
言っても詮無きことながら・・・・毎日暑いですね。
京都は盆地です。
風は通らず、湿気を帯びた熱い空気が地の底に溜まり込んで嵩(かさ)を増し、逃げ場もなく蒸されてゆく・・・・悪夢のようなイメージが頭をよぎります。
けれど、京都に生まれ育った友人たちは、特にそれほど悲鳴も上げず、表情も変えず、むしろ夏の風物詩を楽しみ、巧みに涼を作り出しているように思えます。
懐深い京文化の真髄は、そういう自然環境と柔らかく付き合っていくことにも反映されているのでしょうね。
お囃子の音色
7月に入るとすぐ、京都の街は祇園祭の準備が華やかに始まります。
山鉾を立てるために、バス停は当たり前のように移動しますし、朝早くから<コンチキチン>という賑やかなお囃子の音色が街に響き渡ります。
ねじり鉢巻き、法被姿で山鉾に乗り込み、男たちが奏で続ける<コンチキチン>は、「暑い京都に響く、暑気払いの涼風なのだ」と、少し気取って詩人のように言った知人を思い出しました。
今日は祇園祭の前日、宵山。
祇園祭・前祭(さきまつり)の山鉾巡行はいよいよ明日17日に迫ってきました。明日は計23基の山鉾が都大路を粛然と進んでいきます。
祇園祭は、疫病(えきびょう)退散を祈る八坂神社の祭礼。山鉾には神輿の先触れとしての役割があるといわれています。
選ばれし男子、今年は誰に白羽の矢が立つのかという「時の人」・・・豪奢な衣装を身に着け、白塗りを施されたお稚児さんが乗り込み、しめ縄切りをする、その山鉾巡行のスタートラインである長刀鉾(なぎなたぼこ)から我が家は1分とかからず・・・実は祇園祭の特等席に住んでいるような地の利の良さで、この時期は得した気分になってちょっと自慢したりしています。
それで、鉾の立ち上げから本番まで、いつも通りすがりに眺めてもいるのです。
京都新聞に祇園祭の準備から当日に至るまでの動画がUPされていましたので、この時期の京都の街の情景をご参考までに載せてみます。
http://www.kyoto-np.co.jp/kp/koto/gion/index.html
夏着物・浴衣
街ゆく人にはこの時期、着物姿が急増します。

女性も男性も、普通に着物を着て、違和感なく街に溶け込んでいます。
夏着物の紗や絽や麻の涼やかな風合い、夏色の仄かな色彩、襟を正し、すっきりと・・が粋でお洒落ですよね。
本当なら一番暑いであろうはずのものを、涼しい顔で着こなす心意気を習得したいものだと密かに思っています。
それで、・・・・数日前、例の清水寺プロジェクトの会合があったのですが、思い立って浴衣を着て出席してみました。
スナップを一枚。
帰りは山鉾が立ち並ぶ賑やかな京都の街を夕涼みしながらのそぞろ歩き、これも日本的な涼と、少し納得した次第です。
夏柑糖
「夏柑糖(なつかんとう)」ってご存知ですか。
こういうお菓子です。
京都生まれの友人が「暑さの凌ぎに」と送ってくれました。

蜜柑をくり抜いてゼリーを詰めたようなお菓子を、この頃いろいろなお店で見ますけれど、大抵、中身はゼリーで、寒天を詰めた和菓子は初めてでした。
京都の老舗和菓子店「老松」の本家本元の生菓子なのです。
『甘夏、グレープフルーツなどを使った類似品がございますが、当舗とは一切関係がございません。「夏柑糖」は夏みかんのみを使用しております』
夏柑糖の袋の中には上記のような注意書きが添えられていて、二番煎じでは断じてないのだという名店の矜持が感じられます。
「戦後まもなく、庭にあった夏蜜柑の果実に、少しの砂糖と寒天を合わせて作ったのが始まり」で、原材料は「夏みかん果汁、砂糖、寒天のみ」
『夏柑糖は夏みかんです。そして寒天です。』

少し硬めの触感と夏蜜柑の香りが喉に涼やかに感じられました。
今年も猛暑となりそうですが、熱中症に気を付けながら元気で乗り切っていきたいですね。
京都は盆地です。
風は通らず、湿気を帯びた熱い空気が地の底に溜まり込んで嵩(かさ)を増し、逃げ場もなく蒸されてゆく・・・・悪夢のようなイメージが頭をよぎります。
けれど、京都に生まれ育った友人たちは、特にそれほど悲鳴も上げず、表情も変えず、むしろ夏の風物詩を楽しみ、巧みに涼を作り出しているように思えます。
懐深い京文化の真髄は、そういう自然環境と柔らかく付き合っていくことにも反映されているのでしょうね。
お囃子の音色
7月に入るとすぐ、京都の街は祇園祭の準備が華やかに始まります。
山鉾を立てるために、バス停は当たり前のように移動しますし、朝早くから<コンチキチン>という賑やかなお囃子の音色が街に響き渡ります。
ねじり鉢巻き、法被姿で山鉾に乗り込み、男たちが奏で続ける<コンチキチン>は、「暑い京都に響く、暑気払いの涼風なのだ」と、少し気取って詩人のように言った知人を思い出しました。
今日は祇園祭の前日、宵山。
祇園祭・前祭(さきまつり)の山鉾巡行はいよいよ明日17日に迫ってきました。明日は計23基の山鉾が都大路を粛然と進んでいきます。
祇園祭は、疫病(えきびょう)退散を祈る八坂神社の祭礼。山鉾には神輿の先触れとしての役割があるといわれています。
選ばれし男子、今年は誰に白羽の矢が立つのかという「時の人」・・・豪奢な衣装を身に着け、白塗りを施されたお稚児さんが乗り込み、しめ縄切りをする、その山鉾巡行のスタートラインである長刀鉾(なぎなたぼこ)から我が家は1分とかからず・・・実は祇園祭の特等席に住んでいるような地の利の良さで、この時期は得した気分になってちょっと自慢したりしています。
それで、鉾の立ち上げから本番まで、いつも通りすがりに眺めてもいるのです。
京都新聞に祇園祭の準備から当日に至るまでの動画がUPされていましたので、この時期の京都の街の情景をご参考までに載せてみます。
http://www.kyoto-np.co.jp/kp/koto/gion/index.html
夏着物・浴衣
街ゆく人にはこの時期、着物姿が急増します。

女性も男性も、普通に着物を着て、違和感なく街に溶け込んでいます。
夏着物の紗や絽や麻の涼やかな風合い、夏色の仄かな色彩、襟を正し、すっきりと・・が粋でお洒落ですよね。
本当なら一番暑いであろうはずのものを、涼しい顔で着こなす心意気を習得したいものだと密かに思っています。
それで、・・・・数日前、例の清水寺プロジェクトの会合があったのですが、思い立って浴衣を着て出席してみました。
スナップを一枚。
帰りは山鉾が立ち並ぶ賑やかな京都の街を夕涼みしながらのそぞろ歩き、これも日本的な涼と、少し納得した次第です。
夏柑糖
「夏柑糖(なつかんとう)」ってご存知ですか。
こういうお菓子です。
京都生まれの友人が「暑さの凌ぎに」と送ってくれました。


蜜柑をくり抜いてゼリーを詰めたようなお菓子を、この頃いろいろなお店で見ますけれど、大抵、中身はゼリーで、寒天を詰めた和菓子は初めてでした。
京都の老舗和菓子店「老松」の本家本元の生菓子なのです。
『甘夏、グレープフルーツなどを使った類似品がございますが、当舗とは一切関係がございません。「夏柑糖」は夏みかんのみを使用しております』
夏柑糖の袋の中には上記のような注意書きが添えられていて、二番煎じでは断じてないのだという名店の矜持が感じられます。
「戦後まもなく、庭にあった夏蜜柑の果実に、少しの砂糖と寒天を合わせて作ったのが始まり」で、原材料は「夏みかん果汁、砂糖、寒天のみ」
『夏柑糖は夏みかんです。そして寒天です。』

少し硬めの触感と夏蜜柑の香りが喉に涼やかに感じられました。
今年も猛暑となりそうですが、熱中症に気を付けながら元気で乗り切っていきたいですね。


