
数日前、東京に出た折、少し時間が出来たので、渋谷の<東急bunkamura ザ・ミュージアム>に立ち寄り、現在開催中の『レオナルド・ダ・ヴィンチ 美の理想』を観てきました。
学生の頃、渋谷はホームグランドの一つだったのですが、久しぶりに渋谷駅から東急本店に向かう文化村通りをぶらぶらと・・・。
普段そうそう頻繁に美術館に通うことがないだけに、わくわくする贅沢なOFFの時間、絵を観に行くぞ~!の気分が沸々と湧いてきて、観る前から何とも言えず幸せでした。
これが案内のフライヤーです。
とても良かったです。
丁寧な解説と充実した展示でダ・ヴィンチの不思議な世界に吸い込まれる気がしました。
ダ・ヴィンチコードではありませんが、鑑賞するにつれ、彼の謎は広がってゆき、・・・・一体ダ・ヴィンチってどんな人だったのでしょうね。
今回初めて公開される貴重な作品等も含めて、約80点余りの作品、資料が展示されていましたが、その中でも、彼の直筆と確認されている絵画は、実は10数点しかないのだそうです。あとは工房の弟子たちとの共作や、彼のプロデュースで制作された数々、彼の影響を強く受けているレオナルド派の作品、後世の画家たちの手による様々な 『モナリザ』など、それらが系統立ててしっかりと展示されており、とても興味深いものでした。
けれど、今回の展示の目玉の一つは、フライヤーにも載せられている『ほつれ髪の女』。
彼の一連のマリア像やモナリザの原点ともなった作品と言われています。
買い求めた絵葉書なのですが・・・これが『ほつれ髪の女』です。
大体『ほつれ髪の女』というタイトルからして雰囲気がありますよね。
憂いを帯びた表情を縁取る髪が印象的で、揺れて息づいているようです。
上村松園などが描く日本画の美人画などでも、繊細でたおやかな線が何とも言えない儚げで艶っぽい美しさを感じさせますが、濁りのない鮮やかな色彩でくっきりと塗られ、着物の模様の細部に渡るまで鮮明に描かれていますし、髪の描き方一つをとっても、揺らぎない静まった日本的な美という気がします。
それに比して、この作品には、やはり、すっと引かれたような細やかな筆のタッチがありながら、これを描くダ・ヴィンチのもっと強い内省的な息遣いというか、生き生きと印象的で生な女性が浮かび上がってきて、とても西洋的、髪の描き方にしても「ほつれ髪」の名の通り動的で、幻惑されるようなイメージと物語が限りなくここから広がってくる印象を受けました。
日本初公開ということで、私も実物を初めて見たのですが、思っていたよりずっと小さなサイズの作品であることにまず驚きました。
でも、いつまでも見ていたいような心魅かれる女性像。不思議な微笑みの中に力ない吐息が聴こえてきそうでした。
ミステリアスでどこか憂いを秘めている感じが、確かにモナリザにじっとみつめられた時の印象にも共通する気がしました。
・・・素人の私が、わかった風に絵の印象を押しつけるのも憚られますので、これ以上は語らないことにします。・・・・6月10日まで開催されていますので、ご興味のある方は、是非ご自分で確かめてみてください。
本邦初公開の『岩窟の聖母』や『少女の頭部』など私の知らなかった素敵な作品も充分に堪能してきました。
BunkamuraのHPに作品の写真と解説などが丁寧に載っていますのでURLをご紹介します。よろしかったらこちら→ http://davinci2012.jp/about.html をクリックしてみて下さいね。
カフェで一休み。
多くの文学者、芸術家との縁の深いフランスの名門老舗カフェの「ドゥ・マゴ・パリ」が海外初提携だそうで、bunkamuraに入っていました。
このカフェには以前、フランス旅行をした時に立ち寄ったことがあったので、おお~~と懐かしくなり、あの時と同じタルトタタン(リンゴの量を多くし過ぎてパイを上にかぶせるのを忘れてしまったアップルパイ・・・みたいなケーキです)を注文してみました。本家にとても近いフランスっぽい濃厚な味で、カラメルが香ばしく旅行の思い出が蘇って、美味しかったです。
『ほつれ髪の女』を見ていたら、我が子キリストの死を悼む聖母マリアの表情が連想されてきて、帰る道すがら、ずっと色々な『アヴェマリア』の曲が頭に流れていました。
シューベルト、バッハ、カッチーニ、それからマリアが出てくるシャンソンがあれこれと沢山・・・クラシックとシャンソンがガチャガチャに鳴り続けて相当ハイな状況に、・・・肌寒いはずの風が心地よく感じられていました。
9月に、仲間内の会で数曲歌う事になっていて、何となくは心にあったのですが、そうだやはり『アヴェマリア』の特集をしてみようと閃いてしまいました。
こういうスイッチが入ったら最後の私ですので、翌日は部屋で籠城、ずっと懸案のまま放ったらかしだった、アズナブールの『アヴェマリア』の訳詞を完成しました。
アズナブールっぽい、朗々と歌い上げるマリア賛歌のような曲で、今までの私のイメージのアヴェマリアとは少しタイプが違います。
これまではどちらかというと屈折した憂いの中で歌うマリア像を好んで発掘していましたので。・・・このご紹介もいつかしたいですね。
どんな曲になってゆくか、しばらく歌い込んでみたいと思います。
アズナブールの『アヴェマリア』のyoutubeも出ていますので、ご興味がありましたらこちらをどうぞ。→ http://www.youtube.com/watch?v=RvhoO5DmQf8&feature=related
今日は『ほつれ髪の女』を、フレンチテイストの BGMとデザートを添えてご紹介してみました。
学生の頃、渋谷はホームグランドの一つだったのですが、久しぶりに渋谷駅から東急本店に向かう文化村通りをぶらぶらと・・・。
普段そうそう頻繁に美術館に通うことがないだけに、わくわくする贅沢なOFFの時間、絵を観に行くぞ~!の気分が沸々と湧いてきて、観る前から何とも言えず幸せでした。
これが案内のフライヤーです。


とても良かったです。
丁寧な解説と充実した展示でダ・ヴィンチの不思議な世界に吸い込まれる気がしました。
ダ・ヴィンチコードではありませんが、鑑賞するにつれ、彼の謎は広がってゆき、・・・・一体ダ・ヴィンチってどんな人だったのでしょうね。
今回初めて公開される貴重な作品等も含めて、約80点余りの作品、資料が展示されていましたが、その中でも、彼の直筆と確認されている絵画は、実は10数点しかないのだそうです。あとは工房の弟子たちとの共作や、彼のプロデュースで制作された数々、彼の影響を強く受けているレオナルド派の作品、後世の画家たちの手による様々な 『モナリザ』など、それらが系統立ててしっかりと展示されており、とても興味深いものでした。
けれど、今回の展示の目玉の一つは、フライヤーにも載せられている『ほつれ髪の女』。
彼の一連のマリア像やモナリザの原点ともなった作品と言われています。

買い求めた絵葉書なのですが・・・これが『ほつれ髪の女』です。
大体『ほつれ髪の女』というタイトルからして雰囲気がありますよね。
憂いを帯びた表情を縁取る髪が印象的で、揺れて息づいているようです。
上村松園などが描く日本画の美人画などでも、繊細でたおやかな線が何とも言えない儚げで艶っぽい美しさを感じさせますが、濁りのない鮮やかな色彩でくっきりと塗られ、着物の模様の細部に渡るまで鮮明に描かれていますし、髪の描き方一つをとっても、揺らぎない静まった日本的な美という気がします。
それに比して、この作品には、やはり、すっと引かれたような細やかな筆のタッチがありながら、これを描くダ・ヴィンチのもっと強い内省的な息遣いというか、生き生きと印象的で生な女性が浮かび上がってきて、とても西洋的、髪の描き方にしても「ほつれ髪」の名の通り動的で、幻惑されるようなイメージと物語が限りなくここから広がってくる印象を受けました。
日本初公開ということで、私も実物を初めて見たのですが、思っていたよりずっと小さなサイズの作品であることにまず驚きました。
でも、いつまでも見ていたいような心魅かれる女性像。不思議な微笑みの中に力ない吐息が聴こえてきそうでした。
ミステリアスでどこか憂いを秘めている感じが、確かにモナリザにじっとみつめられた時の印象にも共通する気がしました。
・・・素人の私が、わかった風に絵の印象を押しつけるのも憚られますので、これ以上は語らないことにします。・・・・6月10日まで開催されていますので、ご興味のある方は、是非ご自分で確かめてみてください。
本邦初公開の『岩窟の聖母』や『少女の頭部』など私の知らなかった素敵な作品も充分に堪能してきました。
BunkamuraのHPに作品の写真と解説などが丁寧に載っていますのでURLをご紹介します。よろしかったらこちら→ http://davinci2012.jp/about.html をクリックしてみて下さいね。
カフェで一休み。
多くの文学者、芸術家との縁の深いフランスの名門老舗カフェの「ドゥ・マゴ・パリ」が海外初提携だそうで、bunkamuraに入っていました。

このカフェには以前、フランス旅行をした時に立ち寄ったことがあったので、おお~~と懐かしくなり、あの時と同じタルトタタン(リンゴの量を多くし過ぎてパイを上にかぶせるのを忘れてしまったアップルパイ・・・みたいなケーキです)を注文してみました。本家にとても近いフランスっぽい濃厚な味で、カラメルが香ばしく旅行の思い出が蘇って、美味しかったです。
『ほつれ髪の女』を見ていたら、我が子キリストの死を悼む聖母マリアの表情が連想されてきて、帰る道すがら、ずっと色々な『アヴェマリア』の曲が頭に流れていました。
シューベルト、バッハ、カッチーニ、それからマリアが出てくるシャンソンがあれこれと沢山・・・クラシックとシャンソンがガチャガチャに鳴り続けて相当ハイな状況に、・・・肌寒いはずの風が心地よく感じられていました。
9月に、仲間内の会で数曲歌う事になっていて、何となくは心にあったのですが、そうだやはり『アヴェマリア』の特集をしてみようと閃いてしまいました。
こういうスイッチが入ったら最後の私ですので、翌日は部屋で籠城、ずっと懸案のまま放ったらかしだった、アズナブールの『アヴェマリア』の訳詞を完成しました。
アズナブールっぽい、朗々と歌い上げるマリア賛歌のような曲で、今までの私のイメージのアヴェマリアとは少しタイプが違います。
これまではどちらかというと屈折した憂いの中で歌うマリア像を好んで発掘していましたので。・・・このご紹介もいつかしたいですね。
どんな曲になってゆくか、しばらく歌い込んでみたいと思います。
アズナブールの『アヴェマリア』のyoutubeも出ていますので、ご興味がありましたらこちらをどうぞ。→ http://www.youtube.com/watch?v=RvhoO5DmQf8&feature=related
今日は『ほつれ髪の女』を、フレンチテイストの BGMとデザートを添えてご紹介してみました。


