
今日は久しぶりに京都で過ごすオフタイムでした。
そして朝から気持ちの良い晴天・・・・市中桜満開のニュースを聞いては、お花見に行かない手はないと、早速ぶらりとそこら辺をお散歩・・・と思い立ったのですが、気がついたら何と6時間、歩き続けていました。
眩しく強い初夏のような日差しの中、日の光が沁み渡ってきて、身も心もカラリと爽快になった気がします。
今年の京都のお花見です。
なぜか今日はポピュラーな場所ばかりを回ってしまったのですが、でも、束の間、ご一緒に楽しんで下さいね。
東山三条 白川筋
スタートは10時少し前。
地の利を生かして、四条通りを真直ぐに、祇園を通過し、八坂神社に突き当たると左に曲がり、一気に知恩院まで。
知恩院横の白川筋です。
柔らかい、さみどり色の柳が風に揺れ、何とも清々しいですね。
この景色、どこかで見覚えがありませんか?
京都物のTVドラマの舞台によく出てくる見慣れた風景かと。
『京都地検の女』とか『京都迷宮案内』とか『おみやさん』・・・・あと、山村美紗さんの一連の京都ミステリードラマなど、定番のロケ場所があるみたいで、ここは、事件が起こるというよりは、途中、主人公が水面を見つめながら推理をしたりする場所か、或いは解決した後、エンディングに主役コンビが散歩する場所と決まっているみたいなのですが。
京都は少し風情のある場所はどこに行っても人が多いですので、カメラを回し易い所の条件がきっと限られているのかもしれませんね。
川沿いの割烹料理屋さんのおかみさんらしき方がバケツに紐を付けて井戸水をくみ上げるようにして、何回も何回も川の水を運んでいました。店先の植木に水やりをしたり、防火用水に足したり、打ち水をするのにも使っていて、白い割烹着姿が柳に不思議に映えて、当たり前かもしれませんが、ここでも日々の生活が普通に営まれているのだなと面白く感じました。
琵琶湖疏水 平安神宮
東山三条から、神宮道を歩いてゆくと、やがて平安神宮の朱塗りの鳥居が見えてきます。青空と桜と鮮やかな鳥居とが絵のように、京都の華やかな春を出現させているようです。
平安神宮を囲むようにして琵琶湖疏水(岡崎疎水)が流れているのですが、この疏水を渡る十石舟が桜のシーズン限定で運行されています。30分弱の行程ですが、舟に乗って両岸の桜を楽しむという趣向で、私も以前乗ってみたことがありますが、束の間、舟遊びをしているような優雅な気分に浸ることができました。
平安神宮はいつも人出が多いですので、遠巻きに眺めるばかりで、中に入ったのは久しぶりでした。
「金閣、銀閣、清水はんに平安神宮」京都の初心者版4大観光名所をそう呼ぶのだと前にタクシーの運転手さんに聞いたことがありましたが、桜のこの時期はまさにピークで・・・。
平安神宮の桜と言えばこの八重紅枝垂桜(やえべにしだれざくら)ですね。
本当に見事です。
谷崎潤一郎の長編小説『細雪(ささめゆき)』に主人公たち姉妹がこの枝垂れ桜の下に集うという場面があり、昔観た市川崑監督のこの『細雪』の映画でも絢爛と咲き誇る桜がこの上なく美しく、幻想的な映像だったのをふと思い出しました。
そう言えば昔、知人のアメリカ人の青年がこの映画を観て、「物語と映像に溢れる<日本的なものの持つ余りの優美さ>に涙が止まらなかった」と話していたことがありました。
日本人でも、なかなかこういう美しさを感受できなくなっているのに・・と何とも言えない衝撃でした・・・。
桜のうすいピンク色が水面に映し出されて。そして身づくろいをする白鷺も美しく調和しています。
平安神宮を後に疏水沿いを南禅寺まで足を延ばすことにしました。
蹴上まで行くと、先ほどの十石舟の船着き場が見えてきます。
あれ??今日は待ってる人が少ないのはなぜ??と一瞬思ったのですが、よく見ると<今販売の切符のご乗船時間は16時45分です>という看板がありました。
この時12時30分でしたから、空いているどころではありませんね。乗船客は予約して時間までどこかで調整しているのでしょう。
南禅寺 哲学の道
でも、だんだん歩くのが愉快になってきて、いつまででも歩き続けられそうな勢いでインクラインをいざ南禅寺へ。
日差しがきつくて、じりじりと日に焼けます。
お馴染みの五右衛門ゆかりの山門も、桜に飾られて優しげに見えます。
そして、上を疏水が流れるレンガ造りの水路。独特な風情が良いですね。ここもドラマロケスポットです。・・・・ここでは犯人を追い詰めたり、犯人が犯罪を告白したりするシーンがなぜか多いです。・・・・・そんなにドラマに熟知しているわけではありませんが。
気が付くと2時近くになっていました。ここまで来たのだから、欲張って、やはり哲学の道を歩いて締めくくりとしようと思い、今度は、永観堂を通って、哲学の道に出ました。
昨年、桜の事をブログに書いたのですが、読み返してみたらとても懐かしくなりました。・・・よろしかったら一年前の記事もご覧になってみて下さい。
東京から遊びにいらした友人のMさんと一緒に歩いた哲学の道です。
この一年、色々なことがありましたが、それでも季節は巡り、花は変わらず美しく咲き誇るのですね。
目を上げると、叶匠壽庵が。
<串焼もち>のノボリにふらふらっと引き寄せられて。
さすが和菓子屋さんのお団子は気合いが入っていました。香ばしく焼いた蓬(よもぎ)餅にたっぷり善哉のような餡がかかっていて、普段は餡子ものはそんなに得意ではないのですが、歩いた疲れもあったせいか、本当に美味しかったです。
出発地点の知恩院辺りに戻り、今度は祇園白川に抜けて帰路を辿ります。
ここもいつもの散歩道。
辰巳神社の前には婚礼衣装を纏い、記念写真を撮っているカップルが幸せそうでした。大勢の観光客の方達がそれを囲んで、祝福の言葉を。何とも和やかで平和な光景です。
祇園白川の桜は八分咲きくらいでしょうか?今年は開花が遅かったので、京都は今週末まで楽しめそうです。
4時頃、祇園花見小路の辺りに差し掛かった時、すごい数の警官とパトカーと消防自動車と、テレビ局や新聞社のカメラも沢山入っていて、道は塞がれ、やがて交通整理に従って多くの通行人が声を潜めて足早やに過ぎてゆきました。
何か大変な事があったのは一目了然です。
茫然としていたその時、携帯にFさんとCちゃんから殆ど同時にメールが届きました。
「近くで大きな事故が起こったようだけれど、今外出中ですか?無事ですか?」という、私の安否を気遣って下さる内容でした。
事態が今一つ飲み込めないまま、兎も角も家に戻って、ニュースをみましたら、車が横断歩道に突っ込んで多くの犠牲者を出し、そのまま暴走し、激突したのだという報道でした。
亡くなられた方のご冥福を心からお祈りするとともに、偶然に支配されて生きている私たちの今という時間の意味を、改めて強く実感した1日でした。
そして朝から気持ちの良い晴天・・・・市中桜満開のニュースを聞いては、お花見に行かない手はないと、早速ぶらりとそこら辺をお散歩・・・と思い立ったのですが、気がついたら何と6時間、歩き続けていました。
眩しく強い初夏のような日差しの中、日の光が沁み渡ってきて、身も心もカラリと爽快になった気がします。
今年の京都のお花見です。
なぜか今日はポピュラーな場所ばかりを回ってしまったのですが、でも、束の間、ご一緒に楽しんで下さいね。
東山三条 白川筋
スタートは10時少し前。
地の利を生かして、四条通りを真直ぐに、祇園を通過し、八坂神社に突き当たると左に曲がり、一気に知恩院まで。
知恩院横の白川筋です。
柔らかい、さみどり色の柳が風に揺れ、何とも清々しいですね。
この景色、どこかで見覚えがありませんか?

『京都地検の女』とか『京都迷宮案内』とか『おみやさん』・・・・あと、山村美紗さんの一連の京都ミステリードラマなど、定番のロケ場所があるみたいで、ここは、事件が起こるというよりは、途中、主人公が水面を見つめながら推理をしたりする場所か、或いは解決した後、エンディングに主役コンビが散歩する場所と決まっているみたいなのですが。
京都は少し風情のある場所はどこに行っても人が多いですので、カメラを回し易い所の条件がきっと限られているのかもしれませんね。

川沿いの割烹料理屋さんのおかみさんらしき方がバケツに紐を付けて井戸水をくみ上げるようにして、何回も何回も川の水を運んでいました。店先の植木に水やりをしたり、防火用水に足したり、打ち水をするのにも使っていて、白い割烹着姿が柳に不思議に映えて、当たり前かもしれませんが、ここでも日々の生活が普通に営まれているのだなと面白く感じました。
琵琶湖疏水 平安神宮
東山三条から、神宮道を歩いてゆくと、やがて平安神宮の朱塗りの鳥居が見えてきます。青空と桜と鮮やかな鳥居とが絵のように、京都の華やかな春を出現させているようです。


平安神宮を囲むようにして琵琶湖疏水(岡崎疎水)が流れているのですが、この疏水を渡る十石舟が桜のシーズン限定で運行されています。30分弱の行程ですが、舟に乗って両岸の桜を楽しむという趣向で、私も以前乗ってみたことがありますが、束の間、舟遊びをしているような優雅な気分に浸ることができました。
平安神宮はいつも人出が多いですので、遠巻きに眺めるばかりで、中に入ったのは久しぶりでした。
「金閣、銀閣、清水はんに平安神宮」京都の初心者版4大観光名所をそう呼ぶのだと前にタクシーの運転手さんに聞いたことがありましたが、桜のこの時期はまさにピークで・・・。

平安神宮の桜と言えばこの八重紅枝垂桜(やえべにしだれざくら)ですね。
本当に見事です。
谷崎潤一郎の長編小説『細雪(ささめゆき)』に主人公たち姉妹がこの枝垂れ桜の下に集うという場面があり、昔観た市川崑監督のこの『細雪』の映画でも絢爛と咲き誇る桜がこの上なく美しく、幻想的な映像だったのをふと思い出しました。
そう言えば昔、知人のアメリカ人の青年がこの映画を観て、「物語と映像に溢れる<日本的なものの持つ余りの優美さ>に涙が止まらなかった」と話していたことがありました。
日本人でも、なかなかこういう美しさを感受できなくなっているのに・・と何とも言えない衝撃でした・・・。
桜のうすいピンク色が水面に映し出されて。そして身づくろいをする白鷺も美しく調和しています。

平安神宮を後に疏水沿いを南禅寺まで足を延ばすことにしました。
蹴上まで行くと、先ほどの十石舟の船着き場が見えてきます。
あれ??今日は待ってる人が少ないのはなぜ??と一瞬思ったのですが、よく見ると<今販売の切符のご乗船時間は16時45分です>という看板がありました。


この時12時30分でしたから、空いているどころではありませんね。乗船客は予約して時間までどこかで調整しているのでしょう。
南禅寺 哲学の道
でも、だんだん歩くのが愉快になってきて、いつまででも歩き続けられそうな勢いでインクラインをいざ南禅寺へ。
日差しがきつくて、じりじりと日に焼けます。


お馴染みの五右衛門ゆかりの山門も、桜に飾られて優しげに見えます。

そして、上を疏水が流れるレンガ造りの水路。独特な風情が良いですね。ここもドラマロケスポットです。・・・・ここでは犯人を追い詰めたり、犯人が犯罪を告白したりするシーンがなぜか多いです。・・・・・そんなにドラマに熟知しているわけではありませんが。
気が付くと2時近くになっていました。ここまで来たのだから、欲張って、やはり哲学の道を歩いて締めくくりとしようと思い、今度は、永観堂を通って、哲学の道に出ました。


昨年、桜の事をブログに書いたのですが、読み返してみたらとても懐かしくなりました。・・・よろしかったら一年前の記事もご覧になってみて下さい。
東京から遊びにいらした友人のMさんと一緒に歩いた哲学の道です。
この一年、色々なことがありましたが、それでも季節は巡り、花は変わらず美しく咲き誇るのですね。
目を上げると、叶匠壽庵が。
<串焼もち>のノボリにふらふらっと引き寄せられて。


さすが和菓子屋さんのお団子は気合いが入っていました。香ばしく焼いた蓬(よもぎ)餅にたっぷり善哉のような餡がかかっていて、普段は餡子ものはそんなに得意ではないのですが、歩いた疲れもあったせいか、本当に美味しかったです。

ここもいつもの散歩道。
辰巳神社の前には婚礼衣装を纏い、記念写真を撮っているカップルが幸せそうでした。大勢の観光客の方達がそれを囲んで、祝福の言葉を。何とも和やかで平和な光景です。
祇園白川の桜は八分咲きくらいでしょうか?今年は開花が遅かったので、京都は今週末まで楽しめそうです。
4時頃、祇園花見小路の辺りに差し掛かった時、すごい数の警官とパトカーと消防自動車と、テレビ局や新聞社のカメラも沢山入っていて、道は塞がれ、やがて交通整理に従って多くの通行人が声を潜めて足早やに過ぎてゆきました。
何か大変な事があったのは一目了然です。
茫然としていたその時、携帯にFさんとCちゃんから殆ど同時にメールが届きました。
「近くで大きな事故が起こったようだけれど、今外出中ですか?無事ですか?」という、私の安否を気遣って下さる内容でした。
事態が今一つ飲み込めないまま、兎も角も家に戻って、ニュースをみましたら、車が横断歩道に突っ込んで多くの犠牲者を出し、そのまま暴走し、激突したのだという報道でした。
亡くなられた方のご冥福を心からお祈りするとともに、偶然に支配されて生きている私たちの今という時間の意味を、改めて強く実感した1日でした。


