fc2ブログ

新しいシャンソンを新しい言葉に乗せて

   シャンソンの訳詞のつれづれに                      ~ 松峰綾音のオフィシャルブログへようこそ ~

『したたりひとしずく』京都公演終了致しました

 12月2日(土)、京都ナムホールでのコンサートは無事終了致しました。
 紅葉真っ盛りの中、お天気も良く爽やかな一日、関東からご旅行を兼ねていらして下さったお客様にも、とても喜んで頂けて嬉しかったです。
ナムホール2
 文字通りの満員御礼となりました。
 お運び下さいました皆様、本当にありがとうございます。
公演2

 コンサートが終わるといつも全エネルギーを出し切った気がして、数日はぼおっとした虚脱感があります。
 でもそういう時間もまた、次へのスタートを切るために、却って必要なのかもしれません。ステージに立っていたことそのものが夢のようにも思えてくるのですが、お客様に戴いた花束を家に飾って眺めていると、心が温かくなり、夢ではなく本当に過ごした時間なのだと実感されます。
花束2

「百万本の薔薇」のメロディーが浮かんでくるような深紅の薔薇。

花束1



 そして対照的な、真っ白な花々に包まれたピンクの薔薇。
幸せだと思います。

 したたりひとしずく・・・いろいろな想いを込めてお送りした今回のコンサートですが、それぞれの皆様に届くものがあったでしょうか。

 16日土曜日の湘南鵠沼でのコンサートが、あと一週間後に迫っています。
 心身のリセットも充分できましたので、次に向けて気合いを入れ直し、しっかりと臨みたいと思います。
 今回のコンサートの内容は、16日にいらして下さるお客様のために今はマル秘という事にして、全て終了しましたらゆっくりご報告させて頂きますね。

 16日のチケットはそろそろ完売となりそうですので、ご予定下さっている方、どうぞお早めにお申し込み下さいますように。

 ところで、唐突ですが、今日のランチはホットケーキでした。
 母の事もあってちょっとしみじみとして、『ホットケーキの味』という文章を綴ってみました。
 お読みいただけるでしょうか。

   ホットケーキの味      松峰綾音

  「昔ながらの銅板焼きホットケーキ」と 
  店の前の看板に書いてあったので
  ふらりと扉を開けた
スノードーム1
  初めて入った”Kカフェ”の片隅の席
  テーブルにスノードームが置かれていて
  キラキラとクリスマスが光っていた

  十五分が過ぎて
  ホットケーキが運ばれてきた

  弟が生まれる前
  まだ四歳の頃のホットケーキの記憶

  父と母と三人で横浜に買い物に出かける時のお昼は
  いつも決まって
  駅のすぐ前の
  らせん状の外階段を二階に上ったお洒落なカフェ
  かならず注文してくれたホットケーキとフルーツポンチ

  だから 今でも懐かしい食べ物
  でも 思い出の中の味は超えないと思うから
  大人になってから注文したことはなかった
  幸せの中にだけ あってくれればよかった

  母が亡くなってちょうど一か月目、月命日の翌日が京都でのコンサートだった
  コンサート会場に向かう時
  ふと昔のあの店が思い出された
  らせん階段の上の大きなガラスの扉
  あの頃のホットケーキとフルーツポンチ
  無事に歌い切ったら
  久しぶりに食べたいと思った

  それからまた一週間が過ぎた今日
  そう思ったのをすっかり忘れていたのに
  店の前の看板を見たら急に入りたくなった
  パンケーキじゃなくてホットケーキ
  これなら良い
  でもフルーツポンチはメニューになかった

  運ばれてきたのは立派な二枚重ね
  こんなに大きくなくって
  もっとたよりなく 小さく 薄く
  もっとほんのりした焼き色で
  メープルシロップは
  こんなにたっぷり入ってなくて
  もっと小さなアルミのシロップ入れで

  バターはもっと真四角で チョコンと乗っているだけで

  いつも母が
  ナイフとフォークを恭しく取って
  食べやすいように綺麗に八つに切り分けてくれた

  メープルとバターが溶け合って
  美味しい香りが鼻をくすぐる

  でも やはり
  あの味とは違う
  もっと 美味しくなって
  もっと 豪華になって
  でも 違う
  独りで黙って ホットケーキをほおばる お昼どき

  味も記憶も
  一期一会だ
  それが今さらのように
  身にこたえる
  これが偲ぶという事なのだろうと
  しみじみと
  ホットケーキをほおばる


このページのトップへ

コメント


管理者にだけ表示を許可する