも薄皮を漉し続けるとやがて何だかわからないくらいに柔らかくとろけた感じになります。

4 1を茹でて、水を捨て、また煮立てて茹でて・・・を3回繰り返します。
これはあく抜きのような効果があり、刻まれた外皮が柔らかく苦味がうっすらとしてきます。
5 お湯を切った「外皮」と、「種」と、3で作った「中身(汁+薄皮)」を全て鍋に移し、10分位ゆっくりと煮詰めます。
途中5分くらいのところで種を包んだテルテル坊主を取り除きます。
柚子の種にはペクチンが豊富に含まれているらしくて、こうするとジャムが自然にとろりとしてくるのです。でも食べられませんので、必ず取り除いて下さいね。
この時同分量の砂糖を入れるというのが常套手段です。
6 私の秘伝のジャムは、砂糖は殆ど使わず、蜂蜜を代用します。
今日は、頂き物の和歌山の「みかん蜂蜜」がありましたので、ゴージャスにこれを使用しました。同じ柑橘系のためか、相性抜群でした。
7 もう一つの秘伝は、ブランディーを少し入れること。
隠し風味と言いますか・・・・急に大人の味に変身します。

8 最後の秘伝は、鍋から離れず、「美味しくなってね」と優しく、声に出して話しかけることです。
これは必須!
で、出来上がりました。
とっても美味しいジャムになりました。
私は作り置きして、或る時は柚子味噌、或る時はお肉料理のソース、或る時は柚子ジンジャーソーダ・・・・等々、万能です。
午後はぶらりと「神泉苑」散歩
麗らかな日差しの年の瀬、二条城の近くに所用があったので、その近くの「神泉苑」に足を伸ばしました。
東寺派真言宗『神泉苑』は、現存する日本最古の史蹟として知られる、池を囲んだ名園です。

朱塗りの鳥居、社寺が目に鮮やかで、それを取り囲む美しい設えの池が、ゆったりと華やかな平安絵巻を再現するかのようでした。
桓武天皇が平安遷都の折、大内裏の南に沼沢を設けたのが最初と言われています。その池の水が枯れないことから「神泉苑」と名付けられたのだそうです。
後に弘法大師空海が祈祷をして雨を降らした祈雨霊場(雨乞いの場)としても有名で、勧請された善女龍王を祭った善女龍王社と法成橋、「神泉苑」での疫病の御霊会が祇園祭の誕生のきっかけとなったこと、また帝から五位の位を賜った優雅な五位鷺(ごいさぎ)伝説などでもよく知られています。

庭園の一角に、「歳徳神(としとくじん)」と呼ばれる、小さな社(やしろ)があり、格別に今日は榊や供花などが献上されてありました。
これは通称「恵方社」とも呼ばれ、その年の恵方に、社自体を回転させる不思議な仕掛けが施されています。
実は、立ち寄ったのは、これを見たかったからでした。

大晦日の夜「恵方改め式」というものがこの社で行われるのです。
「恵方巻き」ってご存知ですよね。
近年、全国的に流行してきましたが、節分の日にその年の恵方に向かって巻き寿司を無言で食べ切ると幸せが訪れ願いが叶うというあの「恵方」です。
社自体が回転する仕掛けになっていて、翌年の恵方に社の正面を向きを合わせるという儀式が大晦日の夜に粛々と行われるとのことなのです。

午後10時30分に始まるとの張り紙がありました。
僧侶がお経をあげて、儀式を取り行ったのち、石臼のような社の土台を皆で担って回転させるということで、一度見てみたかったのですが、夜までじっと待てず・・諦めることにしました。

来年、平成29年の恵方は「亥子(いね)の間」=北北西だそうです。
まだ来年の話ですが、思わずこんなお札を買ってきてしまいました。
年が明けたら、家の北北西にこのお札を貼って、安全祈願をしようかと思います。
ぶらりと足を止める街のそこかしこに、歴史の重みとその矜持が散りばめられていることを感じた京都の年の瀬でした。
今年も、このブログをご愛読頂き有難うございました。
また来年もどうぞよろしくお願い致します。
皆様、どうぞお元気で良きお年をお迎えくださいますように。
2016年、どんな一年でしたか。
あっという間に時は流れてゆきますが、それでも、辿ってみると去年とは違う自分、周囲の状況であることが痛感させられます。
私にはコンサート三昧の一年、その一つ一つに、新たな人や出来事との得難い出会いがありました。
その一方で、親しい方たちの訃報が多くもたらされた年ともなり、悲喜こもごも、世のすべては、人の意志では如何ともし難い不思議な力に導かれて動いてゆくものなのでしょう。
でも、ともかくも、今こうして健康であることに感謝しつつ・・・そんなことを静かに思う大晦日です。
朝一番のジャム作り
数日前、親しい友人に柚子を沢山頂きました。
少し陽に焼けていたり、虫に食われた跡があったりする、元気に育った丸々と大きな実、冬の恵み、良い香りを部屋中に放ってくれました。
柚子湯に入り、鍋の薬味にし、それでもまだどっさりあるので、今朝、思い立って柚子ジャムを作ってみました。
自己流ですが、私の簡単レシピをご披露致しますね。
1 洗ったら、まず皮を剥き、外皮を細かく千切りにします。手を抜かずひたすら薄く、長さは2センチ位にして、刻み続けて下さい。
2 中身から種を取り除きます。種はガーゼに包んで別にしてください。テルテル坊主を作る要領です。
3 種を除いた部分をザルで丹念に漉します。汁と薄皮の部分に分かれますが、どこまでもいつまでも薄皮を漉し続けるとやがて何だかわからないくらいに柔らかくとろけた感じになります。

4 1を茹でて、水を捨て、また煮立てて茹でて・・・を3回繰り返します。
これはあく抜きのような効果があり、刻まれた外皮が柔らかく苦味がうっすらとしてきます。
5 お湯を切った「外皮」と、「種」と、3で作った「中身(汁+薄皮)」を全て鍋に移し、10分位ゆっくりと煮詰めます。
途中5分くらいのところで種を包んだテルテル坊主を取り除きます。
柚子の種にはペクチンが豊富に含まれているらしくて、こうするとジャムが自然にとろりとしてくるのです。でも食べられませんので、必ず取り除いて下さいね。
この時同分量の砂糖を入れるというのが常套手段です。
6 私の秘伝のジャムは、砂糖は殆ど使わず、蜂蜜を代用します。
今日は、頂き物の和歌山の「みかん蜂蜜」がありましたので、ゴージャスにこれを使用しました。同じ柑橘系のためか、相性抜群でした。
7 もう一つの秘伝は、ブランディーを少し入れること。
隠し風味と言いますか・・・・急に大人の味に変身します。

8 最後の秘伝は、鍋から離れず、「美味しくなってね」と優しく、声に出して話しかけることです。
これは必須!
で、出来上がりました。
とっても美味しいジャムになりました。
私は作り置きして、或る時は柚子味噌、或る時はお肉料理のソース、或る時は柚子ジンジャーソーダ・・・・等々、万能です。
午後はぶらりと「神泉苑」散歩
麗らかな日差しの年の瀬、二条城の近くに所用があったので、その近くの「神泉苑」に足を伸ばしました。
東寺派真言宗『神泉苑』は、現存する日本最古の史蹟として知られる、池を囲んだ名園です。

朱塗りの鳥居、社寺が目に鮮やかで、それを取り囲む美しい設えの池が、ゆったりと華やかな平安絵巻を再現するかのようでした。
桓武天皇が平安遷都の折、大内裏の南に沼沢を設けたのが最初と言われています。その池の水が枯れないことから「神泉苑」と名付けられたのだそうです。
後に弘法大師空海が祈祷をして雨を降らした祈雨霊場(雨乞いの場)としても有名で、勧請された善女龍王を祭った善女龍王社と法成橋、「神泉苑」での疫病の御霊会が祇園祭の誕生のきっかけとなったこと、また帝から五位の位を賜った優雅な五位鷺(ごいさぎ)伝説などでもよく知られています。


庭園の一角に、「歳徳神(としとくじん)」と呼ばれる、小さな社(やしろ)があり、格別に今日は榊や供花などが献上されてありました。
これは通称「恵方社」とも呼ばれ、その年の恵方に、社自体を回転させる不思議な仕掛けが施されています。
実は、立ち寄ったのは、これを見たかったからでした。

大晦日の夜「恵方改め式」というものがこの社で行われるのです。
「恵方巻き」ってご存知ですよね。
近年、全国的に流行してきましたが、節分の日にその年の恵方に向かって巻き寿司を無言で食べ切ると幸せが訪れ願いが叶うというあの「恵方」です。
社自体が回転する仕掛けになっていて、翌年の恵方に社の正面を向きを合わせるという儀式が大晦日の夜に粛々と行われるとのことなのです。

午後10時30分に始まるとの張り紙がありました。
僧侶がお経をあげて、儀式を取り行ったのち、石臼のような社の土台を皆で担って回転させるということで、一度見てみたかったのですが、夜までじっと待てず・・諦めることにしました。

来年、平成29年の恵方は「亥子(いね)の間」=北北西だそうです。
まだ来年の話ですが、思わずこんなお札を買ってきてしまいました。
年が明けたら、家の北北西にこのお札を貼って、安全祈願をしようかと思います。
ぶらりと足を止める街のそこかしこに、歴史の重みとその矜持が散りばめられていることを感じた京都の年の瀬でした。
今年も、このブログをご愛読頂き有難うございました。
また来年もどうぞよろしくお願い致します。
皆様、どうぞお元気で良きお年をお迎えくださいますように。


