
「宵酔良い山」
お陰様で今年を締めくくるコンサート、「デリシャス・クリスマス」が、一昨日無事終了致しました。
師走のお忙しい中、お出で頂きましたお客様、本当に有難うございました。
文字通りの満席で、華やいだ空気が一杯に溢れた一日でした。
巴里野郎の扉を開けるとポインセチアがたくさん飾られていて、会場はすっかりクリスマスムードです。

12月22日、クリスマスの3日前なので、「宵宵宵山ですね!」などとご挨拶したのですが(京都では祇園祭の前日を宵山と言います)、翌日お客様からこんなウイットに富んだ温かいねぎらいのお言葉を頂きました。
綾音様
「宵酔良い山」満喫いたしました。
昨日はフルコースご馳走様でした。
いろいろな器で美味しさを味わいました。
ステージの松峰様は可愛らしくて、こちらもリズミカルな歌を体で感じながらクリスマスの雰囲気に浸ると、子供の頃のクリスマスを思い出して幸せな気分になります。
朗読もお馴染みのお歌もしみじみと心に入ってきて、私は一時的に文学少女気分。気がつくと、大胆な行動を支持していたり、ロマンティックな気分になったり、祈っていたりもしました。
次のメニューもまた同じシェフで味わいたいと願いました。
「デリシャス」という言葉にこだわって、今回のプログラムには「本日のお品書きmenu du jour」と書いてみたのですが、こんなお洒落な返信を頂き、感激しています。
「可愛らしく」などとまでおっしゃっていただき恐縮するばかりですが・・・・朗読で3~4歳の女の子の声色に挑戦したり、子供のためのクリスマス・ソングなど入れたねぎらいかと・・・重ねて、お優しいお言葉を有難うございます。
第一部
詩人黒田三郎氏の詩集『小さなユリと』から『九月の風』『夕方の30分』の二編の詩。
長患いで闘病生活をしている妻の不在を、幼い娘と共に、必死で耐えている日常を、飾らない言葉で綴った詩の朗読からコンサートをスタートしました。
それから やがて しずかで美しい時間がやってくる
おやじは素直にやさしくなる
小さなユリも素直にやさしくなる
食卓に向かい合ってふたりすわる
『夕方の30分』という詩のこの最後の部分がしみじみと胸に染み入ってきて私は大好きです。
「オト―チャマ」と「小さなユリ」との、日々繰り返されるこぜりあいの末にやってくる温かい時間の中で、二人で食べた夕食は、どんなに忘れがたい味わいだったのでしょうか。人の時間の中に刻まれてゆくデリシャスな味ってこういうものなのではないかと思うのです。

いつ、誰と、どんな時、どんな状況の中で食べるか、それが忘れがたい一期一会の物語と重なった時、どんなに苦い状況であったとしても、真のデリシャスな食べ物、飲み物となる・・・そんなことを思わせてくれる曲や詩、小説を集めてみました。

第一部は明るくキュートな曲を中心に。
一部の最後はサンタクロースの歌を二曲。
ピアニストの坂下さんと二人サンタ帽をかぶりノリノリでした。
シャンパーニュ エペルネ AM5:00
今回もコンサートプログラムを作成しました。
これが表紙。

表と裏とが青紫の美しい風景で繋がっています。
一部後半で歌った曲「サンタベイビー」の訳詞に
シャンパーニュ
飛び切りのテタンジェよ
という一節があるのですが、これに因んだ写真なのです。
フランスに造詣が深く、ワインの事にも精通している友人にシャンパンの銘柄について教えて頂いたとき、シャンパーニュ地方を旅行した際、撮影したというこんな素敵な写真を下さいました。
エペルネはシャンパーニュ(シャンパン)のメッカ、ワイナリーが立ち並んでいる土地なのですが、その中で、詩中に登場するテタンジェのワイン醸造所が写真中央にあります。
夜明けの情景。
濃い紺色がやがて紫がかった光を帯びて空を染めてゆく美しい一枚です。
枕草子にも「やうやう白くなりゆく山際、少し明かりて、紫だちたる雲の細くたなびきたる・・・」とありましたね。
説明しなければ目に留まらないかもしれないのですが、私のコンサートにはそういう様々な細部に密かなるこだわりが詰まっていて、その集積の総量がステージへのエネルギーに転化されていく気がして、どんどん凝り性になってしまいます。
第二部
二部も朗読からスタート。
有島武郎の『一房の葡萄』を取り上げてみました。

横浜の山の手が舞台。
私はこの近くで生まれて、幼い頃暮らしていましたので、何とも郷愁を感じます。
そしてここに登場する、外国人の若い女教師の慈しみ深い眼差しが、とても素敵で、忘れてはならない大切なものを柔らかく語っている気がして愛着の深い作品なのです。
紫色の一房の葡萄は、主人公の少年の心に、生涯忘れられない味を刻んだのでしょう。

コンサートは佳境に入り、あっという間に時が過ぎ・・・・最後に「きよしこの夜」を会場と共に歌いました。
皆様が唱和してくださり、楽しく和やかな、一足早いクリスマスでした。
聖夜を飾る花々

お客様から頂いた花束がクリスマスイブの今日、我が家のリビングを美しく彩っています。
華やかなクリスマスカラーですね。

そして、もう一つ。
こちらはお茶席にそっと添える白玉と呼ばれる椿。
「今日は冬至なので、帰ったら柚子湯で温まって下さい」とお庭の柚子を持ってきて下さったお客様も。
椿の元に薫り高い柚子たちを置いて飾ってみました。
皆様、温かいお気持ちを本当に有難うございます。
お陰様で今年を締めくくるコンサート、「デリシャス・クリスマス」が、一昨日無事終了致しました。
師走のお忙しい中、お出で頂きましたお客様、本当に有難うございました。
文字通りの満席で、華やいだ空気が一杯に溢れた一日でした。
巴里野郎の扉を開けるとポインセチアがたくさん飾られていて、会場はすっかりクリスマスムードです。


12月22日、クリスマスの3日前なので、「宵宵宵山ですね!」などとご挨拶したのですが(京都では祇園祭の前日を宵山と言います)、翌日お客様からこんなウイットに富んだ温かいねぎらいのお言葉を頂きました。
綾音様
「宵酔良い山」満喫いたしました。
昨日はフルコースご馳走様でした。
いろいろな器で美味しさを味わいました。
ステージの松峰様は可愛らしくて、こちらもリズミカルな歌を体で感じながらクリスマスの雰囲気に浸ると、子供の頃のクリスマスを思い出して幸せな気分になります。
朗読もお馴染みのお歌もしみじみと心に入ってきて、私は一時的に文学少女気分。気がつくと、大胆な行動を支持していたり、ロマンティックな気分になったり、祈っていたりもしました。
次のメニューもまた同じシェフで味わいたいと願いました。
「デリシャス」という言葉にこだわって、今回のプログラムには「本日のお品書きmenu du jour」と書いてみたのですが、こんなお洒落な返信を頂き、感激しています。
「可愛らしく」などとまでおっしゃっていただき恐縮するばかりですが・・・・朗読で3~4歳の女の子の声色に挑戦したり、子供のためのクリスマス・ソングなど入れたねぎらいかと・・・重ねて、お優しいお言葉を有難うございます。
第一部
詩人黒田三郎氏の詩集『小さなユリと』から『九月の風』『夕方の30分』の二編の詩。
長患いで闘病生活をしている妻の不在を、幼い娘と共に、必死で耐えている日常を、飾らない言葉で綴った詩の朗読からコンサートをスタートしました。
それから やがて しずかで美しい時間がやってくる
おやじは素直にやさしくなる
小さなユリも素直にやさしくなる
食卓に向かい合ってふたりすわる
『夕方の30分』という詩のこの最後の部分がしみじみと胸に染み入ってきて私は大好きです。
「オト―チャマ」と「小さなユリ」との、日々繰り返されるこぜりあいの末にやってくる温かい時間の中で、二人で食べた夕食は、どんなに忘れがたい味わいだったのでしょうか。人の時間の中に刻まれてゆくデリシャスな味ってこういうものなのではないかと思うのです。

いつ、誰と、どんな時、どんな状況の中で食べるか、それが忘れがたい一期一会の物語と重なった時、どんなに苦い状況であったとしても、真のデリシャスな食べ物、飲み物となる・・・そんなことを思わせてくれる曲や詩、小説を集めてみました。

第一部は明るくキュートな曲を中心に。
一部の最後はサンタクロースの歌を二曲。
ピアニストの坂下さんと二人サンタ帽をかぶりノリノリでした。
シャンパーニュ エペルネ AM5:00
今回もコンサートプログラムを作成しました。
これが表紙。

表と裏とが青紫の美しい風景で繋がっています。
一部後半で歌った曲「サンタベイビー」の訳詞に
シャンパーニュ
飛び切りのテタンジェよ
という一節があるのですが、これに因んだ写真なのです。
フランスに造詣が深く、ワインの事にも精通している友人にシャンパンの銘柄について教えて頂いたとき、シャンパーニュ地方を旅行した際、撮影したというこんな素敵な写真を下さいました。
エペルネはシャンパーニュ(シャンパン)のメッカ、ワイナリーが立ち並んでいる土地なのですが、その中で、詩中に登場するテタンジェのワイン醸造所が写真中央にあります。
夜明けの情景。
濃い紺色がやがて紫がかった光を帯びて空を染めてゆく美しい一枚です。
枕草子にも「やうやう白くなりゆく山際、少し明かりて、紫だちたる雲の細くたなびきたる・・・」とありましたね。
説明しなければ目に留まらないかもしれないのですが、私のコンサートにはそういう様々な細部に密かなるこだわりが詰まっていて、その集積の総量がステージへのエネルギーに転化されていく気がして、どんどん凝り性になってしまいます。
第二部
二部も朗読からスタート。
有島武郎の『一房の葡萄』を取り上げてみました。

横浜の山の手が舞台。
私はこの近くで生まれて、幼い頃暮らしていましたので、何とも郷愁を感じます。
そしてここに登場する、外国人の若い女教師の慈しみ深い眼差しが、とても素敵で、忘れてはならない大切なものを柔らかく語っている気がして愛着の深い作品なのです。
紫色の一房の葡萄は、主人公の少年の心に、生涯忘れられない味を刻んだのでしょう。

コンサートは佳境に入り、あっという間に時が過ぎ・・・・最後に「きよしこの夜」を会場と共に歌いました。
皆様が唱和してくださり、楽しく和やかな、一足早いクリスマスでした。
聖夜を飾る花々

お客様から頂いた花束がクリスマスイブの今日、我が家のリビングを美しく彩っています。
華やかなクリスマスカラーですね。

そして、もう一つ。
こちらはお茶席にそっと添える白玉と呼ばれる椿。
「今日は冬至なので、帰ったら柚子湯で温まって下さい」とお庭の柚子を持ってきて下さったお客様も。
椿の元に薫り高い柚子たちを置いて飾ってみました。
皆様、温かいお気持ちを本当に有難うございます。


