

・・私は普段はあまりテレビを見ないほうなのですが、この番組は、さすがNHKで、確かに<ガッテン!>することが多いので、いつも録画しておいて、面白そうなときは時々見ています。
そんなわけで、先週の放送分を2~3日前に見たところなのです。
実は、「みそ汁もラーメンも!レモンで激うまにする本気の裏技」というちょっと怪しげなタイトルだったので、今回はパスかなと思いつつ、でも、何となくつけてみたら、これがなかなかで、凝り性の私は、結構はまり始めています。
全部詳しく書くのも大変なので、ご興味のある方は後でゆっくりこちら、NHKのサイトをご参照いただくとして。
まずは、内容をざっとご紹介してみますね。
レモン果汁は酸っぱい。
でも、酸っぱいだけではお酢と同じなわけで、それを超えた、レモンらしい香りや味わい、その美味しさを追求するとなると、それは、果汁ではなく皮に含まれている、だから、皮ごと食べれば良いのだ、というお話なのです。
・・・これだけでも何なので、もう少しだけ説明しましょうね。
この番組らしく、お酢ティーとレモンティーの飲み比べテストをやっていました。結果はお酢ティーを美味しいと感じた人の方が多数で。
??ですよね。そんなことあってよいのでしょうか?
そう言われても、自分で試さなければガッテン出来ませんので、私も早速飲み比べてみました。
微妙ですが、でも普通にレモンティーに期待する、すっきりしゃっきりした酸っぱさは、確かに若干お酢ティーの方が勝っている気がしました。
NHKの催眠術に巧みに引き込まれてゆくようですが、レモンの酸味がレモンらしさではないとすると、では、レモンらしさとは何か?という事になります。
味じゃないなら香りでしょう。
<初恋はレモンの香り>・・・レモン特有の香り成分「シトラール」がレモンらしい爽やかな香りを作り出すのだそうで、それがレモンの果汁ではなく表皮の、「油胞」と呼ばれる粒粒の中に詰まっているのだそうです。
なので、皮ごとばりばり食べるのがベストなわけですが、そういうレシピの多い地中海などのレモンとは違って、日本のレモンは気候の関係から皮が硬いので、食べにくい・・・どうしたらよいのか?・・・というところから、いよいよ話が佳境に入ってゆきます。
番組は、レモン料理を様々に開発している愛知県豊橋に取材していました。
真ん中は省き、一足飛びに結論に。
レモンを丸ごと冷凍庫で凍らせ、使う時に凍らせたままのレモンをおろし金で、すりおろす・・レモンが黄色い粉になります。これをふりかけのように、色々な料理に混ぜるのです。
この方法だと、油胞は全部つぶれて、酸味もまろやかに、苦味もあまり出ず、どんな料理も抜群に美味しくするのだと言っていました。
スタジオで、そうめん・ラーメン・味噌汁・お汁粉にかけ試食していましたが、塩味や甘味をより引き立て、味がグレードアップすると出演者は美味しそうに皆絶賛していました。
ビタミンCも果汁だけの時の5倍も取れるので、健康にもよいですよ!というお話なのですが。ここまで来るとちょっと試してみたくなりませんか?
こういう生活の知恵を授けてくれる番組は、他にも色々ありますが、どんなに良くても、あまりややこしいと、その時は納得しても、すぐ忘れたりしてしまうものです。(私の場合はですが・・)
でも、冷凍庫に入れて凍らせておくだけなら、私でもOKですし、大体、普段、レモンをいくつか買ってきても、そんなに沢山使えるものでもありませんから、使い切らずに無駄にしてしまうことも多いのです。
冷凍庫に入れて良いなら大助かりで、しかも納豆には薬味の感覚で、ご飯には風味を増すのでたっぷりと・・・といった具合で・・・それで美容にも・・というのは結構良いお話なのではと。
これは、是非ブログでシェアせねばと思った次第です。
素直な私は早速、(お汁粉だけはまだ試せていませんが、それ以外)納豆・ご飯・お味噌汁など番組紹介のメニューは全部、それに加えて、煮物・揚げ物などのお惣菜やレモネードなども試してみました。
本当に結構いけます!!
柚子やシソ、長ネギなどの薬味や香り付けの感覚で使えば良いかなと思います。それに加えて、ほのかに甘酸っぱいので、甘いものにも意外に合うというのが驚きです。
ただ一つ気になるのは、番組では特に取り上げてはいませんでしたが、丸ごと食べるということになると、レモンの皮に付着している防カビ剤や残留農薬の事です。
少し調べてみましたが、結局は、色々な研究データーからの健康影響をどの程度気にするかという各人の判断の差異によるのでしょうね。
昨今の食べ物にはこれに限らず、様々にリスクが付きまとうので、どこまで良しとするかの許容範囲の問題かもしれません。
ただ、いずれにしても、良く水で洗って表面をできるだけ綺麗に洗い流すことは大切なことでしょう。
輸入か国産か、また、自然農法のものか、などのこだわりについても、各人各様かと思われます。
そのようなわけで、私はしばらく、レモンに凝ってみようかと密かに思っているのです。
で、今日もおまけのお話。
マイレモンには、マイおろし金というのが楽しいのではと。
私のイメージでは、生わさびを自分用の小さなおろし金ですりますよね。或いはパスタにちょっとお洒落なチーズスライサーで粉チーズを削ってゆきますよね。あの雰囲気の食卓が思い浮かぶのです。良いと思いませんか!
そう思いながら、スライサーを探したら、面白いものが見つかりました!!

Microplane社HPより
アメリカのMicroplane社から出ているシトラスツールというおろし器です。
これまで、私が知らなかっただけで、スライサーの開発では群を抜いている会社のようですね。元々は大工用具のメーカーで、木工用のヤスリから発展させてチーズやシトラスのスライサーを考案したそうです。
我が凍りレモンをおろしてみましたら、本当に切れ味良くすりおろせるのです。これはなかなかの優れもの。ほわっと薄黄色のパウダー状のレモンの粉がさらさらと面白いように出来上がってきます。
チーズは勿論、生姜もペースト状でとてもなめらかで食感も風味も抜群なのです。2600円と値が張るのですが、楽しんでずっと使えそうですし、自分としては良いものを見つけたと思います。

勿論、反対の方法・・・食材をシトラスツールの上に乗せ、食材のほうを動かすという方法も可能です。こうすると、お料理の上にはらはらと雪が舞い落ちるような風情を見ることが出来ます。この場合は食材のほうを押すという動作になるのですが。
ところで、<レモン>といえば、高村光太郎の『レモン哀歌』が浮かんできます。
そんなにもあなたはレモンを待ってゐた
かなしく白い死の床で
わたしの手からとった一つのレモンを
あなたのきれいな歯ががりりと噛んだ
トパアズいろの香気が立つ
レモンは、詩の中で本当に美しく天のものなる香気を発しています。
そして、<檸檬>といえば梶井基次郎ですね。
あの小説の舞台になった京都の丸善書店は6年前に店を閉じてしまいました。
店じまい直前に、惜しみつつ私も訪れてみたのですが、店頭に『檸檬』や梶井基次郎関連の書籍がたくさん並んでいたのを思い出します。

今日はレモンのお話でした。


