
7月14日。
今日は何の日でしょうか?
昨日のブログで祇園祭の<宵々々山>と言ってたでしょう?!・・・・ってお答えが聞こえてきそうですが。・・・・・それはそうなんですが、でもシャンソンに関わる身としては、何よりもまず、「パリ祭」を挙げなければなりませんでした。
7月14日・・・・フランスでは「Quatorze Juillet(7月14日)」と呼ばれ、日本での通称は「パリ祭」。
フランス革命を記念する、フランス国民最重要祝日です。
日本の7月は、シャンソンの季節でもあり、7月に入ると一斉に、シャンソン界では、パリ祭のイベントで盛り上がります。日本シャンソン協会が主催する「パリ祭」(今年は7月2日と3日にNHKホールで行われました)を筆頭として、多くのシャンソニエでは、工夫を凝らしたパリ祭コンサートが催されますし、歌手の方たちは、それぞれのパリ祭ライブ等企画なさっていますね。
ところで、パリと京都は1958年に友情盟約都市の条約が結ばれているのを御存知でしたか?
もう50年以上も続いていて、この関係は、既に金婚式並みの年季が入っているんです。 鴨川はセーヌにどこか似ている・・・というキャッチフレーズも何かにつけて耳にすることですし、だったら、14日の革命記念日はもう少し皆でお祝いしてあげても・・・・と思うのですが、生憎、間が悪かったようで、京都は祇園祭り最高潮、14日は<宵々々山>で手一杯ですので、街を普通に歩いている限り、パリの香りもシャンソンの一節も一切なく、朝から賑やかに鳴り響く祇園囃子に凌駕され尽くしております。
京都圏外の私のシャンソン関係の知人達はきっと、この数日は様々なパリ祭三昧なのだろうなと思いつつ、ここは京都・・・私は「祇園祭点描」の続きなど楽しく今日も記したいと思います。
何しろ長刀鉾のすぐ近くに住まいしていますので、京都四条の繁華街周辺、この辺りの賑わいの点描から。
*その一・・・団扇(うちわ)。
四条通りなどを歩いていると、お店の店頭、信号待ちの交差点辺りでも、祇園祭PRの団扇が道行く人に配られているのを目にします。お祭りを街をあげてバックアップしていることが良くわかるのですが、それで、街行く人たちが皆、扇子より団扇を手にしてパタパタ扇ぎながら歩いています。
祇園祭に限らず、京都の夏は老若男女、団扇を持ってお買い物をしている人がとても多く、四条通りは言ってみれば、東京の銀座通りみたいなものですから、新参者の私にとっては、何だかとても不思議で日本的。懐かしいふるさとを見るような気分がしてしまいます。
*その二・・・浴衣(ゆかた)。
京都の街はさすがに普段でも着物の女性が多く、特に夏は、・・・普通に涼しげに一重の着物などシャキッと着こなしている方などにすれ違うと、本当に感動しますが、・・この時期になると、街に浴衣人口が急増します。
若い女性も、すっきりと身について美しくて、さすが古都京都、着物文化が自然に生活に溶け込んで、無理なく守られていることにとても誇らしさを感じます。
大丸京都店(「だいまるきょうとみせ」と発音します。「大丸百貨店」と言うこともありますが、デパートと言ったらよそ者っぽいです。)のインフォメーション風景。
女性だけでなく男性の店員さんもこの時期、浴衣を着て応対しています。観光客がバシバシとシャッターを押していたので、私も紛れて一枚撮らせていただきました。
同じく大丸のエレベーターガール。祇園祭り気分満載ですね。
東京のデパートは最近殆どが自動で、エレベーターに一緒に乗り込んでフロアー案内を専門にしてくれる店員さんを置かなくなってきましたね。コストダウンなのでしょうが、こういうゆとりというか、一種の贅沢も悪くないなって感じます。老齢の方とか、体のご不自由な方にとても親切に対応している彼女たちに、嬉しそうにお礼を言っているおじいちゃまおばあちゃまを見るのは心が和む気がしますし、愛される百貨店につながってゆく気がしますので。
京都中央信用金庫にて。
お客様ではありません。れっきとした行員さんです。やはり祇園祭バージョンで浴衣姿でお仕事です。遠慮して後姿だけ遠巻きに撮らせていただきました。
*その三・・・祇園囃子
7月に入ると、祇園囃子が街のスピーカーから流れてきます。
窓を開けると遠くからかすかにこの音が聴こえてきて、いつもはシャンソンがBGMの我が家も、急に和の世界に一変してしまう気がします。時々、混ざりあったりして、つかの間の友情盟約締結ですね。
祇園囃子は、~~コンコンチキチン コンチキチン~~ と奏でているそうなんですが、・・・ム??・・と思っていても、そのうち ホーホケキョー や コケコッコー と同様、そのように聴こえてくるから不思議です。
今までスピーカーから流れていたのは録音ですが、宵々々山から山鉾巡行まで、鉾の上で囃子方が奏でてくれる生の響きを楽しむことが出来、格別の風情があります。
*その四・・・バス停休止
山鉾はバス通りに出現するので、山鉾の組み立ての進捗具合と共に、バスの停車位置が日一日と、ずれてゆきます。
運転手さんが、「今日は○○バス停が△△メートル先に変わります」とか、「今日から××バス停は止まりません」とか、「ここから先は山鉾組み立てのため渋滞しますので、お急ぎの方は降りてお歩き下さい」とかアナウンスします。乗客は「ああ祇園祭やさかいなあ」と当たり前のように、しかるべく対応します。
*その五・・・粽(ちまき)
祇園祭のトレンディーな食べ物は、粽(ちまき)です。
6月の「水無月」が終わっても、京都の和菓子屋さんは困らないようになっているのですね。
左は食べ物の粽
右はそれぞれの山鉾で売っている厄除けのお守りの粽・・・食べられません。
まだまだご紹介したいものはありますが、きりがないのでこれくらいにして。
最後に宵山についてのご説明を。
クリスマスは12月25日ですが、イヴは24日の夜ですね。近頃は23日の夜をイヴイヴと言ったりしますね。・・・・これと同じ原理です。
17日の山鉾巡行の前夜(16日の夜)を宵山(よいやま)と言い、翌日の巡行の無事を願って神事を行います。提灯に明りが灯り、出店が軒を連ねて人々が集い、賑わい、夜を徹して前夜祭、祭りの最高潮を迎えます。
15日の夜は、宵山前夜ということで、宵々山(よいよいやま)と呼ばれ、・・・これだけでもまだ足らず、その前夜14日を宵々々山(よいよいよいやま)と称するのですね。
今撮ってきた写真です。
かなりな人出で賑やかに盛り上がっていましたし、提灯の明かりが美しく、夏の暑い京都を乗り切るための、昔からの知恵、気迫が迫ってくるように感じられて興味深かったです。
これにて、今年の祇園祭点描を終了致します。
実は明日から巡行の17日まで京都を留守に致します・・・・・一番の見どころを見ず、レポートできず、何とも申し訳ありません。
TV、新聞等で後はよろしくお願いいたします。
百聞は・・という方は是非、上洛なさってこの続きをご確認くださいね。ただし暑いのは覚悟の上で・・・。
今日は何の日でしょうか?
昨日のブログで祇園祭の<宵々々山>と言ってたでしょう?!・・・・ってお答えが聞こえてきそうですが。・・・・・それはそうなんですが、でもシャンソンに関わる身としては、何よりもまず、「パリ祭」を挙げなければなりませんでした。
7月14日・・・・フランスでは「Quatorze Juillet(7月14日)」と呼ばれ、日本での通称は「パリ祭」。
フランス革命を記念する、フランス国民最重要祝日です。

ところで、パリと京都は1958年に友情盟約都市の条約が結ばれているのを御存知でしたか?
もう50年以上も続いていて、この関係は、既に金婚式並みの年季が入っているんです。 鴨川はセーヌにどこか似ている・・・というキャッチフレーズも何かにつけて耳にすることですし、だったら、14日の革命記念日はもう少し皆でお祝いしてあげても・・・・と思うのですが、生憎、間が悪かったようで、京都は祇園祭り最高潮、14日は<宵々々山>で手一杯ですので、街を普通に歩いている限り、パリの香りもシャンソンの一節も一切なく、朝から賑やかに鳴り響く祇園囃子に凌駕され尽くしております。
京都圏外の私のシャンソン関係の知人達はきっと、この数日は様々なパリ祭三昧なのだろうなと思いつつ、ここは京都・・・私は「祇園祭点描」の続きなど楽しく今日も記したいと思います。
何しろ長刀鉾のすぐ近くに住まいしていますので、京都四条の繁華街周辺、この辺りの賑わいの点描から。
*その一・・・団扇(うちわ)。
四条通りなどを歩いていると、お店の店頭、信号待ちの交差点辺りでも、祇園祭PRの団扇が道行く人に配られているのを目にします。お祭りを街をあげてバックアップしていることが良くわかるのですが、それで、街行く人たちが皆、扇子より団扇を手にしてパタパタ扇ぎながら歩いています。
祇園祭に限らず、京都の夏は老若男女、団扇を持ってお買い物をしている人がとても多く、四条通りは言ってみれば、東京の銀座通りみたいなものですから、新参者の私にとっては、何だかとても不思議で日本的。懐かしいふるさとを見るような気分がしてしまいます。
*その二・・・浴衣(ゆかた)。
京都の街はさすがに普段でも着物の女性が多く、特に夏は、・・・普通に涼しげに一重の着物などシャキッと着こなしている方などにすれ違うと、本当に感動しますが、・・この時期になると、街に浴衣人口が急増します。
若い女性も、すっきりと身について美しくて、さすが古都京都、着物文化が自然に生活に溶け込んで、無理なく守られていることにとても誇らしさを感じます。

女性だけでなく男性の店員さんもこの時期、浴衣を着て応対しています。観光客がバシバシとシャッターを押していたので、私も紛れて一枚撮らせていただきました。

同じく大丸のエレベーターガール。祇園祭り気分満載ですね。
東京のデパートは最近殆どが自動で、エレベーターに一緒に乗り込んでフロアー案内を専門にしてくれる店員さんを置かなくなってきましたね。コストダウンなのでしょうが、こういうゆとりというか、一種の贅沢も悪くないなって感じます。老齢の方とか、体のご不自由な方にとても親切に対応している彼女たちに、嬉しそうにお礼を言っているおじいちゃまおばあちゃまを見るのは心が和む気がしますし、愛される百貨店につながってゆく気がしますので。

京都中央信用金庫にて。
お客様ではありません。れっきとした行員さんです。やはり祇園祭バージョンで浴衣姿でお仕事です。遠慮して後姿だけ遠巻きに撮らせていただきました。
*その三・・・祇園囃子
7月に入ると、祇園囃子が街のスピーカーから流れてきます。
窓を開けると遠くからかすかにこの音が聴こえてきて、いつもはシャンソンがBGMの我が家も、急に和の世界に一変してしまう気がします。時々、混ざりあったりして、つかの間の友情盟約締結ですね。

今までスピーカーから流れていたのは録音ですが、宵々々山から山鉾巡行まで、鉾の上で囃子方が奏でてくれる生の響きを楽しむことが出来、格別の風情があります。

山鉾はバス通りに出現するので、山鉾の組み立ての進捗具合と共に、バスの停車位置が日一日と、ずれてゆきます。
運転手さんが、「今日は○○バス停が△△メートル先に変わります」とか、「今日から××バス停は止まりません」とか、「ここから先は山鉾組み立てのため渋滞しますので、お急ぎの方は降りてお歩き下さい」とかアナウンスします。乗客は「ああ祇園祭やさかいなあ」と当たり前のように、しかるべく対応します。
*その五・・・粽(ちまき)
祇園祭のトレンディーな食べ物は、粽(ちまき)です。
6月の「水無月」が終わっても、京都の和菓子屋さんは困らないようになっているのですね。
左は食べ物の粽
右はそれぞれの山鉾で売っている厄除けのお守りの粽・・・食べられません。


まだまだご紹介したいものはありますが、きりがないのでこれくらいにして。
最後に宵山についてのご説明を。
クリスマスは12月25日ですが、イヴは24日の夜ですね。近頃は23日の夜をイヴイヴと言ったりしますね。・・・・これと同じ原理です。
17日の山鉾巡行の前夜(16日の夜)を宵山(よいやま)と言い、翌日の巡行の無事を願って神事を行います。提灯に明りが灯り、出店が軒を連ねて人々が集い、賑わい、夜を徹して前夜祭、祭りの最高潮を迎えます。
15日の夜は、宵山前夜ということで、宵々山(よいよいやま)と呼ばれ、・・・これだけでもまだ足らず、その前夜14日を宵々々山(よいよいよいやま)と称するのですね。
今撮ってきた写真です。

これにて、今年の祇園祭点描を終了致します。
実は明日から巡行の17日まで京都を留守に致します・・・・・一番の見どころを見ず、レポートできず、何とも申し訳ありません。
TV、新聞等で後はよろしくお願いいたします。
百聞は・・という方は是非、上洛なさってこの続きをご確認くださいね。ただし暑いのは覚悟の上で・・・。


