
京都の秋
深まる季節、この時期の京都は清澄な秋の風情に包まれ、古都の矜持が漂っているような気がします。
明日24日は十五夜、知人に誘われて嵯峨本願寺でのお月見コンサートに行って参ります。
演目は声明、合唱、シャンソンの三部立てで、日暮れから音楽を楽しみながら、お寺が振る舞って下さるお月見団子とお茶を頂き、月を愛でるという会で、とても楽しみです。
嵯峨嵐山の古刹でのお月見、写真が上手く撮れましたら、また改めてご報告致しますね。
実は、昨日もいつものメンバーとの十三夜のお月見の宴があり、参加したいと思っていたのですが、生憎都合がつかず叶いませんでした。
前にブログでもご紹介したことのある正伝寺での観月の会、宴たけなわの頃に、それぞれが短歌を作り、皆様の前で読み上げるといういささかハードルの高い宴なのですが、昨日出席した友人から、速報メールが届き、「こんな歌を詠みました」と出来立てほやほやの作歌が送られてきました。
メール通信もこうなると何だかとても優雅で、<ここは京都>としみじみと感じてしまいます。
正伝寺に限らず、京都にいるとこの時期、様々な寺社などでの観月の会にお誘いを受けることが多いのですが、<月への憧憬>という、宗教心に満ちた雅やかな文化をずっと大事に生活の中に生かし続けていることを肌で実感します。
近年、薄れつつある様々な日本の年中行事ですが、<自然への畏敬>と密接に結びついて行われてきたのでしょうし、花鳥風月に心を止め、季節にふと留まる日本人のこだわりを、生活の中で私も柔らかく受け止めて、持ち続けていけたらと思うのです。
花より団子。

京都の人が並んで買うこの時期の人気スイーツはお月見団子です。
写真は、大好きな和菓子屋さん「仙太郎」のWEBから転載させて頂きましたが、白いお餅は満月、餡は月を囲む空と雲を模しているとのこと、私も今年も列に並んだ一人です。
そして、昨日は時代祭り、こちらも残念ながら、見ることが出来ませんでしたが。
約二千人が参加するという時代行列は、明治維新から始まり、時代を遡って平安朝まで約千年間の変遷が再現されてゆきます。
勇壮でそして雅やかな、各時代を再現する衣装に身を包んだ人々の長い長い行列が大路を荘重に歩み進むのです。

(時代祭2018:京都新聞より)
それをただじっと眺めていることに、最初は少々戸惑い、退屈になってくるのですが、それでもこらえ、見続けていると、やがてそれに慣れてきて、時を忘れるぼんやりとした快い酩酊感に包まれます。
思えば京都のお祭りは葵祭りも祇園祭りも皆、行列がゆっくりゆっくり通り過ぎてゆくのをただひたすら見ているというもの・・・・阿波踊りのような観客参加型のお祭りが大好きな人には、気が狂うほど緩慢なのではと思いますが、でも、きっとそれこそが古都たる所以で、この時間の流れを心地よく感じられてくる不思議が京都の魔力なのかしら、なんていつも思っています。
今朝の新聞で読んだのですが、昨日の時代祭りの最中に馬が暴れ出してしまい、怪我人が数名出たのだそうです。
武士に扮した騎手の持っていた槍が馬の腹にあたったためと報じられていました。この不幸なアクシデントが今後に深刻な影響を与えなければ良いのですが。
銀座の秋
一方、巷では、カボチャや魔女のハロウインの飾りがあちこちに溢れています。
「ハロウイン??」と首を傾げた一昔前から考えると隔世の感がありますね。
世界のいたるところにお祭りはありますし、お祭り好きは人類共通のものという気がしますが、でも他国の祭事をどんどん取り入れて、日本風にいつの間にかアレンジしてしまうのは、さすがあっという間に文明開化を遂げた<換骨奪胎の我が国>と感心するばかりです。
そんなカボチャで溢れる中、先日、銀座に行きました。
仕事の打ち合わせだったのですが、お昼をという事になって,「ヒガシヤ ギンザ」というお店にご案内頂きました。
<新しいお茶の愉しみ方>をコンセプトに、お洒落にお茶を供するお店、和食のランチコースもあって、器一つ一つ、提供するタイミングなども行き届いていて、ゆったりとした美味しい時間を堪能しました。
最後のデザートタイムに『どのお茶を召し上がりますか』と持ってきてくれたのがこの籠です。

秋ならではの玄米、五穀、柿、銀杏・・・様々なブレンド茶の原材料が籠に盛られていて、とてもお洒落でした。
実った稲穂と丸々とした柿が<秋の恵み>を楽しく感じさせてくれます。
お店の若い女性は可愛らしくて説明も心がこもっていたので、思わず話が弾みました。
持っていたコンサートパンフレットを勢いに任せて彼女に進呈して、記念に一枚。

私が注文した「柿のフルーツティー」がこちらです。
こうして写真をUPすることも「喜んで」と快諾して下さいました。
こんな一期一会の小さなご縁にほっとするひと時です。
後半の打ち合わせは場所を変え、カフェで。

カフェに向かう道すがら、たまたまある知人の事を話題にしていたらその瞬間、ばったりとその方と遭遇してびっくり。
勿論ただの偶然なのですが、偶然もまたご縁、心が和みました。

『ここのカフェのモンブラン、銀座でも美味しいって有名なんですよ』と勧められ、それではと頂いてみたのですが、和栗が上品な甘さでとても美味しい秋の味、仕事にも食べ物にも素敵なセンスを持った友人と一緒の充実した一日でした。
取り留めなく綴ってみた私の10月です。
深まる季節、この時期の京都は清澄な秋の風情に包まれ、古都の矜持が漂っているような気がします。
明日24日は十五夜、知人に誘われて嵯峨本願寺でのお月見コンサートに行って参ります。
演目は声明、合唱、シャンソンの三部立てで、日暮れから音楽を楽しみながら、お寺が振る舞って下さるお月見団子とお茶を頂き、月を愛でるという会で、とても楽しみです。
嵯峨嵐山の古刹でのお月見、写真が上手く撮れましたら、また改めてご報告致しますね。
実は、昨日もいつものメンバーとの十三夜のお月見の宴があり、参加したいと思っていたのですが、生憎都合がつかず叶いませんでした。
前にブログでもご紹介したことのある正伝寺での観月の会、宴たけなわの頃に、それぞれが短歌を作り、皆様の前で読み上げるといういささかハードルの高い宴なのですが、昨日出席した友人から、速報メールが届き、「こんな歌を詠みました」と出来立てほやほやの作歌が送られてきました。
メール通信もこうなると何だかとても優雅で、<ここは京都>としみじみと感じてしまいます。
正伝寺に限らず、京都にいるとこの時期、様々な寺社などでの観月の会にお誘いを受けることが多いのですが、<月への憧憬>という、宗教心に満ちた雅やかな文化をずっと大事に生活の中に生かし続けていることを肌で実感します。
近年、薄れつつある様々な日本の年中行事ですが、<自然への畏敬>と密接に結びついて行われてきたのでしょうし、花鳥風月に心を止め、季節にふと留まる日本人のこだわりを、生活の中で私も柔らかく受け止めて、持ち続けていけたらと思うのです。
花より団子。

京都の人が並んで買うこの時期の人気スイーツはお月見団子です。
写真は、大好きな和菓子屋さん「仙太郎」のWEBから転載させて頂きましたが、白いお餅は満月、餡は月を囲む空と雲を模しているとのこと、私も今年も列に並んだ一人です。
そして、昨日は時代祭り、こちらも残念ながら、見ることが出来ませんでしたが。
約二千人が参加するという時代行列は、明治維新から始まり、時代を遡って平安朝まで約千年間の変遷が再現されてゆきます。
勇壮でそして雅やかな、各時代を再現する衣装に身を包んだ人々の長い長い行列が大路を荘重に歩み進むのです。

(時代祭2018:京都新聞より)
それをただじっと眺めていることに、最初は少々戸惑い、退屈になってくるのですが、それでもこらえ、見続けていると、やがてそれに慣れてきて、時を忘れるぼんやりとした快い酩酊感に包まれます。
思えば京都のお祭りは葵祭りも祇園祭りも皆、行列がゆっくりゆっくり通り過ぎてゆくのをただひたすら見ているというもの・・・・阿波踊りのような観客参加型のお祭りが大好きな人には、気が狂うほど緩慢なのではと思いますが、でも、きっとそれこそが古都たる所以で、この時間の流れを心地よく感じられてくる不思議が京都の魔力なのかしら、なんていつも思っています。
今朝の新聞で読んだのですが、昨日の時代祭りの最中に馬が暴れ出してしまい、怪我人が数名出たのだそうです。
武士に扮した騎手の持っていた槍が馬の腹にあたったためと報じられていました。この不幸なアクシデントが今後に深刻な影響を与えなければ良いのですが。
銀座の秋
一方、巷では、カボチャや魔女のハロウインの飾りがあちこちに溢れています。
「ハロウイン??」と首を傾げた一昔前から考えると隔世の感がありますね。
世界のいたるところにお祭りはありますし、お祭り好きは人類共通のものという気がしますが、でも他国の祭事をどんどん取り入れて、日本風にいつの間にかアレンジしてしまうのは、さすがあっという間に文明開化を遂げた<換骨奪胎の我が国>と感心するばかりです。
そんなカボチャで溢れる中、先日、銀座に行きました。
仕事の打ち合わせだったのですが、お昼をという事になって,「ヒガシヤ ギンザ」というお店にご案内頂きました。
<新しいお茶の愉しみ方>をコンセプトに、お洒落にお茶を供するお店、和食のランチコースもあって、器一つ一つ、提供するタイミングなども行き届いていて、ゆったりとした美味しい時間を堪能しました。
最後のデザートタイムに『どのお茶を召し上がりますか』と持ってきてくれたのがこの籠です。

秋ならではの玄米、五穀、柿、銀杏・・・様々なブレンド茶の原材料が籠に盛られていて、とてもお洒落でした。
実った稲穂と丸々とした柿が<秋の恵み>を楽しく感じさせてくれます。
お店の若い女性は可愛らしくて説明も心がこもっていたので、思わず話が弾みました。
持っていたコンサートパンフレットを勢いに任せて彼女に進呈して、記念に一枚。

私が注文した「柿のフルーツティー」がこちらです。
こうして写真をUPすることも「喜んで」と快諾して下さいました。
こんな一期一会の小さなご縁にほっとするひと時です。
後半の打ち合わせは場所を変え、カフェで。

カフェに向かう道すがら、たまたまある知人の事を話題にしていたらその瞬間、ばったりとその方と遭遇してびっくり。
勿論ただの偶然なのですが、偶然もまたご縁、心が和みました。

『ここのカフェのモンブラン、銀座でも美味しいって有名なんですよ』と勧められ、それではと頂いてみたのですが、和栗が上品な甘さでとても美味しい秋の味、仕事にも食べ物にも素敵なセンスを持った友人と一緒の充実した一日でした。
取り留めなく綴ってみた私の10月です。


